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さて前回予告したマルクに楽屋に呼ばれた話ですが... 先ずはうちのオケ(ミュージシャン・デュ・ルーブル)の構成から話さないと...ちょっと裏話っぽいですが。基本的に正式団員というのはいません。5人一応グルノーブル市から給料を貰っているメンバーがいますが、彼らは《レ・ミュージシャン・デュ・ルーブル》と《グルノーブル室内管》が合併したときのオーディションでかろうじて落とされなかった元《グルノーブル》のメンバーで、あとは全部フリーのミュージシャンです。勿論90パーセントのメンバーはほぼ固定で創設当時からいるメンバーもいますが、基本的には契約制なのでいつ首になってもおかしくない。で、中には10年位ずーっと参加していたのにある時ばったり電話が来なくなったとかいう人も...桑原桑原。 中でもホルンパートは色々確執があった様で僕が3年前にはじめて来た時は何だかドロドロしてました。初めてのシリーズで既に横で1番を吹いていたハンガリー人がコンサート直前に首になり(ブダペスト歌劇場の首席ですちなみに...)、2番を吹いていたベルギー人が1番になり、スペイン人の同僚が見たことも無い下手糞な友達を突然連れて現れたり... かくいう僕は殆ど《便利屋》で1番から4番まで足りない所は全部引き受けていました。 で、何ヶ月か経った時の南米ツアーで突然マルクの独断で僕が首席になりベルギー人(若者でプライドが高い)はカンカン。ちょっと性格的に会わないので触らぬ神に祟りなしとなるべく避けるようにしていたんだけど... 最悪なことが起こってしまう。BBCプロムスのツアーのあとマルクが『タケノリ。これからは君がホルンパート全部仕切って。』と言ってきた。それはそれで別にいいんだけど、よくよく理由を訊いてみると要するにベルギー人とスペイン人の2人にもうあんまり来て欲しくないんだけど直接いうのは角が立つから後から入った僕に首にさせようと言う魂胆らしい。ひどいじゃん、ちょっとそれ。え? で僕はなるべく彼らには頼まなくてもいいように違うホルン吹きを呼んだりしてたんだけど、どうもベルギー人がぶっちぎれてとうとう事務局に怒りの手紙を送ってきた。事務局長は僕に『頼むから早くマルクと話をして解決してくれ。』と迫ってくるし、マルクはマルクで『首席はタケノリだから彼が決めるべきだ。』とか勝手なことを言ってるし、間に挟まれた僕は一体... でとにかくマルクと話をしようと思っていたところ本人からお呼びが。 ちょっと今この先書いていいのか迷ってしまいましたが...ま、いいか。マルク曰く『OO(ベルギー人)とXX(スペイン人)は今まで色々力になってくれたけれど、彼らはあくまで予備軍だ(どっひゃー)。沢山コンサートをやった挙句どうもOOは自分が僕の一番のお気に入りのホルン吹きだと思い込んでしまったようだけどそれは全くの勘違いだ(再びどっひゃー)。首席は君かもしくはヨハネス(モーツァルテウムの首席=異常に上手い)がやれる範囲でやって、どうしても無理で他にも人がいなかったらOOがやるだけの事だ。勿論彼らには感謝しているし、お礼の意味もこめて幾つかコンサートも頼もうと思うけど、どのシリーズだったらリスクが少ないかな(三度どっひゃー)?』だと。聞きながら内心、自分のことこんな風に話されたらショックで3日間寝込んじゃうだろうな、などと思いつつ表面はあまり動揺を見せずに楽屋を後にしたけれど、ちょっとね... 10年近くオーケストラで吹いてきたメンバーにあんたそれはあんまりでないかい??? で、ふと思ったのが そう、今まで何人のメンバーがこうやって無惨にも切り捨てられていったんだろうか。恐ろしや〜。しかも来年5月のハイドンのロンドン交響曲全集の録音は僕があうあうしながら『ここで1度もコンサートやっていない僕が録音だけ登場するのはちょっと風当たりが... それに練習も殆ど無いみたいだし... あ、事務局長も3人目のホルン連れて行くと金が掛かるから困るって言ってましたよ...』と言っているにも関わらずマルクの『いやOOに12曲全部録音させるのはいやだからタケノリが半分やる様に。』という一言にかき消されてしまった。あー気が重い。だってベルギー人は会う度に《お前のせいで。くっそー死ね死ね光線》を送ってくるのに1週間もウィーンで録音なんてしたら闇夜にまぎれて暗殺されるがな。もしウィーンで僕が変死したらベルギー人に殺されたと思ってね、てうそうそ。 てな訳であと2つのオケ(ポワトゥーシャラントとペレアス)では全然こういう問題が無いのにどうしてここのオケはこんなに揉めるんだろうか... 別に僕がマルクに『お願〜い、首席にして。ウフッ。』とか擦り寄って言った訳じゃないんだけどな。こんな事なら便利屋のままでいた方が気が楽だったよ、本当に。 さてあと何年僕が首席でいられるか皆さん予想してメールを送ってください。一番近かった方にはタイユヴァンでご馳走します。って、洒落になんない...
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大変ですね。
サラリーマンの飲み会の陰口合戦より辛らつです。
とりあえずタイユヴァンには行きたいなあ。
2008/9/5(金) 午後 1:22 [ マルセルサンバ ]
僕もマルセルサンバさんと一緒にタイユヴァンいきたいから言いますが
60歳定年までソロで、そのうちオケ全部の面倒を押し付けられるのでは。。。。。。
2008/9/5(金) 午後 3:05 [ むっしゅえるも ]
いや、でももっと違うオケのソロになってる姿も見える。。。。。
パリのフィルとか。。。。。。。
2008/9/5(金) 午後 3:06 [ むっしゅえるも ]
ネモちゃんが辞めたくなるまで。
でもこういうのは、指揮者が自分で何とかして欲しいよね。
プレイヤーに何とかさせないで欲しいよね。
2008/9/6(土) 午前 4:02 [ 桃子 ]
マルセルサンバさん&むっしゅえるもさん。今度パリに来たら一緒にタイユヴァン行きましょうね。
桃子さん、その通り!!!本人が解決するべき問題なのに...矢面に立たされる身は辛い。
2008/9/6(土) 午前 5:54
フランスの方ってもっとドライな印象を持っていましたが、ものすごくドロドロしているのですね…
2008/9/6(土) 午前 8:16 [ たくみ ]
たくみくん、本当にねえ... その節はプレゼントありがとうございました。ちなみに来年フォルジュルネには行きませんが、《ルーブル》のツアーで秋金沢へ行く予定です。また会いましょう!
2008/9/6(土) 午後 4:27
はい!楽しみに待っております!
2008/9/7(日) 午後 10:52 [ たくみ ]
わあ、ネモトさん、大変ですねえ。夜道に気をつけてください。
<はぜどんより>
2008/9/8(月) 午後 10:58 [ hor*ha*e*on ]
いやぁ〜〜、このblogが日本語表記でヨカッタですね。(なんのこっちゃ?)
きっと、マルク氏がいる限りずっとネモトさんが首席(兼、防波堤)である事にまちがいありません!!
2008/10/11(土) 午前 8:17 [ ☆oki ]