精神科医のボードゲーム日記

Twitter:@TakeWatchGo デザイナーへのインタビューを翻訳

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『スプレンダー/宝石の煌き(以下スプレンダー)というゲームで強力とされている戦術の紹介記事です。

まったくボードゲームに触ったことがない方とやるときには、僕はスプレンダーか『カルカソンヌ』を文句なしでお勧めします。この2つのゲームは、本当にシンプルでわかりやすく、魅力的です。
 
【訳した経緯】
原文: Splendor Strategy and Tactics (作者: zackattack_1994)

今回の記事は、スプレンダーが劇的に上手くなる方法をまとめた海外サイト(Steam Community)の翻訳です。
本稿では発売当初に大流行した『垂直戦術(詳細は後述)』について、非常に丁寧にまとめられています。
最近拡張版が出たこともあり、今後有効な戦術や対戦環境が変化していくと思いますが、ここでこれまで確立された戦法を振り返るのは、有益ではないでしょうか。
 
このゲームではたびたび1〜3色の高得点カードだけを買い集め、同色カードを垂直に積み重ねる戦術(以下、垂直戦術)が強い」と言われています。だいたいどこのレビューサイトにもそう書いています。
しかし、「なぜそれが有効なのか」、「実戦ではどのような手筋で打つのか」について詳しく書かれているものは、僕の知る限りありません。
今回のこのサイトは例外的に厚い記述がなされており、「自分がなんとなくやっていた戦略には、こういう背景があったんだ」と気づく喜びを感じました。
 
 
・意訳、改変を適宜行っています
・転載許可申請中

以下原文
ーーーーーーーーーーー
 
これは『スプレンダー』のガイドです。私はローカルトーナメント、友人との対戦、CPU戦、オンライン戦を数百戦経験してきました。
その経験で得られた知見・戦略・戦術の全てをここに記します。
 
この記事では、前半に勝ちにつながる基本戦略と、ゲーム中用いる5色の組み合わせの考え方について論じ、後編(リンク予定地)では上級編として、個別的な戦術を論じます。


【基本的なルール】

では最初に、スプレンダーのゲームデザインの基本知識から。
 
勝利条件:
・あるプレイヤーが勝利点15(貴族タイル含む)に達したとき、そのラウンドでゲームを終了する
・その際すべてのプレイヤーが同じターン数だけプレイするのを待つ(公平のために)
・ゲーム終了時、最高得点を獲得していたプレイヤーが勝利する
・同点だった場合は、カード所有数が最も少ないプレイヤーが勝利する

ここでわかるのは、15点を最も速く、そして最も少ないカードで取りに行く戦略は強力であり、逆に時間がかかり、カード数が多くなる戦略は弱いということです。

貴族タイル:
1枚獲得につき3勝利点を得る
・プレイヤーが貴族タイルに書かれた種類の宝石を獲得したとき、貴族の訪問を受け貴族タイルを獲得できる
・最初に貴族の訪問を受けたプレイヤーがタイルをイメージ 1獲得し、以後ゲーム終了まで保有する
 
全ての貴族タイルは3勝利点ですが、タイルの必要宝石数は2パターンあります(右写真参照)。
3/3/3(1色目3枚、2色目3枚、3色目3)のトータル9枚の宝石カードが必要なタイル。
4/4のトータル8枚の宝石カードが必要なタイル。
 
ゲームの解析から以下のことが分かりました。
・大半のゲームは21〜26ターンで終わる
・トータル宝石カード獲得数は5〜8
 
裏を返せば、大半のゲームでは、貴族タイルを取るのに必要なカード数(最低8)に達する前に決着がつくのです。
 
 
【結論】
・貴族タイルを取るには最低8〜9枚かかる
・5色のタイルをヨコに広く並べる「水平戦術」(貴族タイル前提の戦略)では勝てない
・ただし、場がもつれた局面や相手の手がもたついているときにのみ狙うのはOK
 
→この結論はかなり確からしいもので、経験者は皆共有しています。改めて証明のためにテストプレイする必要はありません。効率良く吸収しましょう!
 イメージ 2
じゃあ、逆に常勝戦略とは『カードを5〜8枚しか取らない戦略』ということになります。少数のカードだけで15点で達するために大事になってくるのは、得点付きのカードです。
得点付きカード(以下得点カード)1〜5点の得点が付いた宝石カードです。得点カードは上中下の3デッキ(右写真参照)全てに入っています。「コスト効率」の良い2〜5点カードを獲得することで、5〜8枚で15点が取れるようになります。

得点カードでも、必要コストは様々です。
写真の15枚のカードは、非常にコスト効率が良いです。
ここで、写真左上の「白3黒7コストで勝利点5点のカード」を、10コストで5点なので、コスト効率2と定義します。(低いほどコスパが良い)

