シュタージ(国家保安省)の局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人で舞台女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)が反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。ヴィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めるが、自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられ……。 (シネマトゥデイ)
見応えのあった映画。旧東ドイツ体制下での国民監視を背景とした物語であり、壁崩壊後の情報公開時代までが描かれる。証言等に基づく丁寧な作りで重いリアリティを感じる。また人間を描いた映画としても良く出来ており、特に壁が崩壊した後のシーンは秀逸だと言えるだろう。
反体制の劇作家を監視していくなかで、徐々に心が揺らいでいく体制側の国家保安省局員。その過程が様々な出来事を通して描かれていく。この変化の原因や過程が必ずしも明確とは言えないところが、良くも悪くも最も気になるところではある。しかし、保安省局員を取巻く環境を始め、様々な要因がその原因となっていることを考えると、むしろこのような敢えて明確さを避けた描き方のほうがリアリティを感じるのかも知れない。体制側人間の保身や権力志向、西側の自由な発想、女優への想い、「善き人のためのソナタ」というピアノ曲、更には人生といった目に見えないことまで・・・その心を動かした要因は必ずしも少なくはないということだろう。このあたり、見る者に投げかけられている部分も多いように感じた。
ただ一方で、映画としては、もう少しその要因を明確に描いて欲しかったという気もしていた。そうすれば、台詞の中にスターリンが言った言葉として「ベートーヴェンの熱情ソナタを本当の意味で聞いてしまったら革命は出来ない(悪人になれない)・・・」というニュアンスの言葉が出てくるが、この言葉がもっと活かされ、この映画の象徴性も高まったと思っていたからだ。
しかし見終わって時間が経てば経つほど、これはそんな明確な象徴性を求めるものではないなという思いが強くなっている・・・。感じることの多い映画、もう一度ゆっくり見てみたい。そんなことで、この邦題は許せるかなと思ったが、その気持ちも時間が経てば変るのかも知れない。
壁崩壊後のシーンは決して長くないとはいえ見所が多い。監視する側と監視された側の二人が言葉を交わすことなく車道と歩道を並行するシーンは何とも言えない気持ちにさせられる。そして印象に残るラストシーン。その言葉も良かったし、その表情は最高に素晴らしいものだった。素晴らしい映画だと言えるだろう。
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この映画は今年のベスト3に絶対入れたい映画です。もしかしたら1かも。どんな状況にあっても人間の善というのは存在する・・ということが嬉しいです。
「ベートーヴェンの熱情ソナタを本当の意味で聞いてしまったら革命は出来ない(悪人になれない)・・・」という下り。ありましたね〜
それだけ芸術=平和であり、芸術がわかる人に悪人はいない。。ということなんでしょうか?
TBさせてください。
2007/9/30(日) 午後 7:20
Cartoucheさん>TBありがとうございます。確かに素晴らしい映画でしたね。映画のキャッチコピーのように単純ではないようにも感じましたが、究極はそういうことでもあるのでしょうね。
2007/9/30(日) 午後 7:50
この映画は素晴らしかったです。どちらかというと寡黙な映画だと思うのですが、ずっと心の中で、この物語は語られ続けているような気がします。。また是非観てみたい1本です。
トラバさせて下さいませ♪
2007/9/30(日) 午後 8:30
恋さん>TBありがとうございます。そうですね・・・寡黙な中に様々な要素が盛り込まれていたような気がします。
2007/9/30(日) 午後 9:07
重く暗いシーンが続いた後にあのラストは涙が溢れました。ドイツ国民の苦悩がせつせつと伝わるような映画でしたね。
音楽を始めとする人の感性に訴えるものには誰も命令したり支配することはできないということでしょう。TBありがとうございました。こちらからもさせていただきますね。
2007/9/30(日) 午後 11:15
私は無条件に感動してしまいました。特にラストシーンが良かったですね。
人間の心は管理できない、ということですね。
TBお返しさせてもらいますね。
2007/10/1(月) 午前 0:17
私も心に残る作品の一つとなりました。
静かに、心に深く入り込んでしまいました。
私もTBさせてくださいね。
2007/10/1(月) 午後 0:16 [ ake*omy*ujo*3 ]
すごく見たい。こんなおもしろそうな映画を知らなかった自分が恥ずかしい(笑)。
2007/10/1(月) 午後 3:40
Choroさん>TBありがとうございます!確かにこのラストシーンは印象的でしたね。素晴らしい映画でした。
2007/10/1(月) 午後 10:34
くみょんさん>TBありがとうございます!本当にラストシーンは感動ものでしたね。
2007/10/1(月) 午後 10:37
明星さん>TBありがとうございます!久しぶりに、後味が重厚で、且つ印象的な映画を見たような気がします。
2007/10/1(月) 午後 10:39
yukioさん>別に恥ずかしがるようなことでは・・・。是非見て下さい!
2007/10/1(月) 午後 10:40
私も心を揺り動かした要因というのは明確なものを求めるものではないなと思います。ラストの表情は印象に残りますね。素晴らしい映画だと思います。TBお返ししますね。(すいません^^;最近ブログお休みしてたもので遅くなりました<(_ _)>)
2007/10/7(日) 午前 1:31
らぐなさん>TBありがとうございます。これは有名なラストシーンになるのではないかなと思います。久しぶりに良いシーンでした!
2007/10/7(日) 午後 3:15
たくたくさん、ご無沙汰しておりました〜;;;
不在の間にも沢山コメントを寄せていただきまして有難うございました!!
私もこの映画で旧東ドイツの実情を知ったのですが、親しい者同士でも監視しあうシステムは不気味でしたね;;; (自分が誰に監視されていたかというのを後に調べられるというシステムも…)
が、映画としても素晴らしいと思いましたし、アカデミー賞で外国映画賞を受賞したのも納得です^^。
TBさせてくださいね。
2007/11/5(月) 午後 0:51
kimさん>TBありがとうございます!これは良い映画でした!東ドイツの今も感じられましたね・・・。
2007/11/5(月) 午後 10:24
優秀な局員時代とこのチラシ配りをしている姿とのギャップ…。ヴィースラーが胸を張るラスト、良かったですね。
2007/11/27(火) 午後 11:32
Jennyさん>TBありがとうございます!このラストシーンは映画史に残るようなレベルですね!
2007/11/27(火) 午後 11:37