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マグマ発電

ベネズエラの状況を見ていると、近い将来の日本を見ているような感覚を覚えます。ベネズエラは石油の推定埋蔵量が世界一で、かなりの石油輸出量があるのですが、とても不思議なことにその富が一般市民へはほとんど還元されず、反対に、通貨安になり、食料品などの物資不足が慢性化しています。結果的に、一般市民の多くが国内で生活できず、国を脱出して、近隣諸国やアメリカへ渡っているのです。しかし、当然、そういった国々で生活が保障されているわけではなく、様々な意味で搾取される結果になっている様子です。ベネズエラのこの数年のインフレ率はすさまじく、1万倍程度にはなっています。いわば、1億円の預金があったものが1万円の価値になってしまったという状況です。繰り返しますが、以前、ベネズエラは石油輸出により、中東の国々と同様に、一般市民はその富の還元を受け、中米から南米の国々の中で、ベネズエラはかなり豊かな国として成立していたのです。

通貨安によるインフレ傾向はベネズエラだけでなく、アルゼンチンやブラジルも同じです。アルゼンチンの政策金利はなんと50%を超えていて、仮に1万円を銀行に預けると1年で5000円の利子が付くという状況になっています。当然、物価はそれ以上に高騰しているわけで、庶民は生活苦にあえぐことになってしまっています。原因は、アメリカの利上げとされています。また、トルコも50%程度の通貨安に既にこの半年程度で陥ってしまっています。こちらの理由は、数年前に発生した国軍のクーデターに関連して、米国人神父がクーデター関与の疑いでトルコの現政権により拘束され、それを不当とするアメリカのトランプ政権により経済制裁がかけられているためです。

しかし、どれもこれも、ある意味、とても不自然な動きなのです。ベネズエラは国営の石油会社があり、ほぼその国営石油会社が石油に関するビジネスを独占しています。現在、原油価格は値上がり傾向であり、それなりにかなりの利益が上がっているはずなのですが、そういった話は、多分まったく報道に上がっていません。この状況は、ある意味、日本の原発を巡る状況にそっくりです。福島第一原発事故には不自然な点がかなりいっぱいあるのですが、そういったことは全く話題に上がらないのです。反原発で毎日デモをやっている人々自体が、そういったとても基本的な疑問点に触れようとはしないのです。一例が原発作業員への日当であり、一説には東電は平均で日当5万円を払っているとされるのですが、現実に作業員の方たちへ渡っている日当は1万円程度とされています。何度かこのことをちょっとだけ報道に載せる動きがあり、それで自分もそういった状況にあることを知ったのですが、現在でも、そういった状況をはっきりさせようという動きは表面化しません。

北海道でのM6.7地震で震度7が観測されたということで、かなり報道に挙がっています。しかし、震度7は青天井です。成人という年齢区分と似ていて、成人は20歳でも、30歳でも、また70歳でも100歳以上でも成人です。今回の震度7は揺れの大きさで言えば、限りなく震度6強に近い震度7であったはずで、もっともっと大きなというか強烈な揺れはあり得ます。起震車での大地震の再現で、こんなに揺れるとは思わなかったという感想を持つ人が多いそうですが、起震車の揺れは、実際の地震の揺れとは全く違うといっていいものです。阪神大震災での震度7の揺れの再現とされるものもある様子ですが、根本的に起震車の揺れは、特定の地震計で記録できた揺れを再現しているにすぎず、特定の地震計は、その特性があり、地震の揺れの一部しか記録できてはいないのです。特に違いがあるのは、周波数の短い、しかし大きな振幅を持つ揺れです。原理的に地震計は周波数が一定以下や一定以上になるほど、その地震波をとらえることができなくなるのです。長周期地震動がこの10年程度で注目されてきましたが、長周期地震動自体は大昔から自然現象として当然のことながら、地震が起これば、それなりに発生していたものです。たまたま、昔は長周期地震動の影響を受けて、大きく揺れる高層建築物があまりなかったというだけの話です。

