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地中あるいは水中に鋼製またはコンクリート製の構造物を沈める工法をケーソン工法といいます。
 
主に橋脚の基礎や防波堤に用いられることが多く、明石海峡大橋の橋脚の基礎としても超巨大なケーソンが沈められています。
 
他にも立穴(土木用語では立坑という)を掘るときにもケーソン工法が用いられることが多いですね。
 
今回紹介するのは地下河川の築造を行っている現場で、ケーソンとはどのようなものか簡単に説明させていただきます。
 
この現場は大阪の寝屋川市にあり、地下河川の工事を行っている複数の現場のうちの一つです。
 
地下河川とは、大雨になったときに従来の雨水管や下水管では処理しきれない雨水を一時的に貯めておくための地下に作った人工の川です。
 
大阪市内には「なにわ大放水路」という直径10〜15mの地下トンネルが整備されていて、大雨による被害が食い止められています。
しかし他の地域ではまだ完全に整備されておらず、この寝屋川市だけではなく、府内のさまざまな地域では今現在も整備途中です。
 
ケーソンは地下のトンネルからトンネルを繋ぐ立て穴で、ちょうど道路によくあるU字溝とU字溝を繋ぐ会所枡のような役割を果たします。
 
地下トンネルはシールドマシンと呼ばれる穴を掘る機械でケーソンから次のケーソンまでを掘り進めて造ります。
 
穴の直径は用途などにより様々で、小さいものでは1.5mぐらいで、大きなものは15m以上あります。
ちなみに世界最大のシールド工法で作ったトンネルはドーバー海峡トンネルで、シールドマシンはすべて日本製でした。
 
 
ケーソンは地上から地下に向けて立て方向の穴を掘るわけですから、まず地上に躯体を構築して、その内部の土砂を掘り出します。
イメージ 1
 
 
まだ浅いうちは内部にバックホウを入れてケーソン内部の土砂を掘削し、バケットで外へ出します。
 
土砂はそのままダンプカーに積み込まれ、残土処分場へ搬出されます。
イメージ 2
 
今回はまだ1ロット目で浅いのですが、2ロット目からは深くなり地下水も湧き出してくるので、バックホウではなくクラムシェルで土砂を掻き出します。
 
クラムシェルとはでっかいUFOキャッチャーのようなものです。
 
そして土砂を掘削しながら周りの躯体を地面に押し込んでいきます。
これを圧入といいます。
 
イメージ 6
 
躯体の上に鋼製の桁材(グレー)を#状に乗せて、その桁材を圧入ジャッキ(薄みどり)で押し込んでいきます。
圧入ジャッキは油圧で作動し、一台あたり最大400tの圧力を掛けられるように作られています。
そしてこのジャッキは躯体の四隅に2つずつ配され、合計8台のジャッキで均等に押し込んでいきます。
イメージ 7
 
ジャッキはストローク長が1mほどしかなく、1ロットで約3.5m〜4.0mを下げるためには長さが足りません。
なので、尺取虫のようにジャッキの真ん中に棒状に伸びているジャッキロッドを引っ張り、その反力で桁材を押しています。
 
そのジャッキロッドの先端はどうなっているかというと、
イメージ 8
 
少しわかりにくいかもしれませんが、ケーソンの外部に埋め込まれたアンカーと接続されています。
アンカーは複数の鋼製のワイヤーロープが地中深くに埋め込まれて固着されているので、数百トンの力で引っ張ってもびくともしません。
 
つまり、このアンカーを引っ張る反力でケーソンの躯体を沈めていくのです。
 
アルミホイルのようなものはNFシートといい、躯体と土との摩擦抵抗を軽減させるためのもので、躯体先端部から固定されていてずっと伸びるようにロール状になっています。
 
8台の圧入ジャッキは人間の手で一台ずつ操作して躯体を真っ直ぐに地中に埋め込んでいきます。
その精度はミリ単位で、躯体内部に埋め込まれたセンサーにより計測されたデータをリアルタイムでモニタリングしながら操作します。
イメージ 9
これがジャッキの操作室です。
 
