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AI(人工知能)& IoT
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 人間の脳と同じように様々な知的振る舞いをこなすことのできる「汎用人工知能」が2030年頃には完成すると言われている。仮に実現すれば、私たちの生活は一変する。鍵となるのは、「全脳アーキテクチャ」

 今騒がれている人工知能の多くは「特化型人工知能」。一つのタスクしかこなせないのが特徴。たとえば、Googleのような検索エンジンやSiriなどの音声認識が当てはまる。インプットしたある特定の分野には高い能力を発揮するが、人間の脳のように「自律的に考え判断し行動する」というようなアウトプットはできない。

 一方、「汎用人工知能」「自律的に物事を考え判断する」という特徴を持っている。

 「汎用人工知能」を完成させるためには、人間の脳をモデルとした機械学習器をつくる必要がある。汎用人工知能は2つの方式のいずれかによって実現されると言われている。

 1つ目は、「全脳エミュレーション方式」。これは、1000億のニューロンと100兆のシナプスから成る脳の神経系のネットワーク構造をすべてデータ化してコンピュータ上にソフトウェアとしてすべて再現するという方式。

 2つ目は、「全脳アーキテクチャ」。脳の構造を模倣した「人工脳」を作ることで実現される方式。「全脳アーキテクチャ」は、おおよそ2030年には完成されると言われており、もし実現できれば一人の人間の知性を凌駕する「汎用人工知能」が生まれるとされている。

 人工知能による影響を経済学の観点から研究する井上智洋氏は、「全脳アーキテクチャ」による汎用人工知能が誕生するとされる2030年を「第4次産業革命の始まり」と語る。

 第4次産業革命は、「ビッグデータ」「IoT」「人工知能」によってもたらされる産業革命。産業革命の歴史をたどると、1770年には、蒸気機関による第1次産業革命が起き、1865年には内燃機関や電気モータによる第2次産業革命が起きた。そして、1995年にはパソコンやインターネットが引き金となった情報革命である第3次産業革命が起きた。

 井上氏は、これら産業革命の歴史を俯瞰して「第4次産業革命は、第1次産業革命に匹敵するほどの大きな変化になる」と語る。

 第4次産業革命が起きると、経済構造に大きな変化が訪れる。これまでの資本主義経済を形成していた「機械化経済」が、人工知能やロボットが生産活動に必要なインプットを主導する「純粋機械化経済」へと変わっていくとされる。

【機械化経済】
 産業革命以前には、技術の進歩が穀物収穫量を増大させても、同じ分だけ人口も増加し、1人あたりの食い扶持が変わることはなかった。これを「マルサスの罠」という。ところが産業革命はそれまでと違って、爆発的な人口増大をさらに上回るスピードで生産性を増大させ、マルサスの罠からの「劇的な脱却」をもたらした。この産業革命以降の資本主義の経済を「機械化経済」と呼び、2つの特徴的な構造を持つ。

 1つは「規模に対して収穫一定」。労働と機械(資本)をインプットとして、工業製品やサービスといった生産物がアウトプットとしたとき、インプットを倍にすると比例してアウトプットも倍になる。

 もう1つが「限界生産量遁減」。インプットにおける機械だけを増やしても、労働者の人数が変わらなければ、生産力は増大しない。

【純粋機械化経済】
 最初の産業革命では「生産の機械化」がなされたが、汎用人工知能の出現は「労働」をも機械化すると予想される。機械が「生産手段」から「生産の主体」に変わる。
 「機械による機械の生産」が無限に繰り返され、生産規模がどこまでも拡大。「限界生産量遁減」からの脱却が起こる。

 「労働者の多くが雇用されず、汎用AI・ロボットが生産活動に全面的に導入されるような経済、機械が生産の主力になり代わる経済」が「純粋機械化経済」。


参考
Biz/Zine:「人工知能の経済学」視点で考える第4次産業革命――雇用なき経済成長と認知アーキテクチャ
https://bizzine.jp/article/detail/1890

文藝春秋:井上智洋著「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」

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