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「地球温暖化の原因は人類が排出するCO2である」というのは今や世界の常識となった。 しかし、その考えは一つの学説に過ぎず、あくまでもコンピューター・シミュレーション上の結果であり、科学的に証明されたわけではない。 同説の後ろ盾であるIPCC第四次評価報告書ですら、温暖化の原因が人為起源の温室効果ガスであることについて断定はせず、「very likely(可能性がかなり高い)」と結論するに留まる。 CO2などが温室効果を持つことについて争いはなく、地球の温度変化とCO2濃度の変化は連動しているのは一目瞭然だ。 だが、注意深くグラフを見ると温度の変化が先行し、遅れてCO2濃度が変化しているのが分かる。 海水温が上がれば海はCO2を吐き出すのだから、CO2が増えたから気温が上がったのではなく、気温が上がったからCO2が増えたと考える方が自然であろう。 原因と結果がすり替えられているとしたら恐ろしい。 CO2が地球の温度に与える影響は、太陽や水蒸気などの要素に比べればごく僅かである。 実際、太陽の活動周期と気候変動が一致することは容易に確認できる。 また温室効果ガスのなかでもっとも温暖化に影響を及ぼすのは水蒸気であり、8-9割の要素を占める。 ところが環境省によると、水蒸気の濃度について顕著な変化は見られないという。 もし温暖化の原因がCO2だとしても、それが人為起源のCO2であるかについて意見は分かれる。 温暖化の要素の1-2割程度しかないCO2のなかでも、人為起源のCO2は自然起源に比べると無視できるほど少ない。 人類が排出するCO2が年6.5ギガトンであるのに対し、動物と微生物が排出する量は年150ギガトンに及び、また植物(枯葉など)や海が排出する量はさらに多い。 温暖化を防ぐために必死になってCO2を削減する人類の姿は、故障した車を直すのに、重要な要素であるエンジン(太陽)・ラジエター(水蒸気)を無視して、タイヤのボルト(CO2)だけを必死で締め直すような愚かな姿と同じだ。 将来CO2を半減させて何になるのだろう。 進捗が遅ければ努力すればよい。だがベクトルが間違っていたら、努力するほど間違った場所に早く着くだけだ。(竹田恒泰) この原稿は、平成18年10月〜平成20年9月に「フジサンケイ・ビジネスアイ」に連載した「エコマインド・アイ」を転載したものです。 |
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2009年10月10日
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