今回の北海道の震度7で、かなり大きな箪笥が跳んで、部屋の反対側へ行き、そこで、逆さまになっていたという報道があります。鉛直方向の加速度が980ガル(重力加速度)を超えた結果のことですが、地震の揺れで、鉛直方向加速度が重力加速度を超えることがあると、初めて確認されたのが1995年の阪神大震災です。これ、ある意味、とても不思議です。地球全体で見れば、かなり大きな地震が数年に1度は発生しているからです。たまたま地震計がある程度以上の密度で配置されている場所では大きな地震の発生がなかったのだと言う事かも知れませんが、ともかく、現在の地震学の知見はこの程度のものなのです。

この箪笥が跳んだ原因となるのが、短周期・大振幅の地震波です。震源が遠く離れたところではなく、陸域の比較的浅い地震、震源深さが30キロとか50キロ程度でM6以上になると、震源域に近い地域では、大きな縦波の影響を受けて、ものが跳びはねる被害が生じます。更に、木造の建物では柱が基礎から引き抜けるという被害が発生し、この結果、大きな横揺れがなくとも、建物が倒れてしまいます。鉄筋コンクリート製の建築物は、いわゆるパンケーキ崩壊が起こります。比較的低層階で起こりやすく、柱の一部が1m以上渡り、木っ端みじんになって、鉄筋の外へ弾き飛ばされてしまい、その結果、その上の階の重さを支えることができなくなり、ぺしゃんこになるのです。

このもっとも典型的な例が阪神大震災における西宮市立西宮高校の特別教室棟A棟です。固い地盤と池を埋め立てた軟らかい地盤にまたがってたてられていたもので、その固い地盤の上の校舎の1階の柱が粉々に粉砕され、ぺちゃんこになったのです。(繰り返しますが、軟らかい地盤の上ではなくて、固い地盤の上でパンケーキ崩壊が発生したのです。)この被害について、横揺れが原因だという学術論文が書かれています。比較的よく引用されているものの様子で、かなりこの論文の結論を信じ込んでいる方が多い様子ですが、とんでもないものです。神戸大学の震災文庫に西宮市立西宮高校の被害写真があります。そこに、パンケーキ崩壊した部分とほとんど被害を受けていない校舎部分の境目付近を写したものがあります。柱と柱の間をスパンと呼びます。たしか、正面から見て右側の3スパン分がパンケーキ崩壊していて、ほとんど被害がない4スパン目の柱との間の部分の基礎梁の部分が写ったものがあるのですが、この基礎梁に縦に亀裂が2か所に入っているのです。横揺れで被害が発生したという論文では、被害を受けなかった校舎部分が左方向へ引っ張ったために校舎右側の3スパン分の1階部分がパンケーキ崩壊したとしているのですから、もっとも横向きに力を受けるのは3スパン目の基礎梁なのですが、その基礎梁に縦に二か所、しかも相当に離れた位置に亀裂が入っているのです。紐を両手で握り、引きちぎると、必ず、一か所で切れます。それと同じことで、基礎梁に引く力が加われば、必ず一か所で亀裂が入り、そこで梁が破壊されるのです。基礎梁の一か所が多少でも破壊されれば、そこが弱くなり、一層破壊が進みます。これが1か所で分離が起こる理由であり、ひもを引っ張った場合に2か所以上で切れることがないのと同じです。横揺れが原因とする論文は、現場を見ずに、特定の結果だけを取り上げて、その過程を説明するだけなら、いくらでもいろいろな理屈が付けられるということの典型例です。

首都圏で震度7を記録するマグニチュード8規模の地震は少なくともあと数百年は発生しないと政府の公式見解は言っています。しかし、その根拠はあまりに貧弱です。つまり、現在の知見で、過去に発生した1000年程度の地震を見ると、M8規模の地震は600年とかそれ以上の間隔を置いて発生していて、前回のM8が1703年 12月31日(元禄16年11月23日) 元禄地震(元禄関東地震) - M 8.1?8.2であるためです。しかし、そもそも、M8地震が一定の間隔を置いて発生するのかどうかは分からないのです。

