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コムスンの不正請求も、事業の譲渡先がどこかということに焦点が移って来て、一段落した感がありますが、この騒動がテレビで取り上げられたときに出てきた発言の中には違和感、というか首を傾げざるを得ないものが多々ありました。
「福祉は利益を求めるものではないんだ。」
といった類の発言です。
こういった発言をしたときに、司会者なり、周りの出演者が反論しないというのもあきれます。
なぜか、利益を出す、と言うことに対する反感があるようです。
以降は、コムスンの不正請求はもちろん悪いことだ、という前提での話です。
株式会社にとって利益を出す、ということは「あれば良い」と言った軽々しいものではありません。
企業が資金を調達する際には、お金を借りるか、出資を求めるかします。
借りたお金に対しては、金利を払います。出資してもらったお金に対しては、利益の中から配当します。
万が一倒産したときには、借金の方を出資者より優先して返します。また、配当は業績によっては出せないこともあります。そのため、出資に対しては、融資に対してより高い利回りで報いなければなりません。
それだけのことです。
「利益を求めるのはおかしい。」
という人たちは、借金の金利も払うのもおかしい、というのでしょうか。金利は払うべきで、利益を出して配当するのはおかしい、というのも不思議な話です。
利益の多寡について議論をするというのはあるでしょう。特に、公的な制度によって確実性が高い事業に対しては、より低い利回りでも良いという議論はあり得ると思います。しかし、少なくとも借金よりは高い利回りが最低限保障されないとならないとは思います。利益ゼロ=配当ゼロというのはそれを下回っていることになります。
ですから、不祥事を起こした経営者は首になりますが、利益を出せない経営者も首になります。
やるべきことをやっていないからです。
「利益を第一とする体質」という批判もおかしなものです。
株式会社によって、利益を出すことは当然の目標です。「皆さんの役に立つために利益は二の次です。」などという経営者はおかしいです。もちろん、「利益を出せれば人に迷惑をかけても良い。」というのもおかしいです。
利益も社会的責任も同時に追求するべきであって、どちらが上かという議論自体ナンセンスです。それぞれ違うものであって、たとえて言えば、子供に「お父さんとお母さんのどちらが大事か」と聞くようなものです。
最後にもう一つ。「介護は」とか特別視する議論も好きになれないんですよね。もちろん、介護は立派な仕事だとは思います。ただし、それを理由にして特別視、思考停止するのはどうかと思うし、何より建前かも知れませんが、「職業に貴賎はない」という考え方は出来ないのでしょうか。それ以外の、利益を追求する職業の人たちだって、立派な仕事をしているはずです。その人達に対して、失礼な物言いだと思います。
まあ、こういった類の発言をする人自身が、自分で浄財を提供して、「利益は要りません」と言っている人たちならまだ聞こうとも思うんですけどね・・・。
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