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同じ日に2つ記事を書くなんてこのブログでは前代未聞ですが、ミクシーの友人の日記を読んでいてびっくりする記事にぶつかったので書かずにはいられません。

《事業仕分け》の政策でオーケストラへの援助金が大幅に削られそうだとの事、全く開いた口が塞がりません。それでなくても欧米諸国と比べて文化に対する援助が低いのに(多分先進国中最下位)、それまでも削ろうだなんて非常識にもほどがある。産経新聞の記事にもありましたが欧米のどんなに有名なオーケストラでさえ国や地方自治体の援助なしにはやって行けないという事実を政府は理解しているんだろうか?

僕がいるオケも3つとも援助金で運営しているし、大きなフェスティヴァル(エクサン=プロヴァンスとかザルツブルク)だって予算の75パーセント以上補助金とスポンサーで賄っているというのに...

日本のクラシック演奏家や作曲家がここまで海外で認められるようになったのは、色々批判があってもやはり義務教育期間に於ける文化への力の注ぎ方が重要だからだと思う。自分が小学校、中学校にいた時を考えても、音楽、美術の授業で沢山の事を学んだし、毎年体育祭と並んで文化祭、クラス対抗の合唱コンクールと決して文化活動をおろそかにしていなかったし、部活でも安い部費さえ払えば、吹奏楽、合唱、演劇とどんな貧しい家庭の生徒であろうと文化に触れることが出来るようなシステムが出来上がっていた。他の県は違うかもしれないけど、神奈川県では高校入試のために中学2年の時に《アテスト》というのがあって(今も在るのかな?)、一般の教科は勿論、美術、体育、音楽といった教科の点も加算して計算されるようになっていたと思う。

今ヨーロッパで日本人が全くいないオーケストラを見つけるのは難しいし、各国際コンクールでも日本人ががんがん賞をとっている。この間のロストロポーヴィッチコンクールとか、ブザンソンの指揮者コンクール、ヴァン・クライヴァーンもそうだし... 日本人作曲家の新曲も定期的に初演されるし、1960年代の《東洋の小さな島国から来た黄色い小人が器用に我々の音楽を演奏している驚き》みたいなものは完全に消滅している。それもこれも最初は欧米の《真似事》だったとはいえ、学校教育に文化を取り入れて、オーケストラも援助してどんどんレベルが上がるように努力したからではないのか。昔の《欧米至上主義》がクラシック音楽の世界においてはやっと無くなってきて、自国では全然名前さえも知られていない下手糞な欧米の演奏家よりも、実際に海外で活躍する日本人にスポットが当たるようになってきたというのに... やっと日本の聴衆も怪しい外人のプロフィールにある嘘か本当か分からない受賞歴よりも自分の耳を使って演奏家の持つ本当の能力を判断できるようになってきたというのに!!!

正直言ってこちらで教鞭を取るようになって、度々『日本の音楽教育はすごい』と思います。フランスではもし子供に音楽を勉強させたいと思ったら先ずは地元の音楽院に登録しなければいけないし、楽器も学校から提供されるのではなくて自分で買ったり借りたりしなければいけない。授業料が安いとはいえ日本の公立学校の部活に掛かるお金と比べたらずーっと高い。学校にも音楽の授業はあるけれどどちらかというと『他にやること無いから音楽の先生でも』という人が多いし(すべてがそうではないけれど)、主要教科(仏語、外国語、社会、理科、数学、哲学)以外は高校入試にも大学入試にも影響が無いからどの生徒も全然やる気が無い。しかもヴァカンスが多いので普段は授業が終わるのが5時過ぎ、高校になると6時なんてことも。だから課外活動なんてもってのほか、どうしてもやりたくて、しかも家庭に経済的な余裕がある子供しか音楽やスポーツに触れることが出来ない。

それと比べたら日本の学校における芸術教育は本当の意味で《民主的》だと思っていたのに... 

一体日本の文化はどこへ行ってしまうんでしょうか。立派なホールだけ作って、外国の有名なオーケストラを破格のギャラで呼んだりする傍らで、地道に国内で草の根文化活動を続けている日本のオーケストラを破産に向かわせるような政策を取るなんて、恥ずかしい限りです。

こちらからは何も手助けできませんが、日本のオーケストラの皆さん、絶対に負けずに頑張って下さい。どうするべきなのかは具体的に頭に浮かばないけど、いくつものオケが一緒になって子供たちを対象に巨大な無料コンサートをするとか、色々メディアに訴える手はあると思います。僕でお手伝いできるのであれば即刻駆けつけます!

みんなアホ政治家どもに負けるなー!!!

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なんか、ニックネームが変になってしまうのですが、emicoです。
そうなんです、とんでもないことになっています。オーケストラだけではなく、文化庁の子育て支援の補助があった鑑賞教室やコンサートなどがことごとくなくなります。ですので、アンサンブルのツアーなどもグッと減ることでしょう。
離島の学校への派遣なんて、補助がなければ採算が合わないのでできなくなるでしょう。
本当に、採算が合わない=必要ないとしか考えられない単細胞頭が多いですよね。「種まき」と「土壌づくり」をしなければ作物は育たないのに。
その他、楽器を飛行機内に持ち込めなくなったり(木管は大丈夫かな。)、音楽家にとって痛い話ばかりですよ(涙)

2010/2/11(木) 午前 1:06 [ tp_*mi*o ] 返信する

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いつもこっそり見ていた先輩の和田です。結局民主党もそれほどバカではなかったようで、ほんの少しの削減案で済みました。日本の教育も悪くは無いという話、興味深く拝見しました。(堅苦しいな)僕も文部科学省に反対メール書きましたが、このくらい書いてみたかった。人生半ば過ぎてしまいましたが、頑張ってホルン吹き続けましょう!

2010/2/11(木) 午後 8:47 [ ひろくん ] 返信する

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和田さんご無沙汰しております。こんなしょーもないブログ見て下さっていたなんて...お恥ずかしい限りです。世界中どこも経済が不振になってまず切られるのが文化ですね。ヨーロッパも今大変です。今度日本へ行く時は是非お会いしましょうね!

2010/2/12(金) 午後 11:50 Takenori Nemoto 返信する

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お久しぶりです。
助成金の削減となれば、入場料金のアップにもつながるんでしょうか。今でも入場料金が高いな〜と思うこともしばしば。
でも、来日オケに比べたら安いですが。

僕達アマオケも市からの助成金が大切な財源ですが
市長が変わると、その額も変動します。
当然芸術に理解がない市長だと削減されます。
だから市の委託演奏などは、せっせと受けるようにして
実績作りに努めています。

ちなみに、アテストはもうかなり前に無くなりましたよ。

2010/2/14(日) 午後 8:10 [ bay*eut* ] 返信する

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