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趣味と実益を兼ねた???

昨日は知り合いの誕生日でした。僕が最近殆どパリにいないのでまさか来るとは思っていなかったらしく、みんなに『あらータケノリ来たの。珍しいー、久しぶりー』と言われてしまいました。でも本当に4年振りとかに会う友人がいてなかなか楽しい夜を過ごす事が出来ました。

で、この金曜からツアーで南米に行くというとみんながみんな『羨ましいー。旅行タダでした上にお金まで貰えるんでしょう。』という反応だったのでちょっと考えさせられてしまいました。そりゃあね、仕事で方々行くけどさ、じゃあ観光してるかっていうと《そんな時間ある訳ねーだろ!》ってか?いけないいけない、もっとお上品にしなくては。

でも正直言って移動の量は多いけど、知っているのは駅(または空港)とホテルとコンサートホールのみっていう場合が殆どなんだよなー。それに《好きな事してお金もらってる》と思われがちだけど(勿論好きな事やってるけどさ...)、本番のストレス(月に10以上コンサートがあると辛いっス)、特にソロが沢山ある曲だったりするともう胃潰瘍になりそうだし(でも周りからはそう見えないらしい...)、毎日練習しなくちゃいけないし(ここ10年来楽器を持たずにヴァカンスに行ったことが無い...)、調子が悪いともう人生やめたくなるし、そんなに周りが思っているほど楽しい職業かは疑問です。

そりゃあコンサートがうまくいったときは嬉しいし、自分の仕事に誇りを持ってはいるけれど、あまり周りから《美味しい仕事》と言われると『じゃああんたも演奏家になったら?』と言いたくなってしまう...

こちらで一番むかつくのは、他に職業を持つ傍ら演奏活動をし、さらに金を要求する輩が少なからず居る事です。大きな音楽学校も出ていない要するにアマチュアですが、日本のアマチュアの方達のように純粋に音楽を楽しんで続けて行きたいという姿勢ではなくて、『僕は本当は演奏家になるだけの才能があったんだけど、頭も良かったから普通の職業に就くかどっちにしようか悩んじゃったんだよねー。いやー才能がありすぎて自分が怖い!』というコメントをしつつ片手間に演奏活動をしている訳です。こういう人は職業を聞くとマジで『ピアニストです。』とか『オペラ歌手です。』とか答えます。日本人からは信じられないような事ですが、フランス人の辞書に《厚顔無恥》という言葉はありません。

勿論色々な分野に渡って才能がある人は沢山いますが、もし本当に音楽に只ならぬ情熱を持っていればどんなに先が見えなくともやはり演奏家としての道を選ぶと思うのです(画家も同じですね)。実際、今年亡くなったピアニストのクロード・エルフェールや今若手のヴァイオリニストとして活躍しているダヴィッド・グリマルなどは親の要望で(『あんた、音楽で食っていけるわけが無いでしょ!』とか言われて?)こちらのグランゼコール(超エリート養成学校ですね。東大の博士課程みたいなもの)を出てはいるものの、その先一般企業でのエリートコースは選ばずに演奏家として活動してます。僕のやってる木管五重奏のファゴット吹きは国立研究所に研究員として招待されるほどの能力を持っていながら(親が止めるのも聞かずに)音楽の道に進んで、今はギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団ならびにトゥール歌劇場管弦楽団のメンバーです。

同僚の間でよく笑い話に出るのがフランスを代表するクラリネット奏者のポール・メイエが地方でコンサートしたときに、終わったあと地元の着飾ったおばさんが楽屋にやってきて『素晴らしかったわ〜。で、ご職業は何をしていらっしゃるのかしら?』『...演奏家ですけど。』『ええ、それは分かっているけどどうやってお金稼いでいらっしゃるのかしらと思って。』『...コンサートをして。』『あら、じゃあ音楽を職業になさってるの?それで食べていけるの?知らなかったわ〜』『...』

信じられないような話ですが本当です。僕も一度うちのオケで地方に行って、コンサート終了後に通りかかったおじさんに『いやー素晴らしい。プロも顔負けだね!』と言われて凍ってしまった事があります(笑)。これも下手糞なアマチュアがプロ顔をしてコンサートをする限り永遠に続く事と思われます。恐ろしや〜。

