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これは、たぶん仕方のないことだ。誰かが自分のデザインそっくりなものを作っても、誰も問題視していなければ笑っていられる。「日本の五輪エンブレム、オレのロゴとそっくりなんだ」とか自慢していたかもしれない。だが「そっくりじゃね?」などと騒がれ始めたら、恐いのは、どっちがオリジナルなのかを有耶無耶にされてしまうことだ。ベルギーのデザイナー氏も金銭を要求しているのではなく、「ちゃんと抗議しました」という事実を公式に残したいだけのことだと思う。彼もプロで、顧客がいるのだから。
グダグダなのは日本側の対応だ。IOC広報部長は、「商標登録は確認済み」で問題ないとしている。ところがベルギーのデザイナー氏は、自分は商標登録していない、と反論している。つまり、「著作権は商標登録されたものにしか認めらないのか。そうではないだろう?」という意味である。残念ながら正論である。
デザインを差し替えたほうが早い。円や四角を組み合わせたようなシンプルなデザインでは、もう出尽くしてしまって、まったくのオリジナルを作るのは難しい。何を作っても何かに似てきてしまう。こういう問題を起こさないためには、使い古されたデザインの焼き回ししかない。
あまり溌剌とした、さわやかなデザインではない。どうせ三十分もあればできる作業だ。いっそのことサクッと作り直して、ケチのつかない形で再出発したほうがいい。誰かに頼まれたわけではないが、わたしが無償で「ケチの絶対につかないデザイン」を作っておいた。
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