躯体内部に埋め込まれた各種のセンサーや計測器のデータもここに送られてきます。
 
イメージ 10
 
これがモニタリングの画面で、躯体四隅の高さや先端の深度、ジャッキの圧力などがリアルタイムで表示され、この数値を見ながらジャッキを操作して躯体を真っ直ぐに地中に沈めていきます。
 
イメージ 11
 
 
今回は1ロット目なのであまり圧力を掛けなくても沈んでくれるのですが、逆に沈み易いと自然沈下を起こしてしまい、躯体が傾いてしまうのでやっかいです。
 
2ロット目以降はジャッキの操作だけで沈下させるわけですが、地盤によって不等沈下を起こしたり、相当な圧力を掛けてもなかなか沈まなかったりとジャッキ操作の腕前が問われる仕事です。
 
この操作盤から油圧ユニットに信号が伝わり、ジャッキへの油圧を制御します。
イメージ 12
 
 
全部沈み終えるとジャッキや桁材を撤去して、その上にまたコンクリートの躯体を構築します。
 
躯体の構築を簡単に説明すると、鉄筋と型枠を組んでその中に生コンを流し込んで作るのですが、この構築に約2週間前後を要します。
 
鉄筋はその都度組みますが、型枠は毎回同じ形状なので、大判のパネルにしたものをこしらえておいて、それを建てて繋ぎあわせます。
 
イメージ 13
 
そしてコンクリートが固まってそのパネルを外したら、次に使うときまでは上の写真のように立てかけておいておきます。
 
 
つまり、箱を作ってはそれを押し込んで、またその上に箱を作って押し込んでの繰り返しになります。
 
この1回分を1ロットいい、1ロットあたり約1週間〜10日かけて沈下させます。
 
地下河川工事などの場合は約6ロット前後で、深いものになると10ロット以上も沈めるので、工期は約1年〜2年ぐらいかかります。
 
 
イメージ 3
 
躯体を外側から見たらこんな感じです。
 
 
今回紹介したケーソンはオープンケーソン工法で、他にもニューマチックケーソン工法があります。
ニューマチックケーソンは躯体を完全に密閉し、内部に陽圧を掛けて掘り下げる工法で、軟弱地盤や地下水の多い場所などで採用される工法です。
 
他の現場ですが、ケーソンが完了したときの写真です。
イメージ 4
 
穴の直径は約10mあります。
 
イメージ 5
 
深さは30m近くあり、上り下りが大変です。
 
この現場は浄水場にあり、最終的には大口径の上水管が敷設されることになります。
 

閉じる コメント(6)

施工管理のテキストや講義で使えそうですね(^^)
っていうか、全然詳しく分かりやすい説明です。
素晴らしい!

2011/8/24(水) 午後 8:34 ひで

こんにちは、ひでさん。
素早いコメント、いつもありがとうございます。

あまり専門用語は使わずに説明しようとしたのですが、思いのほか難しかったですね(-_-#)

書き終わってから読み返したら訳わからん文章だったので、書いては消しての繰り返しでした^^;

2011/8/24(水) 午後 8:41 [ たけサク ]

すいません(−−)むずかしい・・・
ケーソンっていうゴルフルールかと思いました;
たけさん、こんなお仕事なんですねぇ〜^^
すごい。。

2011/8/24(水) 午後 9:19 [ 赤毛のアン ]

アンさんには難しかったようですね^_^;

グリーンにこれぐらいのカップが切ってあったら楽々バーディーなんですけどね〜d(^-^)

2011/8/24(水) 午後 9:43 [ たけサク ]

すげ〜!
これは、スゴイですね?
寝屋川付近ですか?ウチの近所だ・・・。
しかし、凄いなぁ・・・。

2011/8/25(木) 午前 0:12 joshua

こんにちは、joshuaさん。

現在第二京阪沿いで各所にケーソン工事の現場がありますので、近くを通る際は気にしてみてください。

2011/8/25(木) 午後 1:02 [ たけサク ]


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