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私がドアを開くと「悪魔獣」どもは驚いたように私を見た。私は彼等に隙を与えなかった。一番手前に座っている悪魔獣の胸の中央に向けて、右手を素早く突き出した。 「神雷槍!!」 私の右手の人差し指から、稲妻のような矢が放たれ、悪魔獣の胸を貫いていた。「グェ・・!!」と、短い悲鳴を上げて、悪魔獣は床に転がり、その胸からは緑色の血液が飛び散っている。それを見た、もう一匹の悪魔獣が、私に向かってガラス製の灰皿を投げつけた。私は素早く左手を宙にかざした。 「霊盾!!」 灰皿は、目に見えない盾にぶつかり空中で粉々になった。私は、右手を真横に振りながら叫んだ。 「神刀両断!!」 灰皿を投げた悪魔獣の首が、私の目の前で胴体から千切れ、宙に飛んでテーブルの上に乗った。胴体を失った首はしばらく目玉をぎょろぎょろとさせていたが、やがて泡を吹いてテーブルに転がっていた。首を失った胴体は、首を無くしたことに気づかないのか、両手をバタバタさせばがら、緑色の血を撒き散らし部屋の中を走りまわり、壁に激突して動かなくなった。 「ひ・・ひいいいいいいいいいい・・・・!!!」 正面に座っていた悪魔獣の親玉が、獣らしい悲鳴を上げながらドアへと突進する。私は、その背中に叫んだ。 「神力剣!!」 私の両手から放たれた「剣」が、逃げる悪魔獣の両足を一瞬で切断し、獣は大きな音を立てながら床に倒れる。恐怖と痛みで歪んだ獣を見下ろしながら、私は、静かな声で言った。 「破裂しなさい・・・」 悪魔獣の腹が見る見る間に膨張し、体を包む衣服が引き千切れ、その内部から醜い青緑色の皮膚が見え始めた。やがて、その膨らんだ腹の中央に、一筋の割れ目ができ、次の瞬間、悪魔獣は音を立てて「破裂」した。部屋には、獣どもが撒き散らした贓物と血液が飛び散っていた。 おそらく、私の「悪魔獣退治」の功績が認められたのであろう。私には「個室」が与えられ、白衣を着た「巫女」が、一日に3食もの食事を運んでくれる。また、新しい霊士様が、毎日のように「悪魔退治」の様子を私に聞いてくる。私は、そこで起きたことを話す度に、私に「魔獣撃破術」を教えてくださった教団の素晴らしさと、この術をあみ出した教祖様の偉大さを感じ、深く感謝せずにはいられない。 「真昼の惨劇・宗教団体幹部惨殺事件」 「被害者は3名。いずれも教団幹部と判明。」 「逮捕された信者。犯行を自白!!」 「暴かれる。恐怖のカルト教団。闇の臓器売買組織・・・」 「数百人を殺害か!行方不明の少女達の家族が被害者の会を設立。」 「香港組織の仲介人は医学界の大物!!」 「某医大にて(臓器の受けとり)を示す新たな証拠発見!」 「日本医学界に横たわる恐怖の闇・・・」 「ところで・・」と、新聞を見ながら一人の刑事がつぶやいた。 「凶器はまだ、発見されないのか?」 「ええ・・見つかりません・・・」 「共犯者は・・?」 「現場には痕跡がありませんね。単独犯ですよ。」 「でもなぁ・・・女が力づくでやれる殺しじゃねーよなあ・・」 「まったくッス。切り刻んで、破裂してますからねえ・・」 「その、犯人の女は今、どうしてるんだ?まだ病院かい?」 「ええ、病院にいますよ。逃走する恐れもないでしょう。」 刑事は再び、新聞に目を落とした。そこにはこんな文字があった。 「なぜ、人は・・このような嘘に騙されるのか?」
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