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さてさてホルン奏者としての近況です。
今年は何だか無謀なプログラムが沢山あって、この1年振り返ってみると《ああ無情》という感じです。
1月はポワトゥーシャラント例年の《楽しい日曜日》(こちとら楽しくねーんだよオイ)という催し物があって、11時にフォーレの《ペレアスとメリザンド》(どソロあり)、ドビュッシーの《ダンス(タランテラ)》(ホルンのソロで始まる)と吹いて、14時30分からバルトークのピアノ協奏曲(ソロだらけ)とドヴォルザークのチェロ協奏曲(ソロだらけ)、17時よりシベリウスの《ペレアスとメリザンド》とチャイコフスキーの1番(どソロで始まってずーっと吹きっぱなし)でチャイコフスキーが始まる頃にはすでに疲れ切っていて頭も朦朧『これでソロとちったらクビかも』等と思いつつ辛い本番を終えました。でも良く考えたらだれかアシスタント頼めば良かったんだよなー。バカバカ。
2月はベルクの室内協奏曲+ドヴォルザークの管楽セレナーデとこれまた無謀なプログラム。
3月は学生オケの指揮+胃潰瘍(この話はまた改めて...)
4月、5月はモーツァルトのシンフォニァ・コンチェルタンテがあってすでに大変だったのにGWの東京国際フォーラムの『熱狂の日々』が入って日本へ駆け足ツアー。帰ってきたのが8日。時差ぼけでデレッとしている所にレ・ミュージシャン・デュ・ルーブルより電話(夜10時半!)があり『マルク(ミンコフスキー)が明日カルメンのゲネプロ吹きに来て欲しいって言ってます。』だと。『あのー楽譜も貰ってないしピストンホルン1年間吹いてないしちょっと危険じゃないかと...』『あ、でももうそう決まったみたいなので明日6時にシャトレ劇場来て下さい。じゃ、おやすみ〜。』って、お〜い日本行く前に言ってくれれば楽譜貰いに行ってちょっとは練習したのに...
さて当日。1時間早めに行ってとりあえず楽譜を見て、音程の悪いピストンホルンと格闘しつつオーケストラピットへ。マルク曰く『皆さんタケノリは昨日までツアーで練習に来られなかったんだけど今日から参加です。タケノリありがとう。』周りに聞いたら『え?知らなかったの?もう何日も前からマルクは君が来るって言ってたよ。』だと。お〜い本人に知らせろ本人に!!!
6月またもやツアー。
7月エクス・アン・プロヴァンスで《後宮からの逃走》屋外は辛し。(《ダイエット成功》参照)
8月ヨーロッパツアー。ロンドンのロワイヤル・アルバートホールで昔からの夢だったBBC Prom'sに出演。ラジオ、テレビ同時生中継。この中継って言うのが僕はとっても苦手で、もうマイクとかカメラを見ると心臓がバクバクしてしまう。本番で失敗する事も普段は『まあ機械じゃないし当然当然』等と思っていても、さすがに記録が残ると思うと『人生の汚点がまた増える...』と思ってしまう。なのに今年の大事なコンサートは殆ど全部録音か録画が入ってたもんだから胃に穴が開くんだよなー。
9月はリサイタルがあって、終わったら1週間楽器を持たずにヴァカンスへ!と思っていたらフランス放送響より電話。『今月末室内楽のコンサート出られますか?』『...はい。』やっぱりいやとは言えない。さて練習に行ってみるとバッソンの首席のJean-François Duquenoisがいて僕を見るなり『君誰?』『うちのオケ来た事ある?』『フランス国立響から来たの?』『うちのオケの首席は2人とも空いてないの?』ととっても親切な質問。そりゃね、見た事も無い変な東洋人がホルン抱えてやってきていきなり首席のところに座ったらビビルよな。悪かったね。
プログラムを聞いてなかったら、またもやドヴォルザークの管楽セレナーデにフォレスター(ドヴォルザークの弟子)の木管五重奏、ノヴァチェックの木管8重奏というハードなプログラム。木管の人達は疲れ方が違うからまあいつまでも練習する事が出来るけどこちとら金管楽器は辛いんじゃー。わかっとるのか、え?そうかーやっぱりこのプログラム見て首席二人ともやらないって言ったんだよなーきっと。先に言え先に!
本番の日は13時よりゲネプロ17時より本番。13時に着くと誰も居らず14時ごろやっと皆ぽつぽつと。ゲネプロ始まったのは15時近く。でオーボエのカペッツァり曰く『このコンサート録音するので今一回全部通します。』が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。そんなん無理です〜。絶句している僕に向かって『大丈夫?2回通せる?』ってあんたそこはトラの弱みだめとは言えないよ。トホホ。ゲネプロ終わったのが16時15分。もう殆ど自暴自棄になって『ま、なるようになるな。』と本番に臨んだ次第。口が千切れそうになりながら本番が終わった頃にはもうへとへと。歩くのもやっとという感じでした。
10月はまたもやブルゴーニュ地方のお城でリサイタル。ナチュラルホルンでベートーヴェンを、セルマーのピストンホルンでデュカのヴィラネルを、モダンホルンでライネッケのソナタを演奏しました。月の後半はまたもやツアー。
11月はシテ・ドゥ・ラ・ミュージックでワーグナーのパロディーを集めたコンサート。『きっと楽なプログラムに違いない』と思って行ってみたらとんでもなし。しかも指揮者曰く『あ、ここにジークフリートの有名なホルンのソロが入ります。』『あ、2回目は半音上でお願いします。』『あ、ここでもう一回ソロを。』...
いち、にっ、さん、
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