ウイスキーと語る

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映画とか推理小説とか

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テレビなどから録画した番組のタイトルを水彩画で。
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久しぶりに、推理小説以外の面白い小説を読んだ。

ドイツ帝国・ロシア帝国・オーストラリア帝国に囲まれた架空の極小国を舞台にした、田中芳樹氏の冒険小説だ。実在の地名と、架空の地名・人物などが混在し、まるで歴史小説を読んでいるかのように錯覚するが、これはフィクションだ。

1905年、ドイツ帝国が極小国のアップフェルラント王国へ侵略を企むが、女王の叡智と愛国者たちの勇気と機転がドイツ軍を退ける。小さな国は大国と併合するか、植民地になるしか生きる道がない時代、弱小国の外交手腕を考えさせられる。物語は、主人公の少年のささやかな初恋を交えて描かれている。

結局、外交はバランスなのだと改めて思う。世界中を敵に回して戦争に勝てる国はない。軍事力では劣っても、アジアでシャムが独立を保ったように、どんな弱小国でも生き残る道がある。これは、日常生活でも、商売でも同じなのだろう。

表紙の絵は子供っぽいが、とても面白い小説だった。

10月3日の深夜、2年半ぶりに放送された安楽椅子探偵シリーズの第七弾「忘却の岬」が放送されて以来、犯人を巡ってわたしの頭は霧の中を彷徨っている。つくづく、自分は推理モノが好きなんだなぁと再認識させられる。明日の深夜、いよいよ解答編が放送されてしまうのだが、まだ答えを見つけられない。

いや、正確に言うと犯人は分っている。消去法で都井という運転手以外に犯行は不可能だ。殺害現場も、トリックも、すべて推理済みだ。ただ、はっきりしない部分が多すぎる。最大の謎は年号を錯誤させようとしている出題者の意図。有栖川有栖と綾辻行人だから、必ず悪意に満ちた意味があるはずだ。録画して何度も繰り返し観た。時空列を表にして、不自然な点を全てリストアップしたが、どうしても分らない。犯人の動機を見つけられずに、タイムリミットが近づいている。

過去に欧米で起こった推理小説ブーム時は、一ヶ月の猶予期間があった。月刊誌という形で配信されていたからだ。職場でも、酒場でも、家庭でも「犯人は誰か、トリックは、動機は」の話題で独占された。アガサ・クリスティ、ディクスン・カー、エラリー・クイーンなど、悪魔の頭脳を持つ作家たちが、より難解で、奇抜な「殺人」をテーマに競い合った。テレビもラジオもない。映画や演劇はごく一部の人の楽しみだった時代、小説は誰にでも手が届くエンターテイメントで、とくに推理小説は人々を熱狂させた。何故なら、解答編が発表される前に犯人を言い当てていれば英雄になれるからだ。犯人だけなら当てずっぽうでも言える。トリックと動機を言い当てなければ勝者ではない。これが推理小説のルールだ。そして推理小説作家たちは、常に読者たちをペテンにかけ、出し抜き、赤っ恥をかかせ続けた。安楽椅子探偵のシリーズは、その再来とも言える。ただ、難しすぎる。

推理小説マニアのひとりとして、今はひたすら「謎」を解きたい。年号を誤魔化そうとしている理由。社長は本当に立つことができないのか。被害者のカメラと三脚の行方は。「思い出せ」というメッセージの後、鏡の位置が変わっている理由。物置のソファが不自然に重かった理由。出て来る地図は天地が反転している理由。分らないことは山ほどある。ヒロイン以外、服を着替えていないのも気になる。・・・ところで、ヒロインの前田愛は無茶苦茶美しい人だ。ま、それはいいとして、コーラと爽健美茶とカップヌードルが不自然に多く映るのも、スポンサーへの配慮ではないだろう。被害者が携帯に残した110の意味は、もちろん警察への連絡ではない。イトウを意味するのか、携帯で文字を打とうとしたのならイワになる。何故だ。伊藤なら、新聞にその名前が出ていたが、関係がないとしか思えない。

あと一日あるわけだが、ギブアップ気味だ。でも楽しい一週間だった。

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1970年に創元推理文庫から出版された第22版(初版は1959年)、「オランダ靴の謎」を読んだ。エラリー・クイーンがこれを発表したのは1931年。顔をうずめたくなるほど古い紙の香りがする、俗に言う、超本格推理小説だ。

わたしは常に読書中で、一冊読み終えると、すぐに次の本を持ち歩き始める。全部推理小説だ。現実の世界で仕事をしたり、お酒を飲んだりしていると同時に、もう一つの世界では難解な殺人事件の解決にも没頭している。

