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「テロルの決算」 右翼の街頭宣伝車に乗り込み、野次を飛ばす通行人を追い掛け回していただけの他愛の無い「右翼少年」は、やがてTV放映が行われている政治家の演説の壇上で、彼の命を奪うテロリストとなる。 1960・10月12日、午後3時のことである。 「山口二矢」・・・犯行当時17歳だった少年は、その後刑務所で獄死している。 沢木耕太郎は著書「テロルの決算」の中で、この犯行に至るまでの経緯と、そして犯行直後のある行動を通して、少年の中に「人間性」を見出そうと試みている。 しかし、彼の行動が「宗教的妄信」によって、後先を考えずに引き起こされたものであることは余りにも明白である。もちろん、彼を妄信に導いた事実上の指導者が存在し、彼らこそが問題の解決を暴力に委ねるという原始的発想からの脱却を阻害する根源的な要因であろう。 少年の純粋さは、彼らの政治的な欲求を満たす手段として利用された。そのような「被害者」が中東では「自爆テロ犯人」となっている。自爆テロを起こす犯人たちの多くは少年であり、女性である。
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