竹田恒泰日記

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皇室

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皇室典範議論の行方5〜捏造された綸旨


 よく政治家や官僚が「陛下の御意思」を軽率に語りますが、それはいかがなものでしょう。
 語られたその内容が本当に陛下の御意思だとしても、皇室の政治利用という点で大問題です。
 あまつさえ、もし「陛下の御意思」が偽りであったら、その問題の大きさは計り知れず、その罪は切腹を以っても償えないと言わなくてはなりません。
 これほど大胆な発言をしておきながら、小泉総理は、女性天皇と女系天皇の違いを理解していなかったことは衝撃的でした。
 小泉総理は平成18年1月27日、記者団に対して、女系天皇を容認する皇室典範改正案への反対論について、

 「女系天皇を認めないということは、仮に愛子さまが天皇になられた場合、そのお子さまが男でも認めないということだ。それを分かって反対しているのか」

 と反論しました。
 それが駄目だというのが反対派の立場なのです。
 この発言により、小泉総理が、女性天皇と女系天皇の違いも知らずに「陛下の御意思」とうそぶいていたことが分かります。
 これで、総理が皇室典範改定法案の趣旨も分からずに法案上程を叫んでいたことも露呈しました。
 同じく「陛下の御意思」を強調していた武部幹事長も、後になって、ようやく女性天皇と女系天皇の違いを認識したと発言しています。 続きを読む

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皇室典範議論の行方4〜皇室は最後の抵抗勢力!?


 これまで日本の歴史には、強大な政治権力を手中に収めた政治家がいました。
 だが、平清盛・源頼朝・足利義満・織田信長・豊臣秀吉・徳川家康ですら、自らが皇位を手に入れることはもちろん、万世一系の皇位継承原則を変更した者はいません。
 しかし、日本の建国から二千六百六十五年が経過した平成の御世(みよ)で、小泉総理は皇室制度の根幹である皇位継承原則にメスを入れようとしたのです。
 いった小泉総理は、皇室に対するどのような思想に基づいて女系天皇を成立させようとしたのでしょうか。
 その答えは、私が懇意にしている自民党のある国会議員から知らされた情報に見出すことができます。
 秋篠宮妃御懐妊が発表される直前の、皇室典範改定問題が最も激しく議論されていた最中の平成18年1月、小泉総理が自民党幹部と会合を持った際に、総理は

「今国会で皇室典範改正案を必ず上程する。典範改正は構造改革の一環だ」

と述べたあと、少し声を潜めて、静かに、しかし力強く

「皇室は最後の抵抗勢力」

と言ったというのです。
 さらに、その場にいた自民党幹部の一人が

「では、皇室典範改正法案が国会で否決されたらまた解散ですか?」

と聞くと、総理はかすかににやけた表情を見せ、大きく片手を挙げ、何も答えずに退席したため、その場に居合わせた自民党の国会議員たちは、「皇室典範改正」を覚悟したといいます。
 小泉総理は平成17年に郵政民営化の是非を問う「郵政解散」を断行し、圧倒的な勝利を収めたばかりでした。
 もし秋篠宮妃御懐妊がなく、国会で皇室典範改定法案が否決されたなら、日本の憲政史上前例のない、女系天皇の是非を問う「皇室解散」が現実のものになっていた可能性があったことになります。
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皇室典範議論の行方3〜正当性を失った女系天皇容認論


 しかし、皇室典範改定は秋篠宮妃(あきしののみやひ)殿下の御懐妊によって沙汰止みとなりました。
 そのうえ、お生まれになったのが親王殿下でいらしたことから、この話題自体が憚られ、小泉総理の打ち上げた計画は完全に頓挫することになったのです。
 有識者会議では、将来の展望を見据えた普遍的な皇室制度設計をするとの方針が繰り返し語られてきましたが、たった一人の皇族が御懐妊遊ばしただけで、議論を進めることができなくなってしまったのです。
 有識者会議の答申はその程度の次元の低い内容だったと言わざるを得ず、決して普遍的に通用する内容でなかったことが露呈したことになります。
 では、なぜ御懐妊の知らせとともに、皇室典範改定への動きが止まったのか。
 それは、もし男のお子様が御誕生遊ばしたら、その方は歴史的にも法律的にも正統なる皇位の継承者となられるわけですから、有識者会議の答申は、その正統なる継承者を皇統から排除することになり、当然憚られるわけです。
 したがって、一時は圧倒的支持を得た女系天皇論も、たった一夜にして「日本のタブー」に転落し、論の正当性は完全に失われたのです。
 そしてお生まれになったのが男のお子様でいらしたことから、再び女系天皇論が唱えられることはなくなりました。
 現在、秋篠若宮殿下は、皇太子殿下、秋篠宮殿下に次いで、第三位の皇位継承権をお持ちになる、正統なるご存在であらせられ、若宮を排除する理論は存在しません。 続きを読む
 
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皇室典範議論の行方2〜出来レースだった有識者会議


 男系維持派の情熱を込めた言葉は、世論を確実に動かしました。
 平成16年に皇室典範改定への動きが見られると、新聞各社は女性天皇の可否(当時まだ女性天皇と女系天皇の異動についてほとんど認識されていなかった)について、九割以上の国民がこれに賛成しているとの結果を報道しました。
 ところが、平成17年秋頃から皇室典範改定を巡る本格的な論争が始まると、テレビ・新聞・雑誌などで特集が組まれるようになり、ここで初めて女性天皇と女系天皇の違いなどが解説されるようになりました。
 それに従って国民世論は微妙な変化を見せ始め、女性・女系天皇を容認する皇室典範の改定に対して、慎重な意見が増え始めたのです。
 私にとって最初の著書となった「語られなかった皇族たちの真実」を出版したのもこの時期です。
 そして、平成18年春頃には、ついに国民世論は皇室典範改定に賛成する比率が五割五分にまで落ち込み、改定の可否は国論を二分するところにまで至りました。
 一時は国民の絶対多数の支持を得ていた女性・女系天皇論も、わずか数カ月で約半数の支持を失ったことになります。
 これは、約四千万人以上の国民が、当初は女性・女系天皇に賛成していたところ、途中で意見を変えたということを意味します。続きを読む

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皇室典範議論の行方1〜平成の山口二矢


 平成18年2月7日14時過ぎ、小泉純一郎総理(役職は当時、以下同じ)の姿は衆議院予算委員会にありました。
 答弁を待つ小泉総理に秘書官から一枚のメモ書きが手渡された瞬間の、鳩が豆鉄砲を食らったような総理の様子は、NHKの国会中継で全国に放送され、その後も各局が幾度となく繰り返して放送することになります。
 小泉総理に手渡されたメモは秋篠宮妃殿下が御懐妊遊ばしたことを知らせるもので、これを見た総理は、初め意味がよく理解できずに「ポカン」とした表情をして上の空となり、質問に立つ民主党議員から「総理、総理!」と呼びかけられました。
 小泉総理は、やがてその意味を理解したようで、少々困惑しながらにやけた表情を見せたのです。
 これを期に、平成16年から本格化した皇室典範改定への動きは完全に止まりました。
 そして、平成18年9月6日の親王殿下御誕生によって、それまで女性・女系天皇の成立を意図していた論客たちは、なりを潜めたように沈黙しています。続きを読む


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