日本ではアマチュア音楽家の方達はコンサートにも沢山行かれているようですが、こちらのアマチュアははっきり言って『自分で演奏をするのは楽しいけど、他人の演奏をお金払って聞きに行くのはいや。』という人が殆どです。僕も日本にいる時は『フランスは音楽の本場、さぞかし沢山の人がコンサートへ行ったり、オペラに行ったりするんだろうなー。』と漠然と思っていましたが、現実があまりに違うのでびっくりしてしまいました。

今年の5月、東京国際フォーラムの《熱狂の日々》に出ましたが、5000人のホールが一杯になっいるのを見てフランス人の同僚がみんな『すごい!フランスじゃ考えられない...』と驚いていたのを思い出します。日本の皆さん。我が国のクラッシク愛好家も捨てたモンじゃあないですよ!!!

昨日も学校で授業をしてきました。はー(ため息)。しかもオーケストラの授業が始まったので月曜は辛いっす。楽譜ちゃんと練習して来いって言っただろー、と言いたいのをぐっと堪えて冗談を交えつつにこやかに授業。ふー(またもやため息)。

しかし...これだけ恵まれた環境で仕事が続けられる事を本当は感謝しないといけないんだな、と最近思います。

考えてみればクラシック音楽の本場であるフランスの、小さいとはいえ国立音楽学校で、日本人が教鞭を取るなんて(しかもホルン吹き、苦笑)大胆不敵!例えば芸大で明日からフランソワーズ・モレシャン(誰も知らない???)が能を教えるって言ったら(一体どういう例えなんでしょう...)、多分生徒達からブーイングが起こると思うのです。

これがいくら最近右寄り(極右?)になりつつあるとはいえ古くから移民(特にアーティスト)をどんど受け入れてきたフランスの懐の深さなんでしょうか?

現在僕は3つのオケを掛け持ちしていますが(おいおい)、そのうち2つ(ポワトゥー・シャラント管弦楽団とペレアス室内管弦楽団)はずうずうしくも(って僕が決めた訳では無いけれど)招待首席という身分なのでオーディション無しで入ってしまったし、もうひとつのオケ(レ・ミュージシャン・デュ・ルーブル)はミンコフスキーの前でモーツアルトのオペラ《ミトリダット》のソロ吹いただけだし(賞味10分...)、もしかして僕は運のみでここまで来てしまったのでは(汗)???運も実力のうち(?)とは言うものの、フランス人のホルン吹きががんがん余っているというのにいいのでしょうか。反省。うそうそ。反省する必要は無いけれどやはり感謝するべきですね。

フランスの皆さんありがとう。期待に応えるようにがんばります。でもどうやって頑張ればよいのやら...

全然関係ないけれど、ミンコフスキーの家(ちなみにパリはカルティエ・ラタンにある豪邸です。僕のアパートの20倍くらい。)にオーディションに行ったときに、まだナチュラルホルン買ったばっかりでケースが無かったので、スーパーのビニール袋に入れて持って行ったんだけど(他意は無し。本当にその袋しかなかったんだよ〜ん)、それから暫くして休憩中にミンコフスキーがにやにやしながら、つつつって寄ってきて、耳元で『タケノリ、楽器のケース買った?』とのたまったのにはびっくり。おぬし覚えていたか、不覚なり。そりゃ覚えてるよなー、恥ずかし〜。気が付いたらオケ全員知ってるし。おしゃべりめ、やられたー。

皆さんスーパーの袋に楽器を入れて持ち歩くのはやめましょう。ってお前だけだって。チャンチャン。

フランスで働く

皆さん《パリ症候群》というのをご存知でしょうか。パリに住む日本人に特有の精神病というといえば多分分かっていただけると思います。ヨーロッパの中ではロンドンの方が日本人居住者の数が多いそうですが、なぜか精神的にブッ千切れるのはパリの方が断然多いんだそうです。

