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新年明けましておめでとうございます


今年は何と厄年です。とほほ。そのせいかどうか新年早々コンピューターがぶっ壊れて修理に何と400ユーロも払わされてしまった。時間に余裕があればもっと安い所に頼めたんだけど何せその週に送らなければいけない大事な書類があって、しかも次の日からパリを留守にする事になっていたので仕方なし。さすが夜持っていって次の朝7時半に届けてくれたけど(フランスでは異例の速さ)、銀行口座を見てがっくり。

毎年大晦日と正月の三日間は仕事を断るように心掛けているのだけれど、今年は元旦のニューイヤーコンサートのプログラムで録音が入っていたので仕方なくOK。何と元旦の8時過ぎにはシャルルドゴール空港に居たのでした。しかも行き先はドルトムント...全然嬉しくない。プログラムはヘンデルの水上の音楽。バロックホルン吹くの久しぶりだしまあ楽しかったけど録音が控えていると思うとそうへらへらしているわけにも行かず...

4日にパリに戻り5日は授業、去年の末から僕がレッスン日を変えすぎるという苦情が一部の親から届いていて今日もヒステリックな母親と電話で対決。もうぐったり...また学校辞めたい病になりそうです。6日は書類作りして7日からポワティエ、11日のリハーサルのあと走ってTGVに乗ってまたもやレッスン、徹夜して書類を作って12日ポワティエにとんぼ返り。その晩が最初のコンサート。プログラムはベルリオーズの序曲リア王、パガニーニのヴァイオリン協奏曲、そしてメンデルスゾーンの交響曲第5番《宗教改革》。指揮はジャン=フランソワ・ヴェルディエ、ヴァイオリンはネマーニャ・ラドロヴィッチ。ネマーニャとは去年の夏ロワイヨンのアカデミーに一緒にソリストとして招かれていたのでその時にちょっと話をしましたが24歳ですでにこんなに有名になっても全然それを鼻にかけない感じのいい青年でした。

その時は屋外のコンサートで、控え室も鍵が掛からないテントみたいな所。アカデミーの生徒はその辺の芝生で着替えたりしていましたが一応僕らには巨大テントがあてがわれていたのでした。で、もうすぐ出番なのでウォーミングアップをしていると、ネマーニャがやって来る。お互い自己紹介をすると『それ、ナチュラルホルン?』ととても興味深そうに聞いてくるのでいろいろ説明する。10分位話をした後彼はまだ出番じゃなかったので『じゃあ後で』と手を上げて出て行ったのだけれど、何とそこには彼のヴァイオリンがぽつんと...一瞬『?』となってから慌ててテントを出て『ネマーニャ、楽器もって行かないの?!』と叫ぶと、『まだ出番じゃないからー』との返事。いやあの出番かどうかっていう問題じゃなくてここ鍵も閉まらないんだけどな〜、とか思いつつヴァイオリンケースを横目で見ながら練習を続ける。きっとこの楽器ひとつでパリにアパート一軒位買えるよなーとか思いつつ、本当にこのまま置いて出てってよいのか真剣に迷う。で、結局そのままにして(かばん持ちじゃないので)本番へ。モーツァルトのコンチェルトを吹き終わって戻ってくるとネマーニャが『すごく良かった!ナチュラルホルンって素晴らしいねー』と本気で喜んでくれる。で、彼はその後ヴィヴァルディとメンデルスゾーンを華麗に弾ききってお客さんからやんややんやの喝采を浴びたのでした。こういう若くて優秀なヴァイオリン奏者を聴くと、ヴァイオリニストじゃなくて良かった...と本気で思う。

で、今回はパガニーニで、オケの楽譜は本当にしょうもないけど(どうしてショパンにしろパガニーニにしろオケの楽譜は悲惨なのか)、ソロは素晴らしい。音色もテンポもとにかくすごい。コンサートの後に冗談でヴァイオリンの同僚に『楽器辞めたくならない?』と聞くと『今更...そんなことでショック受けるくらい繊細だったらとっくにヴァイオリン辞めてるよー』と言われる。一理あり。

このシリーズが日曜に終わって月曜からはまたもやザルツブルクです。あー早く休みが欲しい...

さて何人かの読者からのリクエストがあったのでポワティエの年間プログラムに出ている僕の写真を載せてみました。正しく『誰これ?』という感じですが、プロのカメラマンの手に掛かるとここまで変わるという例えだと思ってください。ちなみに修正はしていません(笑)あくまでモードを手がけている写真家のテクニックはすごいという事で...

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