時事問題のメモ

時事問題などについて考えたこと。目的は手段を正当化しないし、その逆も真なり。

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国会議員の人材

小選挙区制で衆議院選挙は勝ち負けがはっきりするようになりましたが、その結果選挙後に必ず出てくるのが、「当選した人はこんなにとんでもない人だった!」という類の報道。

特に比例代表リストの下位の人など、ちょっと・・・という人がいますね。

政治家はだれでもできる仕事か
http://oshimas.iza.ne.jp/blog/entry/1235446/

選挙ごとに振り子のように議員が総入れ替えになるとすれば、超簡単に考えれば、定数の2倍の人材ストックが必要となります。

それだけの人材をどう確保するか。

普通にある程度の年齢で、社会的地位を占めている人から選べば、そんなにとんでもない人は出てこないと思うのですが、やはり選挙って気軽に出られるようなものではないのでしょうね。
そう言った意味で、個人的には世襲はとっても合理的な仕組みだったと思いますが、それもダメというなら、優秀な人材を確保するにはどんなキャリアパスがいいのやら。

選挙でも、「何を目指します」とか「何をやりたいです」ということは言われますが、どうしてできるのか、それだけの能力があるのかということはあまり問われないと思うのですが、どうでしょうか。
嫌う人も多いですが、学歴や職歴ももっと問うべきだと思います。
やりたいだけで職に就けるのは、サラリーマンの世界では新人くらいなんですけどね。

政治家はつぶしがきかず、選挙が終わったからといって普通に仕事はしにくいとすれば、そういった人材をプールする職場も必要です。これまではTVのコメンテーターや大学の教員という方法がありましたが、アメリカのように人材をプールするシンクタンクもあればいいかな、と思います。

日本の教育の公的支出はOECD諸国に比べて少ない、増やすべきだという論調があります。

もっと教育を! 教育の公的支出、日本最下位層
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/299742/

教育は福祉と同様にお金を出すことに抵抗感が少なく、むしろ肯定的な論調になりがちですが、
そう単純ではないのではないか、と思います。

いくつか理由がありますが、まずはこれ。

OECD諸国の国民負担率(対国民所得比)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/238.htm

このように日本の国民負担率は極めて小さいので、単純に考えれば、各々の支出もOECD諸国に比べて小さくなるのは当然の帰結です。

「たとえ国民負担率を高め(増税して)でも、教育の公的支出を増やそう」というのなら議論ができます。

その他、以下のような疑問があります。
・OECD諸国並みに必要というが、いったい何が足りなくてどのような問題が生じているのか今ひとつよくわからない。建物?教員の給料?授業料の低減?それがどんな効果があるのだろう?
・そもそも周りがそうだから自分も、という議論の持っていきかたはどうか。
・少子化が進んだ日本は人口あたり(つまりほぼGDPあたり)の子供が少ない。子供1人あたりでは変わらないのでは。
・初等教育、中等教育、高等教育、あるいは就学前教育のどこに金を出すべきか。高校までの進学率は100%近いとしても大学は50%程度。大学に行かない人からも税金を取って大学に行く人に投入し、その人の給料も高くなるということに対して理解が得られるか。


必要なところには優先的に税金を使うべきだし、教育でもそうすべきところがあるとは思いますが、
「OECD諸国と比べて・・・」という論理での議論はちょっと拒絶反応を起こしてしまいます。

今回の衆議院選挙で、自民党のベテランがぼろぼろ落ちたり、冷や汗をかいたりしましたが、
自民党のベテランに若い女性の候補者をぶつけるという民主党の作戦があったようでした。
確かに同じようなおじさん同士だとインパクトが弱いですよね。

ただし、これは持続的な作戦なのかな、とも思います。

次の選挙では彼らは「現職議員」として自民党議員の挑戦を受けるわけです。
そのときに現職議員なのに清新さが保てているかどうか。
あるいは清新さで続けて勝てるかどうか。

小泉チルドレンもかわいそうなくらいぼろぼろ落ちていました。

そう言う意味では、民主党は今回の政権交代のチャンスのためにちょっと危ない橋を
渡ってしまったのかも。

惰性で多選を重ねていく弊害もあると思うのですが、毎回新しい人を投入する消耗戦も
人が育ちませんし、何よりもまだ若いだけに当人達がかわいそうです。

政治家を1回やってしまうとなかなか次の仕事に就くのは難しいでしょうから。
大学の先生くらい?

