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この日記は買って一年ほど使ってみたサクラ・クーピーペンシル(18色)のレポートである。わたしの仕事はDTPソフトを使ったグラフィックデザインだが、手描きチラシも手がけている。広告効果が破格に高いからだ。着色には主に水彩絵の具を使うが、色鉛筆もよく使う。そんなわけで、手描きチラシに着色する場合のレポートということになる。 色鉛筆の第一の魅力はキレイなパステルカラーだけど、実際に紙にのせてみると淡く、これだけではぼんやりした絵になってしまう。さらに手描きチラシは摩擦抵抗の少ないコピー用紙に描くことが多いから余計に薄い。だからシャドーをおさえる線が必要になる。下の見本は、左側は無地のところに淡い色をのせた場合で、右側はペンで囲んだ四角にのせた場合だ。 白いところに淡く着色をしても、薄い色はぼんやりしてしまうが、ハイライト(紙の色)とシャドー(ペンの色)の中間色としてのパステルカラーなら視認性が安定する。 ところでひとつ問題がある。クーピーペンシルは新品の状態で下の絵のような段差がある。 伝統的にあるということは何らかの理由があるのだと思うが、分からない。使い込めば削れてしまうものだから構わないが、できれば最初からないほうがありがたい。 というのも、色鉛筆の使い方の中心は軸を寝せて、淡く、ぼんやり塗ることだと思うからだ。子どもの「ぬり絵」のように枠の中をきっちり塗るのではなく、力を抜いて、塗り残しやはみ出しは当然と言った使い方が多い。 乱雑な塗り方は、なんとなく光が入り乱れているような雰囲気を出すのにちょうどいい。当然、色鉛筆の軸を精一杯寝せて塗る機会が多くなる。そんなとき最初からある段差は邪魔になる。クーピーペンシルは全体が芯なので、軸を立てて使うとすぐに先が丸くなってしまう。寝せて使うことで先が程よく尖った状態をキープできる。 使ってみた感じだが、普通の色鉛筆にありがちな「カサカサ」とした乾いた音がせず、どちらかと言えばヌルっとしている。多少「ダマ」が出るが気になるほどではない。発色は普通の色鉛筆と大差はない。並べてもどっちがクーピーペンシルか、すぐには見分けがつかないと思う。 クーピーペンシルは経済的である。全部が芯だからなかなか減らない。子供が使うと、紙に強く擦りつけたりして折れることもあるかも知れないが、机からフローリングの床に落とした程度では折れない。 単色バラ売りが100円程度だから、機会があれば18色のうち「白」をケースから出して、「赤紫」を買い足すといい。白だけは何の役にも立たない。人物を描くと肌色(うすだいだい)を重宝するが、12色のセットには含まれていないので、買い足したほうがいいと思う。 説明では消しゴムで消せるとあるが、完全には消えない。薄くはなる。その辺も普通の色鉛筆と同じだ。 洗練された色鉛筆である。今は絵を描くと言っても、最終的にはデジタルデータになるから、微妙な発色の違いは吸収されてしまう。スキャン後は色調補正が可能だから、色鉛筆そのものにこだわる必要はあまりない。ちょっと確認していないけれど、バラ売りでどんな色でも単色を買うことができるとしたら、クーピーペンシルがいちばんいい色鉛筆だと思う。 |
グラフィックデザイン
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