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催眠術を解かれた片桐友里は、ゆっくりと目を開いた。 「気分はどうかな?」 「はい・・大丈夫です。」 友里は、少し眩しそうに眉を寄せながら、教授に微笑んでみせた。片桐友里は昨年、この大学に入学した。もともと心理学に興味があった彼女は、催眠心理分析の権威でもある立花昭吾教授の下で学びたいという動機で、この大学を選んだ。 であるから、教授から「助手」の誘いがあった時は、迷うことなくその要請に応じたのだ。 「助手」とは、すなわち「専属被験者」であることを知らされた時にも、彼女の心は揺れなかった。 むしろ被験者として、立花教授の研究を「体」で知ることができるという思いと、そして、憧れの 人の役に立つことができるという喜びが、彼女の心を支配していた。 「今日はこれで終わりにしよう。少し休んでから帰るといい。」 「はい・・教授・・・。」 友里は「はい」と言いながら、立花の白衣の胸に、自分の頬をそっと寄せた。昨年の「ミス・キャンパス」で優勝したほどの美貌の持ち主でもある彼女は、22歳という年齢に相応しいとは言い難い「大人びた雰囲気」を持った女性だった。立花昭吾は既婚であるが、友里の妖艶な魅力を無視できるほどに年老いてはいなかったのだ。 立花は、友里の長い髪に指を絡めながら、その柔らかい唇に、自分の唇を重ねた。
彼の右手が、友里の胸元に当てられた時、友里の口から漏れた熱い息が、立花の首筋にかかる。 この数ヶ月間、実験が終わった研究室で繰り広げられる男と女の淫靡な儀式の始まりであった。 |
もう一人・いる!
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