竹田恒泰日記

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温暖化するとなぜ寒くなる?


 平成20年の冬はとにかく寒かった。
 北半球では大寒波で厳寒となり、真夏の南半球ではオーストラリアとブラジルなどで冷夏となっている。
 この年は1月10日以降、50年ぶりの寒波が中国を襲い、深刻な被害をもたらした。
 大雪などで60人以上が死亡、約176万人が避難、22万棟以上の家屋が倒壊したという。
 そして、1月は中央アジアも25年ぶりの寒波により、トゥルクメニスタンで−30度、キルギスで−20度、タジキスタンとウズベキスタンでも日中に−10度など、各地で異常な低温を観測した。
 また中東全域も44年ぶりの記録的な寒波となった。
 アフガニスタンでは北部でマイナス30度を下回り、約10日間で300人以上が死亡し、およそ5万頭の家畜が死亡した。
 サウジアラビアでは寒さで10人が死亡し、1月11日にはイラクの首都バグダッドで100年ぶりに雪が降ったほか、1月22日にはヨルダンの首都アンマンが吹雪に見舞われるという未曽有の事態に至った。
 しかも寒波は北極圏にも及んでいる。
 グリーンランドでは昨年末以来異常な低温に見舞われ、全島で−25度以下となり、西部のディスコ湾はここ10年で初めて湾一帯が凍結した。
 その他にも1月は南米のアルゼンチンとアフリカのギニアでも異常低温を観測している。
 平成20年の日本は厳寒ではないが、平成18年豪雪では150人以上が死亡し、多くの村が雪に閉ざされて孤立したことは記憶に新しい。
 欧州と日本では温暖化は常識になりつつあるが、このように世界各地が同時に寒波を迎えることは、温暖化に逆行する現象といわざるをえない。
 「温暖化が進むとなぜ寒くなるのか」まだ誰も明確に説明できていない。
 人類は未だ明日の天気すらろくに当てられないのであり、百年後の気候を予測できるはずがないのだ。
 現に今年の世界的寒波を予測した学者は一人もいなかった。
 「温暖化」ではなく、「異常気象」ととらえる目を持つべきだろう。。(竹田恒泰)


 この原稿は、平成18年10月〜平成20年9月に「フジサンケイ・ビジネスアイ」に連載した「エコマインド・アイ」を転載したものです。

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