郵便の土曜配達廃止に賛否、「利用者のわがまま」か「独占企業の義務」かみなさんは普段、手紙やはがきを出しますか? メールやSNSなど、インターネット上で素早くやり取りができるサービスが普及して、以前より郵便の利用頻度が少なくなったという方も多いのではないでしょうか。
こうした環境の変化などを受けて、来年にも郵便の土曜配達が廃止されることになりました。 手紙やはがきの土曜配達が廃止へ
現行の郵便法では、郵便物の配達頻度が「週6日以上」、郵便物の投函から配達までの期限が「3日以内」と定められています。しかし日本郵便は2018年から、労働環境の改善などを理由として、配達頻度を「週5日以上」、配達期限を「4日以内」と変更することで、土曜配達と翌日配達を原則廃止とすることを政府に求めていました。
これを受けて、総務省の有識者委員会は2019年8月6日、手紙やはがきの土曜配達を取りやめる制度変更を了承しました。早ければ秋の臨時国会で法改正がなされ、2020年には土曜配達が廃止となる見込みです。 賛成派の意見
土曜配達廃止の理由としては、人手不足や、インターネットの普及により郵便サービスの重要性が低くなってきたことが挙がっています。これらを踏まえて、ネット上では、
「全国津々浦々に一律低価格で手紙を送れるってことだけで十分便利なサービスだと思う。これに無料で休日配達や翌日配達を求めるのは我儘(わがまま)だ」 「今はメールやSNSも普及して、急ぎの連絡に郵便を使う必要もなくなった。どうしても早く届けてほしいなら割増料金にすれば良い」 「土曜日に受け取れるのは助かってたけど、このサービスを成立させるために配達員の人が土曜日まで働かされてるのは気の毒」 など、土曜配達の廃止を支持する意見が多く見られました。 経営コンサルタントの横山信弘氏も、この件について、「働く人の犠牲の上に『顧客満足』は成り立たないのだ。そういう時代になったのだと、私たち利用者が寛容に受け止めなくてはならない」とコメントしています。 反対派の意見
そうした支持の声の一方で、
「インフラのサービス低下はとても迷惑。やはり国営に戻すべきでは」 「信書配達は日本郵便が独占しているんだから、土日含め即日配達するのは日本郵便の義務だと思う」 「小手先の効率化の前に、郵便局がこれまでぬくぬくと抱えてきた無駄をまずぜんぶ洗い出せよ」など、土曜配達が廃止されることを含め、日本郵便の体質や姿勢自体に不満を持つ人の意見も見られます。また、 「土曜にやっていないお役所は困らないだろう。しかし土曜も営業している会社は請求書などが月曜にまとめて届くことになり、事務処理が土曜にさばけなくなるので不便だ」 「土曜配達を廃止したら郵便局でも月曜にしわ寄せがいって、現場だって困るのでは?」 など、変更によって月曜日に配達物が集中してしまうことへ不安の声も見られました。ゆうパックはどうなるの? 今回、土曜配達が廃止されるのは手紙やはがきのみで、宅配便の「ゆうパック」は土曜配達を維持するとのことですが、今後、ゆうパックも土曜配達が廃止されるかもしれないという見方もあります。
この可能性については、「土日だけ受け取れる人のほうが多いんだから、平日のどこかを休みにして土日に配達してほしい」という意見が多く見られました。一方で、「配達側に土日配達を求めるんじゃなくて、受け取る側が平日に休めばいいのでは?」などと、サービス利用者側に意識改革を求める意見もありましたが、荷物ひとつを受け取るためだけに休みを取るなんてことは、さすがに現実的とは言えないですよね……。 誰かを犠牲にしてまでも必要な「快適さ」なのか?
手紙やはがきの利用機会が減り、郵便物の配達件数は減少が進んでいます。郵便局の「ドル箱」といわれる年賀状も、ピークだった2003年の発行枚数は約44億6000万枚でしたが、2018年用(2017年発行)の発行枚数は約29億7800万枚と、実に3分の2まで減少しています。
一方で、通信販売やフリマアプリの利用が増えたことにより、小包や荷物の配達件数は近年、大きく増加しています。人手不足による配送業のブラックな労働環境がネット上などで話題に上がることも増えています。 「素早く配送され、休日でも受け取れる」というのが配達サービスの理想ではありますが、「働き方改革」が叫ばれる時代において、配送業に従事する人々の労働環境も守られるような社会になっていくといいですね。 クロスメディア・パブリッシング |
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