地殻の歪みとその歪みの解放がどういった原因で起こるか、普通に考えると、プレートの沈み込み速度に比例すると言う事になります。まさに、現在の地震学は、この説をとっていて、プレートは一辺が千キロ以上の大きなものであるため、その移動速度も不変であり、よって、沈み込み速度も一定で、沈み込みによってプレート境界の歪みが作られるため、大きな地震の発生間隔は一定であるとなるのです。しかし、例えば、インドがユーラシアプレートに衝突して、アルプスが造られたことを考えると、沈み込みの状況は、長い期間を考えるとかなり変化するというのはごく当たり前のことです。沈み込み境界に何らかの変化、つまり、大きな海山などがあれば、沈み込み速度は一気に遅くなるのです。日本に於いては、伊豆半島がそれであるはずで、伊豆半島が現在の位置でユーラシアプレートにぶち当たった結果、伊豆半島が載っているフィリピン海プレートの沈み込み速度は一気に遅くなったはずです。伊豆半島はかなり大きな海山ですが、富士山程度の海山は数多くあり、例えば、房総半島の東方沖には、今まさに鹿島第一海山が沈み込みをしかかっています。同様に、襟裳岬沖には襟裳海山があり、これも沈み込みの途中です。岬の多くは、海底から押し上げられていることが原因で岬として存在しているはずで、犬吠埼の下には、それなりの大きさの海山が沈み込みをしているのです。なお、潮岬などの地下には非常に大きな花崗岩体があり、それが陸の地殻を押し上げているとされています。

311大地震というM9規模の地震が発生したのですから、311の大地震で太平洋プレートが大きく沈み込んだその隣接地域でM7からM8程度の地震が発生していくのは確実です。問題は、いつごろ起こるかと言う事だけで、M9規模の地震が一度発生すれば、必ず、その隣接地域でM7からM8規模の地震が後続するのです。日本に於いては、南海トラフ地震がその例で、M7からM8規模の東海地震が起こると、ほぼ同規模の東南海地震や南海地震が後続する傾向があります。2004年にM9が発生したスマトラ島沖では、ほぼ毎年同じ海溝でM7からM8の地震が起こってきています。

日本では阪神大震災や311大地震の時に、円高、それも極端な円高に振れました。しかし、その原因は不明とされています。一部に、保険会社が地震被害の払い戻しの為に、海外資産を売り払い、その外貨を円にしたため円買いが発生したための円高という説明がされていますが、明確に事実ではありません。保険業界がそういったことは事実ではないと公的に否定をしているからです。そのほかにもいくつか説明がされているようですが、どれも事実ではないと思われます。実態は、通貨投機がされていて、それが故意に円高に誘導しているのだと思います。世界の投機資金は実需の100倍を超える規模であり、それが関東大震災での大規模な通貨投機を狙って、被害が数千億円とか数兆円規模での震災では反対に通貨高に誘導しているのです。

2011年の大震災以降も、東芝や三菱重工などの原発を手掛けている日本の電機関係会社は好調を続けていました。原発を手掛けていないソニーやシャープはどんどんと業績が悪化していたのです。ところが、東芝は、ウェスチングハウス買収があまりの高値買いであり、その後の、原発関連の取引も、わざわざ数百億円の費用をかけて、5000億円程度の赤字を抱えている事業を買い取るというものであり、一時期は東芝が消滅するとまで言われたのです。東電も同じであり、実質赤字で、とても将来福島第一原発事故の負債を返済は出来ません。まして、今後、関東地震が頻発し、富士山噴火もあるのですから、首都圏は一気に衰退をするのです。

対処するための手は限られています。それは大規模な地熱開発です。いわゆるフラッシュ発電やバイナリー発電だけでも、推定資源量は2011年の原発事故前の原発代替え分はあるとされています。しかし、政府の開発目標はあまりに小さく設定されていて、2020年時点でも原発1基分である100万キロワットに遠く及びません。そもそも、地熱開発の規正法は温泉法であり、地熱開発を想定した規正法はいまだに存在していないのです。温泉法を一部手直しをし、いろいろと解釈の工夫をすることで地熱開発に対応しようとしているのですが、いろいろな弊害が発生しています。その典型が政府機関が行う地熱資源量調査の結果を誰が使うのかがはっきりとしていない点です。311事故前は電力会社が実質的に地域独占であり、地熱資源量調査結果の利用もその地域の電力会社であったのですが、現在は違います。特に、FIT制度が導入された結果、従来の電力会社以外が地熱開発に参入してきていて、その中には、地方自治体もあるわけです。ところが、地方自治体は一方で地熱開発についての規制もしていて、ここに利益相反が発生してしまう下地があるのです。早急に、現状にあった地熱開発の規正法を作る必要があります。