何故こんな話をするかというと、日本人で(特に女性)パリに漠然と憧れてやって来たのはいいけれど現実の壁(意地悪な1部のフランス人、言葉の壁、滞在許可証取得のための煩雑な手間...)にぶつかっておかしくなってしまう人が少なからずいるからです。僕もこちらに来た当初、ブッ千切れて地下鉄の中でうつろな目をして英語で(?)独り言を言っている知り合い(フランス語が全く話せないために日本人相手の免税店で闇で働いていた)に出くわしてびびったことがあります。

幸いにして、音楽とか料理を勉強しに来る人たちはもともときちんとした目的が有るためにどんなに大変でも歯を食いしばってがんばる人が大多数ですが、その他の『パリに行ってちょっとフランス語でも勉強して、素敵なフランス人男性と恋愛して(そんなに沢山素敵なフランス人が居るわけねーだろ、と言ってあげたい...)、あたしはもうすぐパリジェンヌ〜ウフフ。』などとたわけた夢を胸にやって来る我が日本の女性達はちょっと危険です。そういう女の子は大体『一度日本人とやってみたい、ハアハア』と狙っている鼻息の荒いスケベなフランス人男性(達?)にやられるだけやられた後捨てられるか、『彼と私は恋人同士』と信じていたにも拘らず本当はその他大勢のセックスフレンドの一人に過ぎなかった事が判明して泣き寝入りするのが落ちです。この事は日本から来る若いゲイの男性達にも当てはまります。

これは別に意地悪で言っているわけではなくて実際にそういう人が多いのです。日本女性は概して擦れてる割には変なところで純情で、20歳過ぎても恋に恋しているような人が多いのです。また、恋人同士や親子の間でのスキンシップが少ない日本からやって来たために、日常接する全てのフランス人男性がエレガントでデリケートな紳士に見えてしまうのです。心当たりのある方、要注意です。

フランス女性は良いか悪いかは別として、15歳にもなればきちんとした避妊の知識を持っているし、大体親が率先して避妊の事、ピルやコンドームの事、エイズの事などもきちんと教えるので、一部の日本女性の様に目に星を入れつつ『彼のことを愛しているから...』等というとたわけた理由でコンドーム無しのセックスを承諾して、運良く妊娠は免れても不治の病をもらって帰って来る、という様な真似はしない訳です。

ちょっと本題から逸れてしまいました。フランスで(というかヨーロッパで)現在働こうと思ったら、余程の心構えが出来ていないと無理だと思って下さい。大体先ず労働許可が下りない。僕のドイツに住む友人でオーケストラのオーディションに受かったにも関わらず労働許可が下りずに泣く泣く違うオーケストラに移った人が居ます。幸いフランスではオーケストラがOKを出せば、政府からイチャモンを付けられる事は先ず無いので、僕のようにヨーロッパ圏以外から来た外国人でもオーケストラで首席を務められる訳です。

ただし学校で教える場合は、フランス国籍が無いと終身雇用の権利は貰えません。僕が教えている音楽学校は国立なので、いくら教授の席をもらった身でも、明日校長が『クビ!』と言えばそれっきりです。日本人は二重国籍を貰えないので、フランスに帰化すると日本国籍を失う事になります。いくらこちらで幸せに暮らしているとはいえ、日本人でなくなってしまうのはちょっとね...という訳で今とても悩んでいます。まあ給料は微々たる物ですが...

皆さん、ヨーロッパに来て何か一旗揚げたいと思っているのであればきちんと目的を持って、どんな事にもめげない丈夫な神経を揃えて来ましょう!

ってな訳で、(一体何が《ってな訳》なのか分かりませんが...)忙しさにかまをかけているうちに10月になってしまいました。あれれ、これじゃ誰も僕のブログ応援してくれないよなー。

8月は一月丸々仕事でした。夏は音楽祭のシーズンなのでやっぱり忙しいです。9月はブレーメンの音楽祭に行ってきました。例によってミンコフスキーのオケでナチュラルホルンを吹いて来ましたが、メゾソプラノのVesselina Kasarova(ブルガリア人です。ちなみに)が凄かった。あんなメゾを聴いたのは久しぶりです。チェチリア・バルトリなんて屁でもないっ。声、音楽性、舞台映えともう凄い!!!ヘンデルの大変なアリアばかり(おかげでホルンのパートは超大変だったけど)にも関わらず全く難しそうに聞こえない。本当に素晴らしかったです。それにしてもヘンデルの曲は音域がずれてるよなー。『へっ?!これ何の音???ひょえー高い!!!』っていう曲ばっかりで口が曲がりそうでした。しかも楽譜もらったの2日前だし...

