「HondaJet Elite」(画像: 本田技研工業の発表資料より)
 ホンダの航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は、小型ジェット機カテゴリーにおいて、「ホンダジェット」の販売台数が、2017年と2018年に続き、2019年上半期(1月〜6月)も世界トップになったと発表した。また、8月5日(中国現地時間)には、中国における型式証明を取得したことも発表している。

 2018年5月に世界デビューを果たした「ホンダジェット エリート」は、層流翼断面形状や最新の独自開発ジェットエンジンなどで、クラス最高水準の最高速度、最大運用高度、航続距離、上昇性能、燃費性能などを実現している。主翼上面にエンジンポッドを配置する独特の形状により室内の広さを確保するなど、パッケージングにも優れ、大きな商品力を得ている。北米、欧州、中南米、東南アジア、中国、インド、中東、日本で販売され、すでに130機ほどが運用されている。

 一方、現在ホンダの四輪部門はコストが高く瀕死の状態と言えるが、それは量産に関する生産方式について経営陣が疎いものと感じる。どうしても国際的経営者と自負する者たちは金融知識に偏り、その業界のビジネスモデルを理解していないものがいる。そのため混流生産により多種少量生産をしているのであろうが、世界の生産拠点におけるスウィング生産の考え方が出来ていなかったのであろう。そのため生産ラインの平準化が出来ず、固定費が多くコストがかさむ結果になっているものと考える。

 商品開発は熱心であるのだろうが、よほどのヒット商品を持たない限り、人気車種に頼ってコストを抑えることは出来ない。これが自動車生産の難しさだ。しかし、ホンダジェットは小型ジェットとはいえ年間に34機の生産ペースであり、これを「量産」と呼んで四輪部門と比較することは出来ない。

 ホンダの四輪車部門では年間500万台、トヨタで1000万台のペースであり、小型ジェットとは技術的に全く違う業種と考えてよい。造り方についても小型ジェットなら、カーボンで丸ごと焼き上げるなどの先進技術でカバーできるが、自動車となると社員一丸となったカイゼン運動など、持続的な「草の根」運動が必要だ。 量産技術が遅れている四輪車部門に替わる小型ジェットの売上と言いたいところだが、この売上高では「焼け石に水」であろう。ホンダ伝統のチャレンジ精神と、コツコツとした生産方式の開発を融合してもらいたいものだ。