仮想世界は現実からかけ離れるほど、どっぷり浸れる。

2週間ほど前から1930年ごろのオランダ記念病院を「探偵」として訪れていたわたしは、30人近い登場人物の中の、20人以上の容疑者の中から、新たな情報が提供されるたびに、犯行が不可能な人物を一人ずつ「容疑者」から除外し、最後には老婆と医師を殺した犯人をズバッと言い当てる、はずが、エラリー・クイーンの悪魔めにすっかり騙され、赤っ恥をかいて、昨夜遅く、雨の中の現実世界に戻ってきた、という感じだ。

エラリー・クイーンは、フェア・プレイに徹底した作家だ。「読者への挑戦」という項があり、すべての手がかりが提供されたことを、著者によって告げられる。推理小説は「出題の章と、回答の章」に分けられる。中途半端な推理小説はこの区分けが曖昧で、探偵が犯人を言い当てた後で、ぞろぞろと新事実が発覚する。まあ、あれはサスペンス劇場の台本向けに書かれているから仕方がないのだけど、クイーンの作品には、そんな手落ちはない。エドガ・アラン・ポウの「モルグ街の殺人」や「マリー・ロジェ」の形式をガッチリ守った、正統な血統の推理小説だった。

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わたしは、高校生時代からの推理小説ファンで、最近は推理小説以外の小説を読んだことがない。推理小説は、文学ではなく、文章形式のパズルだと思っている。

映画やテレビがない時代の欧米で、庶民が毎月発売される探偵小説雑誌に夢中になった時代の作品の和訳だ。古風で異国情緒がたっぷりだが、心理描写は現代の日本人と共通している。2ヶ月ほどかかってアガサ・クリスティーの「三幕の殺人」を読み終えた。なんと1935年、今から72年前の作品だ。ある俳優が30歳も年下の女性に恋をする物語の中で、連続殺人事件が起こる。自信たっぷりのエルキュール・ポアロが事件を解説する過程で、クリスティーの憎たらしい笑い声が聞こえるような気がした。

手ごわい作品で、かなり用心深く読まなければ犯人が分らない。読み終えたので、だれかご希望の方にお貸しします。

わたしは推理小説の大ファンで、本格ミステリーの文庫本があれば、とりあえずは、他になにもなくても楽しめる。まあ、焼酎ぐらいあるといいが、夜な夜な本を開いて、小説形式の大規模なクイズを解いている。

文学の中で、推理小説だけが特別な存在だと思う。飾った言い回しも、芸術的な表現も必要ない。新聞の記事のように淡々と物事の流れが綴られていればいい。大切なのは、何が起こったか。現場の状況はどうだったか。そこに何があって、何が無かったか。登場人物の心理は、行動に裏付けられていなくてはならない。そして、故意に織り交ぜられる矛盾点を、いかに読者に気付かれないように「明記する」かも重要なポイントだ。まさしく職人の仕事だ。

ローリー・キングの「シャーロック・ホームズの愛弟子」という推理小説を読んでいる。コナン・ドイル製ではないシャーロック・ホームズは賛否両論で、わたしは否定的だが、愛弟子が主人公ならいいかも知れない、と思って、読む気もないのに数年前に古本屋で買って積んであったが、ひょんなことから読みはじめた。予想に反して面白い。

ワトソンが語る物語には一切登場しなかった愛弟子(天才少女)の立場から物語を解説している。もちろんワトソンもそっくりそのままの容姿・性格で登場し、少女からは「ジョンおじさま」などと呼ばれて愛されている。例えば、日本の戦国時代が小説になるとき、歴史の大筋はそのままにして、細部の設定が変更される。読者は、半分は事実、半分はフィクションとして読む。この小説もその手法が取られている。ただ、ドイルがあまりにも詳しくホームズを書きすぎたため、フィクションの入り込む余地がない。そこで、まったく存在しなかった(ワトソンが隠し続けたとされる)登場人物が現れる。名前はメアリ・ラッセル。この少女が、ときにホームズを上回る推理力で確信に近づいてゆく。推理小説職人の力量を感じた。

このシリーズは全四作。タイトルは以下の通り。
『シャーロック・ホームズの愛弟子』 The Beekeeper's Apprentice (1994)
『女たちの闇』 A Monstrous Regiment of Women (1995)
『マリアの手紙』 A Litter of Mary (1996)
『バスカヴィルの謎』 The Moor (1998)

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