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「がいしゃの所持品を確認しろ。」 県道の交差点で発生した交通事故で死亡した男性の遺体は、警察病院に収容されていた。 現場検証にあたった警部は、「彼」が財布も持っていないことが妙に気になった。 「携帯電話もありませんねえ・・・。」 彼をはねたダンプカーの運転手の証言によれば、その男は、まるで誰かに追われているような様子で道路に飛び出してきたという。 「妙なデザインの時計だな・・・。」 警部は「がいしゃ」の右腕にはめられた腕時計を、しげしげと見ていた。 「どこのメーカーですかね・・?」 ボディのサイドに、小さな突起があった。警部は何気なくそれに触れた。すると時計の文字盤が カレンダーに変わった。 「ふむ・・よくある機能だな・・・。」 と言い掛けた時、警部はそのカレンダーが通常のモノではない事に気づいた。 「何だ・・これは?」 そこには、このような数字が並んでいた。 (2310・12・19) 「狂ってますね・・この時計。」 「ああ・・そうだな・・・。」 「あ・・上着のポケットに何かが・・。」 部下の一人が、彼の上着のポケットから数枚の封筒を取り出した。 「手紙・・ですかね?」 キャラクターデザインが施された、いかにも女子高生が好みそうな封筒であったが、その色あせ方から、 相当「古い」ものであることが想像された。 「おかしいなあ・・・?」 「何がだ?」 「いや、この、宛先なんですけどね・・・?」 部下の一人が怪訝そうに首を傾げている。 「渋谷のジャーニー・エンタープライズって、東本町じゃなくて、西本町なんですよね・・。」 警部は封筒に書かれた宛先を確認した。確かに「東本町」になっている。 「住所違いで配達されなかった手紙かな?」
「さあ・・どうでしょうか・・?」 |
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