上段イメージ 3
10コスト5
コスト効率2
 
中段
7コスト4
コスト効率1.75

下段
6コスト 3
コスト効率2

  
スプレンダーの必勝戦略は、この15枚の高価値カードを狙っていくことにあります
しかし、こうした高価値のカードを狙うのは、まだ基本中の基本。
2人プレイでも3人プレイでも、対戦相手に狙いがばれてしまうと、状況が苦しくなることがあります。相手に打ち勝つために、追加のいくつかの戦術を知っておく必要があります。
まあ言ってしまえば、全員が「そうだ、コスト効率の良いあのカードを狙おう」という風に、狙いが集中しますし、妨害を受けることもあります。
ここで何をするのか?この議論は次回以降行います。
本記事の後半では、一番大切な「3色の組み合わせ」という概念を紹介したいと思います。

【高価値カードの出現率】
上デッキ総数20枚のうち10枚
中デッキ総数30枚のうち10枚
 (中デッキの単色5コスト2点カード5枚を追加して計算している)
比率は高いです。上の方が比率が高いため、垂直戦略を狙っているときに本当に困って、山札から確保したいときは、上デッキから引くと良いでしょう。
 
【3色の組み合わせ】
まず、右の図をみてください。基本的に、5色は循環していますイメージ 4
白チップを貯めると青カードが買えるようになる。
青を貯めると緑が、
緑を貯めると赤が、
赤を貯めると黒が、そして
黒を貯めると白が買えるようになる。
白→青→緑→赤→黒→白… と循環していて、隣り合う色同士は一緒に集めると相性が良い組み合わせとなっている。
 
どの種類のカードも5枚ずつあって、色の組み合わせは多くは循環しています(さっきの「強力な15枚」も3種類)。             
5色はこのようにつながりあい支えあっているので、ある程度まんべんなく揃える必要があります。「この色だけ集めれば強力なカードをたくさん取れて勝てる」ということは、あまりありません。

しかし、一部のカードには例外があります。その例外によって対称性が崩れて、ゲームに深みが生まれます。
 
・赤/黒/白
・青/緑/白
5色は大きく分けてこの2グループに分けられます。
この3色は「互いの色チップが互いのカードのコストになり、補い合う」という強力な相互補完能力を持っています。
 
ただ、緑→赤 というつながりもあるにはあります。どこで切って考えるのが効率的かは、実際の戦況によって異なります。

写真の5枚を見てみましょう。イメージ 5
右側の白ー黒ー赤だけで、三角形が成立しています。 
こうした非対称的な組み合わせは例外的ですが、一部存在します。
こうしたカードが場に出ている場合、赤・黒・白チップを集めると、その3色だけでどんどん手を良くしていくことができます。

写真だと、青・緑だけ浮いた格好となっていますが、
青/緑/白の組み合わせとして見るのが良いです。「さっきの赤/黒/白ほどの爆発力はないものの、しっかりとした強さを持っている」といった組み合わせです。
写真左では、青のコストは青で、緑のコストは緑です。こういったカードが青・緑では多く用意されています。「青・緑はそれぞれ自分の色を強化する」という、面白い特徴を持っています。青・緑を買うと、さらに青・緑が安く買えるようになり、雪だるま式に点を伸ばすことができます。この手のカードは全デッキ中4,5枚含まれています。あまり多くはないので運次第ですが、この種のカードがいくつか見えているときは、青・緑チップを集める戦術で行くのが有効になります。
青/緑/白の組み合わせとして見るのですが、「白」がまだ出てきていません。
白は、ピボットとなるような色です。白は基本的には赤/黒を助けます。
しかし、白は青とつながっています。ですので、白/青/緑と見るのが良いのです。

スプレンダーの5色の考え方としては、
赤/黒
青/緑
という強力な2セットのちょうどあいだに、白が微妙な距離で浮かんでいる、という関係をイメージするのが良いです。
序盤で「赤/黒でいくか、青/緑でいくか決めかねる」という状況では、とりあえず白を買っておけば大きな間違いは起きません。

ーーーーーーーー

追記【垂直/水平戦術という語について】
筆者は最初、本記事で紹介されている戦術を「単色戦術」、初心者がまんべんなく集めて貴族を狙う戦術を「多色戦術」と呼びました。
こちらのサイトで「ボードゲーム部→ぼどげ部→げ部」でも、同様の戦略について解説がなされ、「タテに伸びるので垂直、ヨコに広がるので水平」と名付けています。
 正直呼び方は僕にとっては何でもいいので、2015年に書かれている「垂直/水平戦術」の名を採用しています。もっとそれらしい呼び方や、古い呼び名をご存知の方は教えてください。ちなみに、この記事の翻訳元では、特にこれにあたる用語はありません。



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