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翌日、いつものように仕事を終えた私は、着替えるためにロッカールームへ向かった。 その時、廊下でばったり、店長に出くわした。 「ああ、黒木さん、ちょうどよかった!」 いやな予感がした。どうせ残業の相談に違いない。明日は「棚卸し」があるのだ。 人手はいくらあっても邪魔にはならないだろう。 「実はちょっと整理したい書類があるんだが、手伝ってくれないか?」 予感的中!・・でも断るわけにもいかなかった。 「あの、祐樹が、一階の売り場で、例によってガラスケースにへばり付いてます。 あのまま待たせてよければ、手伝いますよ。」 「ああ、もちろんOKさ!後で祐樹君にお菓子でも買ってあげなきゃな。」 私は祐樹に、それを伝えると二階の事務所へと向かった。 その時・・・。 (ゴゴゴゴ・・・オオオ・・・) 階段に足を掛けた直後、廊下に異様な音が響き渡った。 (何・・地震!?) 天井から、パラパラと埃が落ちてくる。 (きゃあ・・・!!) 店内で、ガラガラと、物が倒れる音がしている。考える時間はなかった。私は急いで店内へと駆け込んだ。 「ああ・・黒木さん!早く・・早く外に出ましょう!」 同僚の高橋さんが顔色を変えて叫んでいる。 「どうしたの!何があったの!」 「て・・天井が崩れそうなのよお!」 その言葉に返事をせずに、私は店の奥へと走った。 「祐樹!ゆうき〜!!」 息子の名前を叫ぶ。 「おかあさん!ここだよおー!」 祐樹は、ガラスケースの柱にしがみ付いて怯えていた。頭上を見ると、すでに天井に大きな裂け目が入っている。 「さあ・・行きましょう!」 私は祐樹を抱き上げると、出口へと走ったのだ。 (ガア〜ン・・!!) 物凄い音と共に、何かが私の肩に激突し、私は祐樹を抱いたまま、床に叩きつけられていた。
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アホの坂田が転んでる
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