|
9月初頭に日本列島を襲った台風12号によって各地は豪雨に見舞われ、特に紀伊半島の山間部は壊滅的な被害が発生しました。
特に今でも懸念されているのが土砂崩れによって発生した土砂ダムで、これが決壊することによって甚大な二次災害の発生が予測されています。
特に溜まった水が雨によって水かさが増えて越流すると、どんどんと堆積した土砂が侵食されて、しまいには自然崩壊を起こしてしまいます。
そうすると下流の十津川に流れ込み、とてつもない量の土石流となって数十キロにもその被害が及ぶと予測されています。
そうした中、国土交通省は一刻も早くこの土砂ダムを崩壊させないように緊急対策工事に着手しました。
そして今回数箇所ある土砂ダムのうちのとある現場から工事の要請があり、ひとまず現地へ行ってきました。
現場は有名な谷瀬のつり橋から程近い場所ですが、所々の道路が寸断されているとのことなので、輸送ルートの確認も含めて十津川村へ国道168号線をひたすら南下して現地へ向かいました。
大塔村の道の駅までは特に規制もなく、通常どおりに走ることができました。
そこからずっと下りダム湖沿いに走るのですが、猿谷ダムまでは何箇所か土砂崩れによる片側通行となっていたものの、こちらも特に普通に走れました。
湖面にはおびただしい数の流木がまだそのままの状態で、オイルフェンスでダムへの侵入を防いでいました。
そして辻堂まで来たとき、そこから道が二手に分かれるのですが、右へ行くと川沿いを走るルートで、2年前までは先の地すべりによって寸断された道路の復旧工事のために作られた迂回ルートとして利用されたルートで、左へ行くと元の正規ルートになります。
どちらを通るか迷ったのですが、左の正規ルートで行く事にしました。
すると途中でガードマンがいて、片側通行となっていました。
本来は直進が正規ルートになりますが、どうやら途中の道路が土砂崩れによって寸断されていて、急ごしらえで作られた迂回ルートを通って南下しなければならないようでした。
迂回用の道路は今回の災害によって作られたらしく、アスファルトが黒々として新しさを感じました。
ただ、一車線分しか道路幅がなく、それでガードマンが通行規制を行っていたようでした。
迂回道路を通っていると、先ほど通行止めとなっていた先の道路が見えましたが、やはり土砂崩れによって道路が寸断されているのがハッキリと見えました。
おそらく周辺の民家も流されているのではないかと思いますが、まだ手付かずの状態でした。
迂回道路をしばらく走ると元の168号線に戻り、綺麗に舗装された広い道路をひた走ります。
トンネルを数本抜けて宇井まで行くとふれあい交流館、夢の湯があるのですが、その手前のところでも大規模な土砂崩れがあった模様でした。
宇井〜長殿までの間もあちらこちらで土砂崩れがあり、ほとんどは手付かずのままでした。
そしてふれあい交流館を過ぎて、城門トンネルの手前では通行止めが行われていました。
許可車両のみが通行できるとのことで、一旦車を降りて手続きを行います。
ここには奈良県警、国土交通省(近畿地方整備局)、十津川村の職員が数名常駐していて、車両と人の出入りを管理している拠点になっているようでした。
通行許可書をもらい、再び現場へ向いました。
これは長殿水力発電所のあった場所で、設備はめちゃくちゃになっていました。
ガレキの撤去をしているようでしたが、なかなか作業が捗らない様子でした。
土砂ダム自体は周囲の山々に囲まれて国道から直視することはできませんが、とある土砂ダムがの一部が山間から見えていました。
写真ではわかりにくいですが、かなりの高さの土砂が堆積しています。
これは望遠で撮ったので近くに見えますが、実際には国道からかなり遠い場所に見えていました。
もしこの土砂が一気に崩落したら本当に大変な被害になることは、専門家でなくとも容易に想像することができます。
土砂ダムまでは重機はおろか、人間も徒歩で近づくことができません。
現場までの物資や作業員の輸送は全てヘリコプターを使います。
重機はそのままでは重すぎてヘリで運べないため、バラバラに分解して運び、現地で組立を行います。
今回はその組立を行うために小さなクレーンを何台も現地へ運び込んでいました。
災害が起こるときは一瞬ですが、復旧には気の遠くなるような時間と労力がかかります。
我々は仕事の間だけの辛抱ですが、周辺地域の住民はいつ起こるかもわからない災害に気が気ではないでしょう。
この辺りはこうした急斜面が多く、地盤も緩んでいるそうです。
本当ならそうした地すべりを未然に防ぐ工事をすればいいのですが、地元の人が言うには植林によって引き起こされている側面もあるそうです。
人が入ってきちんと管理できればいいのですが、林業では食べていけないといった現状もあるので、机上の空論では済まされない要因もあるようです。
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2011年10月21日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]




