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「いいですか、旦那。旦那はこれから時間を遡って、過去に戻るんです。例のSF小説みたいなわけにはいきませんよ。タイムマシーンなんてものは、非現実的な想像物に過ぎませんからね。」 (では、どうやって過去に戻るのですか?) 「旦那が戻りたい時間は、昨日のちょうど今頃ですよね?これから時間を巻き戻してあげますよ。時間の進行方向は逆になりますがね、進行速度は同じです。つまり、旦那が行きたい時間に到着するまで約23時間くらいかかるってことです。」 (つまり、23時間、逆向きの世界を見ることになるんですね?) 「ええ、そうですよ。この間、旦那は逆向きの世界を経験することになります。」 (でも、時間は宇宙全体に流れているのでしょう?他の人間も皆、逆行してしまうではないですか?) 「ええ。もちろん、宇宙全部が逆行しますよ。」 (世界はパニックになりますよ・・・) 「いえいえ、他の方々は時間の逆行に気づくことはありません。世界中の他人、つまり旦那以外の人間は 昨日から今日という流れを二回経験することになりますがね、どちらが一回目でどちらが二回目を知る方法なんてありません。二回繰り返したという事さえ、知らないのですから。」 (どうしてですか?世界が逆向きになれば、誰だって気づくでしょう?) 「旦那〜(笑)意識ってやつには方向性があります。逆向きの意識なんて頓珍漢なものはこの世にはありません。腹が減ったから・食べようと考えて・食べるんですよ。食べたから・腹が減って・腹が減ったと考えるわけじゃないんです。わかりますよねえ?旦那?」 どうやら時間が逆行している間、人間は思考から切り離されてしまうようだ。しかし、考えてみればそれが当然のような気がした。逆向きに走る車を運転する運転手が「前方を注意する」なんて、ナンセンスではないか! 「ですから、旦那の意識領域だけは、時間の向きを正常にしておきます。そうすれば旦那は時間の逆行を確認しながら、好きな時間に行けるでしょ?」 そ・・その、目的の時間に到着したらどうなるんですか? 「そりゃ、もちろん、時間の方向が正常になりますよ。その時が旦那、チャンスってやつです。」 神様は、なぜか嬉しそうに笑っている。 「さて・・そろそろ行きますか?旦那?」 神様は、そう言うと立ち上がって、ゆっくりと目を閉じた。直後、私の視界からすべてのモノが消え、私は漆黒の闇の中に放り込まれていた。 「旦那・・ちょっとだけ我慢してくださいね。宇宙の全エネルギーが逆向きになってるんで、光が旦那に届かないんですよ。」 ひ・・光も逆向きに走るのか・・と・・当然のことだったが、その様子を想像することはできなかった。 「でも、このままじゃあ、旦那は自分が目的の時間に到着したかどうかが確認できないでしょ。今、特別に旦那にだけは光が届くように工夫してますからね・・もうちょっと待ってくださいよ〜。」 床も天井も、壁も・・何も無い世界の中に私はポツリと浮かんでいるような感覚だった。その時、ふいに、足元から明るさが戻ってきた。床が見え始め、私のいる世界が戻ってきたのだ。 「じゃあ、旦那。23時間後ですぜ。今度はうまくやってくださいよ。」 神様はそう言うと、スーと消えてしまった。 は・・始まるのだろうか?本当に時間が逆行すると言うのか・・・?!
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アホの坂田が怒ってる
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面白いです! takuさんって仕事は文筆業ですか?
2009/2/24(火) 午後 10:12
すごいですね、続きが気になりますw
ついでに、あいつは死んで自業自得だって言葉に
神様が反感を持たないのも気になりますw
道徳的なイメージはこっちが勝手に持ってるだけで、意外と違うのかもしれませんねw
いや、いまからそういう展開になるのかなー?
続きを楽しみにしてます★
2009/2/24(火) 午後 10:25 [ _ ]
sya*i99さん♪
さっそくのご感想、ありがとうございます!
文章は職業ではありませんよ(笑)
色々と雑文を書くのが好きなだけです。
今後の展開にご期待ください!
2009/2/24(火) 午後 10:54
みく♪
おっと・・中々鋭いねー!
その「道徳観」の基準をどこに置くかで(あるいは無視するかで)作者の道徳観が作品に反映されてしまう。
「悪いことをしたらバチが当たります」というような、単純な話は
書かないつもりだよ。
2009/2/24(火) 午後 10:58