通貨とは、モノやサービスと交換が可能な金(ゴールド)の代替品である。
「ビットコインでお支払いしたいのですが」
と言われて応じる業者が普通にいるなら通貨である。どこぞのどこどこがビットコインで支払えるらしいなど、NHKなどが例外を報じたとしても、いざ払おうとすると手続きに時間がかかりすぎて混乱する。
日本政府は通貨ではなく「モノ」と定義している。大根と同じである。ただし本当の大根ではなく、大根引換券という仮想大根で、食べることはできない。いざ食べようと思ったら消費税と交換手数料が必要になる。つまり買った時点で価値が目減りする大根である。
仮想と、非仮想の違いは、発行者が大根を生産するために必要な畑や種を持っているかどうかだ。天候により大根の価格は上下する。しかし引換券があればレートに関わらず交換できる。仮想とは、畑や種といった「インフラ」を所有しない仮想農家が発行した引換券で、担保されるものは存在しない。
世には「現金」という便利なものがある。主な現金としてドル、円、ユーロの3種類があり、これに英ポンドと、スイスフランを加えてハードカレンシー(国際通貨)という。中国元や韓国ウォンを持っていても、一度ハードカレンシーに交換しないと、発行国以外では決済手段として使えない。
仮想通貨とは、ハードカレンシーを持たない者が憧れる担保である。日本人の貯金通帳には「円」というハードカレンシーが貯蓄されている。しかし韓国人の通帳には「ウォン」とう、デフォルトの可能性もある不安定なローカルカレンシーが貯蓄されている。その不安から仮想通貨に夢を見る。
日本人がビットコインを買う目的はひとつしかない。ギャンブルだ。乱暴な言い方だが、ビットコインは為替専用の仮想通貨である。わたしたちはよく似たものを知っている。パチンコの玉である。パを取ればただのチンコでファンダメンタルズ的には無価値である。ビットコイン市場に機関投資家はほとんどいない。つまり、ハードカレンシーをたっぷり持っている人たちは、仮想通貨を相手にしていないということである。
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