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「見ろ!悪魔獣が姿を現すぞ!」 霊士様の一人がそう叫んだ。彼女の全身は青く染まり、額の中央を盛り上がりはじめている。 (ああ・・本当に悪魔獣が・・・!) 霊士様が、心を鬼にして変身しつつある彼女の胸に「払い棒」を突き立て、意識を奪った。 数年の月日が過ぎていった。悪魔獣の攻撃は留まることを知らず、時には一ヶ月のうちに数人もの巫女が、悪魔獣の侵略を受けて挫折してしまったが、世間には、私達の「真実」を知って、仲間になってくれる方々がたくさんいるので、教団が、その「目標」を諦める理由はなかった。 ある日、私達の施設に「教祖様」が来てくださった。巫女たちは興奮して、誰もがそのお顔を一目拝見したいと思っていた。そんな中、突然、幹部霊士の一人が、私を呼び出したのだ。 「君の成績は、全国の施設の中でも極めて優秀だ。教祖様は、君を幹部霊士に昇格させ、全国の巫女達の教育担当にしたいと考えておられる。引き受けてくれるかな?」私は、天に昇るような思いで、その言葉を聞いていた。 教祖様の部屋のドアの前で、高ぶる気持ちを落ち着けようと深呼吸して、ドアのノブに手をかけた時、部屋の中から数人の笑い声が聞こえてきた。 「しかし、馬鹿な女達だな。毎日、給料ゼロで働きやがる。」 「まあ、そのおかげでボロ儲けだがな。特に(悪魔払い)ってやつで・・」 「わっははは・・悪魔払いか。まったく有難い話じゃねーか。こっちはタダで、新鮮な臓器が手に入る。」 「ああ、まったくだな。香港ルートも安定してきたし、そろそろ中東あたりに営業に行くか?」 「中東もいいが、まず、国内を固める必要があるぜ。国内需要はバカにできないからな。」 「そうだな・・国内なら、面倒な冷凍保存なしに、直接、病院へ送るって方法もありだしなあ・・」 「どっちにしても(生きた臓器)の入手には困らない。これができるのは俺達だけだ。」 「く・く・く・・そうそう、教祖様と霊士様だけってことだ!」 ドアの向こう側には「三匹の悪魔獣」がいた。私は恐怖に体が震えてしまった。悪魔獣は「教祖様」と「霊士様」の体を侵略してしまったのだ。ドアの隙間から恐る恐る中を見ると、正面に座っている悪魔獣だけが、その頭に2本の角があった。(あいつが、悪魔獣の親玉なんだ) 私は、目を閉じて精神統一した。この時のために、厳しい修行に耐えてきたのだ。私には「魔獣撃破術」があるではないか! 恐れるな・・・恐れるな!倒すのだ・・私なら・私ならできる!!
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ああ・・教祖様!
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