文在寅のあがき…GSOMIA破棄は「自分の失策」をごまかす手段だ 8月22日、韓国、文在寅(ムン・ジェイン)政権は、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。これは、わが国が韓国を優遇対象国から除外し、輸出管理手続きを厳格化したことへの対抗措置だという。経済運営など政策の行き詰まりに直面する文大統領としては対日強硬姿勢を国民に対して印象付け、人事問題等で低下気味の自らへの支持を保つことを狙ったと見られる。
【現場はパニック!】日本人は知らない、いま韓国でほんとうに起きていること… 日韓GSOMIA破棄が極東情勢に与えるマグニチュードは大きい。今回の文政権の判断は、米国からも厳しく非難されており、軍事専門家の間では「常識では考えられない」との批判もある。一方、北朝鮮は時間稼ぎの絶好の機会を得たとばかりに様々な挑発を続けるだろう。対日強硬姿勢の誇示のために自国の安全保障を弱めてしまう文大統領は、わが国をはじめ東アジア諸国にとっても無視できないリスク要因だ。 対日強硬姿勢で政権維持を狙う文大統領
韓国の大統領支持率を見ていると、一つの傾向が読み取れる。文大統領が反日姿勢を鮮明化すると、大統領支持率が上向きやすくなることだ。7月、わが国がフッ化水素など特性3品目の対韓輸出管理を見直して以降、文大統領は対日強硬姿勢を一段と鮮明にした。その結果、7月第4週の時点で大統領支持率は52.1%にまで持ち直した。
足許、文政権の経済、外交などの政策を見ると、多くの重要政策が行き詰まっている。経済運営に関しては、実体経済を無視して最低賃金を引き上げた結果、企業は雇用を減らしてしまった。それに加え、最大の輸出先である中国が成長の限界を迎えつつある。さらには、世界的な半導体市況の悪化から韓国経済の先行き懸念も高まっている。 韓国は融和を目指してきた北朝鮮にも見放されているようだ。北朝鮮は米韓合同軍事演習への非難と米国の関心引き付けのために短距離弾道ミサイルの発射を繰り返している。さらに、北朝鮮は融和を呼びかける文大統領を「ずうずうしい」と批判した。金正恩朝鮮労働党委員長は、韓国に日米との連携から距離をとらせ自らに有利な状況を目指したいと考えているのだろう。 北朝鮮が重視するのは体制維持のための時間稼ぎだ。同時に、金正恩氏は独対体制の“お守り”である核を手放さないだろう。北朝鮮が日韓GSOMIAを批判したのは、文氏の対日強硬姿勢をあおり、韓国の安全保障体制を弱めることが狙いだった。支持の確保に腐心する文氏は、まんまと北朝鮮の挑発に乗ってしまった。 次ページは:極東情勢の緊迫感を高める文大統領
極東情勢の緊迫感を高める文大統領
朝鮮半島は38度線を境に、米国と中国という世界のスーパーパワーが対峙する地政学リスクの要所だ。さらに、7月には韓国の政治不安定化につけ込み、ロシアが領空侵犯を犯した。ロシアは中国同様、北朝鮮との関係を重視し、極東地域での影響力を強めたい。韓国がわが国を一方的に批判し日韓間関係がこじれる状況は、北朝鮮、中国、ロシアにはそれなりに都合がよい。 制裁により北朝鮮経済は疲弊している。本来、日米韓は連携を一段と強化しなければならない。ただ、文政権の発足以降、対北朝鮮包囲網には綻びが見え始めた。米国の安全保障関係者らは、北朝鮮が“瀬取り”などを通して物資を調達してきたことを問題視し、韓国に対応を求めた。それでも文氏は北朝鮮との融和という幻想にとりつかれている。 北朝鮮との融和を重視し続ける文氏の政策は危うい。米国が韓国の日韓GSOMIA破棄に失望と懸念を表明したのは当然だ。中国と覇権国争いを繰り広げる米国にとって、「恐れていたことが実現してしまった」というのが本音といってもよいだろう。 文大統領は自らの立場を守るために対日強硬姿勢を重視し、引き換えに自国のみならず、極東の安全保障体制を弱めるという選択を下した。これは、常識では考えられない決定だ。米国をはじめ国際世論は、韓国への懸念をさらに強めるものと考えられる。国際社会にて韓国はさらに厳しい状況に直面するはずだ。同時に、極東情勢の緊迫感も高まるだろう。 |

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