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今ブラジルはサンパウロの空港でブエノスアイレス行きの飛行機待ちです。すでにここに辿り着くまでに12時間経っていてみんな疲れているというのに次の乗り継ぎ便は2時間遅れだそうです。トホー。
さてreivmntさんから指摘があったように、プロとアマチュアの定義は実際難しい。音大を出ていたらプロかというとそうとは言い切れないし、アマチュアでも上手な人もいるし...
それで思い出すのは、こちらでコンサートを企画するようになったばかりの頃、知り合いの知り合いが娘のチェリストにコンサートをさせたいといってきた時の事です。勿論僕は直接知らない人だったので取り敢えず一度演奏を聴いてからという事になり、彼女とその夫のピアニストが次の週老人ホームでコンサートをするというのを聞きに行きました。プロフィールを見ても大した事無いしあまり気は進まなかったものの、聞かずに判断するのは良くないと思ったので。
さて、多少は心構えが出来ていたものの演奏が始まってのけぞってしまいました。もうなんというか凄い...音色がどうのというレベルではなくてもうチェロの音がしていないし、全く弾けてないのにベートーヴェンのヴァリエーション(!!!)で始まったコンサートははっきり居て拷問でした。せめて弾けるレベルの曲をプログラムに入れてくれればいいものを、難しい曲ばっかり...でも隣に居るお母さんは『素晴らしいでしょう。彼らは沢山のコンサートをしているのよ〜。』と言ってくるので、何とも答えることが出来ないまま愛想笑いを振りまきつつ頭の中では『さてどうやって断ろうか...』とばかり考えていました。
結局だんなのピアニストが(彼は結構きちんと弾いていたし、感じも良くて、全然弾けないのに訳も無く傲慢な奥さんとは大違い!)、すかさずその場の雰囲気を感じ取って次の日に『多分僕の義理の母が無理を言って頼んだんだと思うので、無理して僕らのコンサートを企画しなくても結構です。』と言ってきてくれたのを幸いに、企画をおじゃんにしました(ちなみに10年たった今、彼らは地方でレストランを経営しているそうです)。
日本でもよく《親ばか》という言葉を使いますが、フランス人の親馬鹿振りもなかなか凄いものがあります。
さて時は経って更に何年か後に聞きに行ったコンサートはもっともーっと凄かった...僕のセカンドハウスがある近くの田舎の町で、何年か前からコンサートを企画するようになっていたのですが、全くそれまでクラシックのコンサートとは縁の無かった地元の劇場で突然弦楽四重奏のコンサートがありました。周りの知り合いから聞いた話だと、そこの劇場の支配人(女性)は、パリから来た日本人が地元でコンサートの企画を始めたのが気に入らなかったらしく、『あたしだってクラシックのコンサート位企画できるわっっっ!』と鼻息も荒く知り合いのチェリストに頼んでコンサートを企画したらしいのですが、これはもうなんというか絶句。ブラームスの弦楽四重奏が始まった途端に(どっひゃー)となるような演奏でしかも4楽章は練習できなかったらしく、プログラムには書いてあったのにカット(大胆!!!)、後半のドヴォルザークの《アメリカ》は(弾けないなら有名な曲選ぶのはやめなさいってお母さんいつも言ってるでしょッ!)もう耳を覆いたくなるような耐え難い演奏で、コンサートが終わる頃にはまるでジェットコースターに10回ぶっ続けで乗ったような疲労感を感じていました。
でも彼らも一応自称プロな訳です。だってプロフィールにはカンヌの映画祭で弾いたとか(多分パーティーのBGMだけど)、映画音楽の録音をしたとか(ホントかよー)書いてあるし、本人達はとっても満足そうだったし(!!!)、『文句あんの???』って言われたら何も言えない...
...難しいなあ。
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