新たな規制法の必要性は、マグマ発電が可能になっていることからも言えます。いろいろな呼び名があるのですが、一か所で数十万キロワット以上の出力がある地熱発電のことです。地域によっては100万キロワット級の発電が可能になるはずで、国内での電力需要を賄って余りあり、電力輸出も可能になるとされています。

世界的に大地動乱の時代に入ってきていて、大きな噴火があれば、一気に寒冷化になります。白頭山やイエローストンが噴火すれば、1年程度で相当な寒冷化になり、数十年は気温が低い期間が続きます。日本は輸入比率が化石燃料はほぼ100%、食料は60%以上です。関東大震災があれば、ひと月程度の内に、軽く100%以上の円安になります。数年で1万%程度の円安になると思われます。その時の為に、エネルギー資源と食料の国産化を高める必要があります。その両方に役立つのが地熱開発です。

JR東日本も、今後、東北から関東で火山噴火や大地震が頻発することを考えると、相当な被害を避けることができません。JR東海も同じでしょう。JRやJP(日本郵政)などのもともと国営であった企業が共同で資金をだし、現在の大手電力会社とマグマ発電を開始するのはどうでしょうか。もちろん、同時にフラッシュ発電やバイナリー発電を全国各地でやっていくのですが、数千キロワット程度の開発では年間でせいぜい数十億円程度の利益にしかなりません。今後、だんだんと内陸の大きな地震が多くなり、原発廃炉を急ぐ必要が出てきます。そのため、今後5年間程度で千億円程度のコストが各原発ごとに発生するはずです。その費用を賄うためにも、北海道や東北、九州の火山帯でマグマ発電をやる必要があるのです。

マグマ発電を急ぐ必要があるのは、マグマ発電については、現在の3万キロワット以上のフラッシュ発電にかかる10年程度の準備期間では済まないかなりの年月が準備期間としてかかることが予測できるからでもあります。火山噴火を起こりやすくしてしまうのではないかとか、地震を引き起こすとか、いろいろな横やりが入るでしょう。しかし、マグマ発電は決して火山噴火を招き入れたり、火山性の大地震を引き起こするものではないのです。あくまで、地表近くの地下5キロ程度までの地殻にあるマグマだまりの熱を利用するだけであり、ある意味、マグマ発電の設備を整えることが、火山噴火の予知にも役立つのです。

311大地震前に、東北でのM9地震を予測できた人はいなかったはずです。そして、現在、311大地震の震源域の隣接地域で相当にM7以上地震の発生が切迫しつつあります。事態はどんどんと進展しているのです。M9地震が起これば、その震源域の近隣でM7からM8地震が起こるのは必然なのですから、関東地震の発生は避けれません。なるべく早く手を打つべきなのです。マグマ発電に取り組む体制の整備を今こそするべきではないでしょうか。

北海道や東北、九州は現在過疎に悩む地域でもあります。そして、他方では、現在の都市部である関東から関西は今後度重なる震災に見舞われることは確実です。マグマ発電に取り組むことで、現在の過疎地で雇用が増え、都市部の機能分散ができます。都市機能の分散ができれば、大きな震災での被害の軽減につながります。

1997年に発生した東電OL殺人事件の被害者である方は「国際協力はCIで」という論文を書かれていたそうです。CIとはカントリーアイデンティティの略であるとされるようで、その国の特徴を生かした形での国際協力がいいということのようです。その論文が公開されていないため、あくまでも推測ですが、世界第3位の地熱資源国である日本の特徴を生かし、地熱開発を持って、国際協力をしていくべきだというのがその主張であったのではと思います。残念なことに、この事件を境にして、新エネルギーの補助対象から地熱が外され、2011年までの長い停滞期に地熱開発は入ってしまいました。

311大地震が起こったのですから、今こそ、そういった停滞の動きを反転し、総力を挙げて地熱開発に取り組む時だと思います。

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