そうして9月後半はうちの学校の新学期。授業したくなーい、などと言っているうちに会議だの何だのに追われる毎日...とほほ。レッスンするのは楽しいけど、その他雑用が...

さて今週金曜日からは南米ツアーです。何だか直前に色々変更があって(南米ではありがちらしい)、一体いくつコンサートがあるか良く分かっていません。プログラムはモーツアルトの40番&41番。去年グラモフォンで録音したのと同じなので大丈夫(聴いてね)、と思っていたらアンコール用にハイドンのシンフォニー4曲も送られて来ました。おいおい。さらう時間がないだろーが。でもって28日にパリに戻って29からAngerの方で録音です。ツアーの間中ナチュラルホルンしか吹かなくて果たして大丈夫なのか???まさか楽器2台は持って行けないし...うーむ。どないしよ。

ツアーが終わったらまたご報告します。

こんなこと書いたら一部の音楽家からカミソリ送られてきそうだけど、ま、いいか。

皆さんは演奏会のチラシなどで『パリ音楽院卒業』というのを見かけたことがありますか?それに期待して聞きに行った演奏会が『何だコリャ』という内容だったなんて事ももしかしたら...

さてどうしてこういうことが起こるのでしょうか。答えはカーンタン。どこかに嘘つきが居るんだよ〜ん。もとい、全くの嘘つきではないけれど、日本でフランスの状況を知らない人が多い事をいいことに、学校名をうまい事訳してるんだな、これが。(あー絶対爆弾とかカミソリが送られてくるに違いない。くわばらくわばら)

フランスには2つの国立高等音楽院があります。1つはパリにもうひとつはリヨンにあってどちらも受験に関しては年齢制限、受けられる回数(3回まで)等決まっていて日本の音大の様に《記念受験》とか《一か八か受験》をしたりする事ができないシステムになっています(僕もそうやって芸大受験してぎりぎりビリで合格したので何ともいえませんが...汗)。ってな訳で日本の音大を出てからはるばるやって来ると楽器によっては(楽器ごとに年齢制限が違う。またリヨンの方が全般に年齢制限が高い)受験できない場合があるという事になります。

弦楽器やピアノの人たちの中にはそんなこんなで日本の音大卒業前にこちらに受験に訪れる人が結構居る訳です。ではそうしない人はどうするか?僕のように管楽器を専門にしている場合は年齢制限が高いので(25歳)まあ問題無しですが、それ以外の人はこれら2つの国立高等音楽院以外の学校で勉強するわけです(それ自体には何の問題も無いし、そういった学校でも沢山の著名な演奏家が教鞭を取っています)が...パリには15以上の市立の音楽院、郊外も合わせると沢山の中・小規模の音楽院があります。そしてその半数以上が国立であって(ちなみに僕が教えているパリ郊外のカシャン音楽院も国立です)、うまい事訳せば(?)、本当はパリ郊外の小さな国立音楽院で14,15の子供に混じって勉強したにも関わらず略して(凄い略ですね...)『パリ音楽院卒』と書く事も可能(?)なわけです。まあ東京藝術大学を略して『東大』という感じでしょうか(ホントかなー)。

勿論そうした小さな学校で勉強しても素晴らしい演奏家になっている人は(特に外国人には年取ってから勉強しに訪れる人が多いので)沢山います。でも彼らは自分の能力に自信を持っているので姑息に学校の名前を捏造したりしない訳です。フランスは確かに学歴社会なので場合によっては差別を受ける場合もあるかもしれませんが...

結局あまり才能が無く学校の名前ではったりでも掛けないとコンサートをやってく自信の無い人たちがこういう手を使って一般の純真なクラシックファンをだましてるんだなーこれが。もっと正直になって欲しいものです。最終的には自分の能力がモノを言うんだから...

という訳で皆さんくれぐれも怪しいプロフィールに騙されない様に!!!

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