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今一番気になる監督はラヴ・ディアズ、そしてジェームズ・ベニング

タル・ベーラ

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サタンタンゴ

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SATANTANGO-サタンタンゴ

監督:タル・ベーラ

主演:ヴィーグ・ミハーイ、Miklós Székely、Erika Bók

製作年度:1994年

☆☆☆☆☆

ひと言:遂に見ました。タルの『サタンタンゴ』。

420分(7時間)の映像叙事詩。前半、300分までは、傑作に留まっていましたが、最後の2時間で大傑作に変わりました。

何が凄いかというと、本作はタルの得意の長まわし(これでもかこれでもかとあります)ではなく、其の類まれなストーリー展開、すべてが、人間の醜さ、やるせなさ、そして何といっても共産主義の中で生活する人たちの絶望が最後に大きな塊となって終焉していく・・何というストーリー展開でしょうか!

300分までの断続的に続くロングショットの数々・・タルファンでない限り、途中で断念しそうな長い長いダンスシーンや夢を語るシーンなどは、すべて、このラスト2時間のためにあったのです。

私自身、これまで多くの共産主義の中で暮らす疲弊した人たちのドラマを見てきましたが、理屈ではわかっていても本当はよくわかっていなかったのだと本作を見て強く感じました。見えない巨大な力(ここでは共産主義)を、ちらつかせながら話を持って行くパターンの映画で思い出させるのはボン・ジュノの『殺人の追憶』ですが、本作もそんなイメージを感じました。

周到に計算されたラストまでの演出・ストーリー展開はタルが映像の魔術師だけでなかったと彼のイメージを大きく変える作品です。

それにしても映像ショットについても書かなければなりません。タルという人は『歩く』ショットを多用します。歩き遠ざかる人たちをじっとカメラを固定して撮ったり、歩いてくる人と一緒に前からとったり、歩いている人を横から撮ったりと、とにかく歩くショットにこだわる監督です。

映像と並んで、タルと切っても切れないのが長年の一緒に組んでいるミハーイの音楽。ミハーイは何と役者として本作ではキーマンになる男を演じています。

まあ、とにかく間違いなく90年代最高の作品ですね。

タルの他作品

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WERCKMEISTER HARMONIES-ヴェルクマイスター・ハーモニー

監督:タル・ベーラ

主演:ラルス・ルドルフ, ペーター・フィッツ, ハンナ・シグラ

製作年度:2001年

☆☆☆☆☆

ひと言:タルの2000代の代表作・・といっても本作と『倫敦から来た男』のみなのですが。

タルの長まわしは比較されるアンゲロプロスやSharunas Bartasの長まわしと違い、カメラが動きます。同時に登場人物も動くため、長まわしに感じないのです。相当にリハーサルを重ねないと不可能です。

タルはインタビューで映画ロケの時は、必ずまず一人で行って、シーン毎にすべてイメージしてから、ロケ隊を呼ぶと答えていましたが、ワンテークワンテークすべて頭の中でイメージが出来上がっているのでしょう。

本作ではまずオープニングの太陽糸の動きと日食の話に圧倒されました。なぜだか分かりませんが涙が止まりませんでした。

その後ルドルフが居酒屋を追い出され一人、暗がりの夜道を歩くショットがあるのですが、素晴らしいの一言!そして病院を襲う暴動のロングテーク。ラストで骨と皮だけの裸の老人が簡易のシャワー室の中で立ち尽くすのを見て、暴動が治まり静かに退却していく・・何と悲しい、しかし人間はまだ正気を失っていないぞという強いメッセージを感じました。

それらのシーンに使われたヴィーグ・ミハーイの悲しいまでのテーマ曲は本作をもう一段高いレベルに押し上げました。

そしてクジラ。クジラは一体何を象徴しているのでしょうか?神、それとも人間そのもの。クジラとルドルフが最初に出会うシーン、そして2回目、更にフィッツが・・クジラは何を彼らに語りかけたのでしょうか?

タルはライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の大ファンなのですが、ファスビンダー監督の常連、ハンナ・シグラを本作で重要な役どころで起用しています。本作はまぎれもなく2000代を代表する1本になりました。

さて今度はいよいよタルの最高傑作、いやここ20年の世界の映画でナンバー1と評価の高い『サタンタンゴ』を見ることにします。

タルの他作品

倫敦から来た男

THE MAN FROM LONDON-倫敦から来た男

監督:タル・ベーラ

主演:ミロスラヴ・クロボット、ティルダ・スウィントン

製作年度:2007年

☆☆☆

ひと言:見終わった後、かなりがっかりしたというのが印象です・・話に無理があるというか、幼稚すぎる、まるで土曜ワイド劇場を見終わったような感じがしました。

確かにタル得意の長まわしや、小津監督のショットを思わせる背中のシーンの多用、素晴らしいモノクロ映像は健在でしたが、4年も費やして撮った映画とは思えませんでした。残念ながら後をひく凄さが無いのです。

また特に残念だったのが、音響です。すべてダビングされた音なのです。又セリフはハンガリー語ではなくフレンチです。とにかく不自然なのです・・せりふを含めすべてが不自然なのです。

しかし翌朝、もう一度、ストーリーを思い起こすことにしました。

ここからはネタばれです。

列車の監視の夜勤仕事をしている主役は偶然、船から降り立った怪しげな男二人が争って、一人が海に落ちるのを目撃します。その後、海に落ちたカバンを拾った主役はその中に大金が入っているのを確認します。夜勤明けに、彼は家に戻る途中、彼を見つめる男とすれ違います。そのあと、店で働いている娘と言葉を交わし、家に戻り顔を洗い、妻とも言葉を交わさずに、いつものようにベットに入り眠りにつきます。妻がブラインドを閉めて画面がしばらく真っ暗になります・・。その後、そこからが最後まで不可解なシーン、チープなシーンが続きます。まず目ざめた主役が、すれ違った男が下から主役を見つめてるのを窓越しに見つけます。夜にその男がボートでカバンを探して、監視塔にいる主役に気が付き、監視塔に向かうのですが、そのあとのシーンがありません。男が倫敦から来た警部と話した後、主役の男のそばを通り過ぎるのですが、主役には見向きもしません。男は主役の海のそばの小屋で殺されるのですが(主役が自白します)、本当に殺されたのか良くわかりません。

次に娘との関係です。娘がミニスカートで仕事をしているのを見かけた主役は、妻と口論し始めます。突然、450ポンド(?)近く使い毛皮のコートを買ってあげます。また店の女将に娘が仕事を辞めることを告げ口論になります。その他、酒場で突然踊りだす老人たち、毛皮やのおかしな主人たちのコミカルなショット(それまでのトーンと明らかに一致しない)、すれ違った男の帰りを待つ妻・・彼女の苦悩は良くわかりますが、ラストシーンがなぜ主役のアップではなく、彼女のアップだったのか?

その後、夢が覚めるように画面が真っ白になります。又その前に、刑事は主役を逮捕せず、盗まれた金から数百ドルを寡婦となったすれ違った男の妻と主役に渡します。そうです、私の解釈は、主役が夢を見ているのではないかということです。夢というのはリアリティはあるのですが、辻褄が合わなかったり、勝手にストーリーが進んだり、自分の罪の意識が反映されたりすると思います。争って死んだ男もその場から逃げた男の顔は主役・私たち観客にはわかりません。現実に海に落とされた男が彼の夢の中では、金を追っている男、そして結局死んでしまう(主役に殺されてしまう)。そう考えると辻褄が合ってきます。そしてもう一人、海に落とした男。彼が夢の中で倫敦から来た刑事として登場し、最後は主役に隠ぺいかくしのため逮捕せず賄賂を渡す。そう考えると、すべてが納得いくのです。お金を拾ってしまった罪の意識、、仕事中の娘の格好に対する恥ずかしさ、そういった心配なことが夢の中で新たな話として形成される・・そんな印象を新たにしました。また不自然さの残った音響も、夢ならば納得いきます。すべて意図したことなのでしょう。これはまさにラングの『飾窓の女』です。・・と勝手に納得してしまったのでした。

タルの他作品

Damnation 未公開☆☆☆☆☆

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