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景気を良くする最短ルートは、将来の不安を取り除くことだが、この国では難しい。クリスマス、バレンタイン、恵方、土用の丑と、消費を刺激するには「ムード」が必要になる。このムードは同調圧力でもある。『世間一般は真夏にウナギを食べている。どうしてウチの食卓にはウナギがないんだ?』といった圧力だ。奥さんや恋人の誕生日に贈り物をしないと怒られるのと同質のものである。
ウナギは品薄に見える。EUからの輸入ウナギはワシントン条約で制限され、アメリカウナギも「絶滅危惧IB類」に、東南アジアのビカーラ種は「準絶滅危惧種」に指定された。ニホンウナギもシラスがほとんど捕れない「絶滅危惧種」である。神の見えざる手が働いているなら、ウナギは希少な高級品として扱われるはずだ。しかし現状はスーパーやコンビニ、牛丼屋などで大量に出回っているし、土用が終わると大量に廃棄される。
大手による大量買付の裏で、個人経営のウナギ屋の仕入れ値が上がっている。その部分だけを切り取って「品薄」と報じるマッチポンプはよくあるマーケティングである。安くて大量にあるものを品薄と煽って大量消費させる。付加価値の創造であり、真のビジネスだが馬鹿馬鹿しく滑稽である。
市場原理が働かないのは、それが真実ではないからだ。似た例はいくつもある。人手不足なのに賃金が上がらないとか、GDPが伸びているのに消費が伸びないとか。前提が本当なら間違った結果が出るはずがない。ウナギの旬は冬だが、買い時は土用の丑の日の翌日で、今年は8月2日である。オススメはそのころ安くなるサンマである。塩焼きにして大根おろしをかけて、半身は酒の肴に、半身はご飯のおかずにするといい。
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