羊の隠れ家

■■■Taku2001zooのブログ■■■

もう一人・いる!

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【取調室】

「ま・・まさか・・妻が・・真美子が・・!」
「はい・・お気の毒ですが・・。」
「こ・・殺された!さ・・殺人事件なんですか!?」
「ええ・・まあ、そのように考えてもらって結構です。」
「そのように・・って、何ですか!その言い方は!人が殺されたというのに・・
いったい犯人は誰なんですか!?なぜ、妻が殺されなければならないのですか!」

殺人事件だと言うのに、刑事の態度には緊迫感が感じられなかった。

「まあまあ、落ち着いてください。立花さん。いや、立花教授でしたかな。」
「死亡推定時刻は、午後4時前後。つまり、今日の夕方ですがね、貴方はこの時間、どこにおられましたか?」

何ということだ!刑事は私を疑っているのか!?

「わ・・私は大学の研究室にいましたよ。証人もいます。」
「証人・・ですか?まさか、片桐友里さんが証人だとでも言う気ですかね?教授。」
「な・・なぜ、友里が・・いや片桐さんが証人ではいけないのですか!」
「いやあ・・立花教授。もうやめましょうや。我々も茶番劇に付き合えるほど暇じゃないんですよ。」
「茶番劇・・どういう意味ですか!?」

立花は、頭に血が昇っていた。この刑事は人を馬鹿にしている!

「私はその時間、研究室で助手の片桐さんと実験中でした。何なら実験を記録したテープだってある!」
「ええ・・テープのことも承知してますよ。教授・・・。これですよね?」

刑事は、そう言いながら一本のVHSテープをテーブルの上に置いた。
ラベルには実験の日付が書き込まれている。

「そ・・それがあるなら、問題ないじゃないですか!私を疑うなんて時間の無駄でしょう!」
「ふむ・・教授・・。どうやら最後まで惚けるつもりですかな?」
「惚けるだと!君、口のききかたに気をつけたまえ。私はこれでも学会にも政界にも多少は名の知れた人間だ。そのような態度をとっていると後で後悔することになるよ。」

立花は大げさに切れて見せた。そうでもしないと、この刑事にはわかってもらえそうになかったからだ。

「はいはい・・では、教授。いっしょにこのビデオを見てみますかね・・・。」

刑事はそう言いながら、部屋の隅にあるテレビのスイッチを入れ、ビデオデッキにテープを挿入した。
撮影用のカメラが天井に設置されているため、画面は俯瞰で、立花教授と友里の二人の姿を捉えていた。

「日付と時間を確認してください。このテープで間違いないですよね?教授?」

刑事に言われるまでもなく、立花は真っ先にそれを確認していた。万が一、別のテープだったら、他人には
決して見られてはならない映像が再生されてしまう可能性があるからだった。

2:34
「あなたは今、どこにいますか?」
「はい・・研究室にいます。」
「椅子に座ってますか?」
「はい、座ってます。」

実験中の二人の様子が鮮明に映し出されていた。刑事はすでに、これを見ている様子だった。ならば、なぜ・・何が問題だと言うのだ?

2:35
「では、外に出て散歩をしてみましょう。」
「・・・はい、散歩をしてみます。」

その時、立花は思わず息を呑んだ。TV画面の中の友里が椅子から立ち上がったのだ。

「え・・な・・何だ・・これは!」

立花は思わず、そう叫んでいた。画面の中では、研究室に一人残った自分が、誰も座っていない椅子に向かって
語り続けているではないか!

2:42
「あなたは今、どこにいますか?」

「公園には、何が見えますか?」

「それは誰ですか?」

2:45
「男性ですか?女性ですか?」

「その女性は、どのような服装をしていますか?」

「その女性と話をしてみてください。」

2:49
「女性は倒れているのですか?」

「では、研究室に帰ってきてください。」

しばらくすると、TV画面の中に、研究室に戻ってきた友里の姿が映し出された。

2:59
「あなたは、今、どこにいますか?」
「研究室に帰ってきました。」
「何が見えますか?」
「立花教授が見えます。」

「もういいでしょう。教授。ご説明願います。」

刑事はウンザリだと言わんばかりにテレビをスイッチを切ると、立花に向き直った。

「実験には小型の無線機が使用されていましたね?」
「貴方はそれを使って片桐友里さんを催眠状態にして公園へ誘導した。」
「無線で指示しながら、あらかじめ呼び出しておいた奥さんを、友里さんに殺させた。」
「奥さんは、その時、抵抗して友里さんの腕に爪を立てている。」
「奥さんの爪から検出された皮膚の断片は、友里さんのものと判明しましたよ。」
「貴方は友里さんと男女の仲だったわけですね?」
「奥さんが死んでくれれば、晴れて友里さんと結婚できますよねえ?」
「友里さん、美人じゃあないですか。」
「それにしても、奥様は気の毒だなあ・・。」
「しかし、学問をこんなことに使って、貴方、研究者として恥ずかしくないのですか?」
「唯一の誤算は、奥さんが激しく抵抗したってことですかねえ?」
「友里さんも気の毒になあ・・。」
「自分の意思が奪われたまま、殺人まで犯してしまうなんて・・。」
「まあ、彼女が有罪になることはないでしょうけどね。」
「さあ、教授。説明していただけますよね?」
「催眠術を使った殺人計画の全貌を・・。」
「もう惚けるのはやめてくださいね。」
「立花教授・・・さあ。」

「違う・・」
「違う・・違う・・」
「違う・・違う・・違う・・」
「違う・・違う・・違う・・違う・・」
「違う・違う・違う・違う・違う・違う・違う・違う・違う・違う・」

「違う!こ・・これは何かの間違いだ!有り得ない!おかしい・・。」
「友里は、ちゃんと座っていた!信じてください!」
「け・・刑事さん・・聞いてください!」
「これは間違いなんだ・・陰謀だ!」
「知らない・・私は知らない!」
「嘘だ・・何もかも・・」
「刑事さん・・」

「もう一人・・もう一人いるんですよぉぉぉーーー!」

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うわあー!って感じです。面白い面白い面白い!!フラフラとブログサーフィンしてたら、こんな作品に出会うとは。ちょっとショック!ホラーみたいで、なのにリアル。ファンになりそう!

2009/6/30(火) 午前 5:25 [ リンゴ ]

リンゴさん♪

ありがとー!感謝!!

たまには誉められないとやる気が出ませ〜ん!!(笑)
長編も執筆中です。今後ともよろしくです。

2009/7/1(水) 午前 0:58 taku201zoo


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