政党レベルの政権交代だけではなく、政権交代を前提とした個々の政治家のキャリアというものもこれから作っていかなければならないのでしょうね。

政権交代が決まった衆議院選挙、飲み屋や電車で周りの話を聞いていても、盛り上がってますねえ。

議席数はさんざん報道されている通りですが、新聞には得票率が出ていました。

小選挙区 比例区
----------------------
民主 47.42 42.41
自民 38.68 26.73
公明 1.10 11.44
共産 4.21 7.02
社民 1.95 4.27
みんな 0.87 4.27
国民 1.03 1.73
日本 0.31 0.75
改革 0.05 0.08

特におもしろいのは比例区ですね。
二大政党制が進んではいるものの、小政党も結構票を取っていることがわかります。

選挙が終わってから私が話したり聞いたりした中でも、さすがに自民党には入れられなかったけど、民主党も無理だった、という人が多かったです。
(そもそも民主党に入れたという人が周りにほとんどいないのですが、偏った層なんでしょうか。)

どうしてそうなのかというのは安全保障、日教組など積年の問題もありますが、
規制緩和をして政府や経済を効率化して、成長を目指していこうよ、という前回の衆議院選挙では主流派だったはずの小さな政府を主張をする政党がほとんどなくなってしまったこと。

二大政党が揃って、消費税は上げません、無駄を省いて弱者を支援します、という歳入面では小さな政府、歳出面では大きな政府を主張することになってしまった。

どうせなら、消費税も上げます、その代わり社会保障も充実させます、という大きな政府論を主張してくれればまだ選択肢になったのに、という意見もありました。私も全く同感です。

保守と革新、大きな政府と小さな政府という対立軸で、有権者にきちんとした選択肢が与えられるようになるためには、政界再編ももう一回り二回り必要だと感じます。

では、どうしてそれが進まないのでしょうか。

最近読んだ格差関係の本の中で、日本は小さな政府で、国民が大きな政府を目指さないのは政府に対する信頼感が不足しているため、という主張があって、なるほどと思いました。
社会保障は充実した方がよいと思うけど、税金を預けるのは安心できない、ということでしょうか。
確かに国民年金のていたらくを見ると否定できません。


さらに心配な記事がありました。

民主新政権に「期待する」74% 朝日新聞世論調査
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200909010400.html

変化にはきまって過度の期待が集まってしまうものです。
そしてその次は反動で失望が広がります。
どんなに民主党がうまく政権を運営したとしても、多少の揺り戻しは避けられないでしょう。
うまくできなければなおさらです。

そうしたことが起こった場合、その次に来るのは保守勢力の政権奪回というよりも、政府に対する国民の信頼のさらなる低下ではないかと思います。
そして日本の財政はますます悪化し、弱者に対する保護も不十分なまま、ゆでガエルのように国が衰退していくのではないでしょうか。

そうならないためにも、何としてでも民主党には政府の信頼感を取り戻すようなあっと驚くような仕事をしてもらわなければ困るのです。
たとえ掲げたマニフェストや連立構想を大胆に見直してでも、です。

衆議院選挙は民主党が圧勝とのこと。

小選挙区はわずかな差が大きな差になりますが、それが現実になりました。
民主党が圧勝しているように見えますが、投票率が反映されやすい比例区ではそれほど大きな差がついていません。
小選挙区でも50%台と40%台という接戦が結構目立ちます。

こういった小選挙区の特性は死に票が多くなるとも言いますが、悪いこととは考えていません。
社会が豊かになって価値観が多様化する中で物事を決定していくことは難しいことです。
何をやればいいかがはっきりしていて、成長が続いてそれを分配していけばよかった時代と異なり、成長が頭打ちになり、新たな分配を行わなければならないときには別のところの分配を減らさなければならなくなる世の中では、何かをやろうとしてもある集団は賛成、ある集団は反対になってしまうことがあります。
公共事業における都市と地方、年金・医療問題における若年層と高齢層の利害対立が例に挙げられるでしょう。
そうした中では衆議院は小選挙区を中心として民意の差を増幅するのは良いことだと思います。その上で参議院は比例代表を基本として少数意見も反映させる。しかし、衆議院で2/3による決定ができる、というのが理想のように思います。

さて、今回の選挙では投票率も上がり、組織政党は苦戦したようです。特に一定の層からしか支持を得られない宗教政党や革新政党は小選挙区では壊滅的でした。
そうでなくとも、支持組織を固めていくという戦略自体、終わったと思います。中選挙区であれば有権者の一部の票を獲得すれば当選できましたが、小選挙区ではそれはある程度の効果はあるでしょうが、何よりも浮動票を押さえて過半数に達しなければ当選できません。そこについて頭を切り換えなければならないのに、従来の手法に固執したベテランが落ちていったように見えます。小泉さんは自民党をぶっ壊したと言いますが、小選挙区制のもとではあのような道しか残されていなかったことは自明であり、そこに乗り換えきる覚悟がなかったことが「ゆでガエル」になったと思います。
まあ、世代交代の面から見れば望ましいことと思います。

二大政党をもたらす小選挙区制ですが、細かく見ると、小政党も特定層を対象としていないものについては、小選挙区で議席を結構拾っていますし、比例区でも結構票を取っています。
自民党は「不満」だけど、民主党に対する「不安」を持つ層がまだまだあったと言うことでしょうか。

民主党も今回の選挙結果が今後は続くのではなく、次はどうなるか分かりません。むしろ与党として現実的なことをやっていけば、無責任に自由なことを言う野党からの攻撃は効いてくるはずです。むしろ、毎回毎回振り子のように政権交代が行われる状態になっていくというのが今後の姿かも知れません。


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