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恍惚。何処からともなく漂い始めた線香の煙に誘われて夜道を足が急ぎます。通い慣れた道でもなければ、坂や階段の多いこの山麓、ふとした弾みで足を取られそうなものですが、足元に何百、何千と点された明かりがおぼろげに道を教えてくれます。
花灯路の季節がやって来ました。今年度は嵐山でも花灯路の企画が実施された事に伴い、春の東山での企画を改めて東山花灯路と改称し、一層の盛り上がりが期待されています。花灯路は、京都市が中心になって平成15年(2003年)から始めた東山の興業企画で、北は青蓮院から南は清水に至るまでの東山の散策道を、灯篭で飾り、早春の東山に華を添えようと言うものです。
今年は、清水焼、京銘竹、北山杉磨丸太、京石工芸、金属工芸の5種類の露地行灯を約2,400基設置しています。道を進むに連れて次々と新しい形の灯篭が道標となり、青蓮院や知恩院から歩いたとしても、昼間は長い散策路が短く感じられそうです。又、京都いけばな協会の協力によって、散策路には所々いけばなの大型展示が置かれており、京都独特の文化を迫力ある形で目の当たりにする事も出来ます。その他、地域団体や学生の参加も積極的で、非常に充実した企画となっています。
昨年末に開催された嵐山花灯路は、嵐山の竹林や農村風景に灯篭が溶け込んで幽玄の世界を演出してくれましたが、東山は自然風景と言うよりも寧ろ文化の宝庫。情緒的な街並を灯篭で飾れば、嵐山よりも一層風流さが漂います。況して、今年で4年目になる貫禄もあって、各寺院の協力や、観光客への知名度も圧倒的です。
今年で4回目の花灯路、古くから京都に馴染んだ方には形ばかりの興業イベントに映るかも知れませんが、私個人としては思い入れがあります。京都に住み始めて2年ですが、実は第1回の花灯路に参加しているからです。大学受験の為に上洛中で、試験最終日の夜に早速出掛けました。昨年は東京に帰省中だった為、残念ながら参加出来ませんでしたが、第1回、第2回と花灯路の始まりをこの眼で見て来ているので、京都人と同じ年数だけ花灯路を歩んでいる訳です。
第1回の花灯路は非常に素晴らしく、改めて進学先にこの地を選んだ事を誇りに感じたものです。京都市も当初から後年の京都の目玉事業に仕立て上げる目算があってか、清水寺の奥ノ院243年振りの御開帳や、知恩院三門の内部公開など、初回の企画は非常に有意義なものでした。以来、毎年東山一体の寺院の協賛も得て、様々な公開や企画が加えられ、年々充実度を増すと共に、早くも京都の春を待つ風物詩としての地位を確立しつつあります。
さて、昨年の花灯路を見ていないので2年ぶりに訪れましたが、2年前とは比べ物にもならない盛況振り、と言うよりは混雑振りにまず驚かされました。特別公開の寺院に並んで入る事になるとは思いもしませんでした。一方、マスコミの煽りもあってか、寺院毎の公開模様が当初よりも世俗的になっている感もありました。大衆的な受けは良いですが、個人的には、寺の名勝庭園にカラフルなスポットライトを浴びせる様な演出は如何なものかと思います。この辺りは、賛否両論が絶えない点でありましょうし、発展途上のこの企画を長い目で見続けて行く楽しみでもあります。
ともあれ、私はこの京都で東山ほど愛着ある場所はありません。京都で常宿にしていた場所が東山だった事もあって、東山は京都に住む以前から昼の顔も夜の顔も何度となく見て来ました。文化や歴史の根付いた仮初ではない京都の魅力を、存分に感じさせてくれる東山は、今でも事ある度に足を運んでいます。況して、灯篭で散策路が彩られるその風景は又絶品で、遠く異国の地に居たとしても、この景色を歩きに京都に帰りたくさせてしまう様な魅力を秘めています。偏に、私が惚れ込んだ京都を否応為しに魅せ付けてくれます。
些か人が多過ぎる印象はありましたが、線香の香り漂う夜の東山が、薄暗い灯篭の明かりで彩られるこの季節、是非とも訪れて欲しいと思っています。余談ではありますが、花灯路の季節に限らず、各寺院の夜間公開等は季節毎に実施されており、京都の季節感をより深く楽しむ意味でも、京都に上洛の際には調べてみる事をお勧めします。
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コメントありがとうございました。僕も16日に花灯路に行きます☆昨年も行ったんですが、花灯路の楽しみ方を教えていただけないでしょうか?「これだけは見たほうがいい!」とかありますか??
2006/3/12(日) 午前 8:14 [ rai*bo*0215*333 ]
花灯路の楽しみ方、と言っても人それぞれなので何とも言えませんが、毎年若干違った企画があったりするので、その辺りを調べてみると良いかも知れません。個人的には、高台寺や霊山から夜景を眺めるのが好きです。
2006/3/12(日) 午前 10:17
始めまして履歴からきました、花灯路いかれたのですね、昨日は良い天気で、とても綺麗でしたね。
2006/3/12(日) 午後 1:15 [ active20jp ]
こんなに綺麗に撮れたんですね〜。私は失敗でした。人も多すぎて・・。(この写真は人が少ない??) ここに来る前に「安井神社」を通ってきたからかも知れません・・。何回シャッターを押しても不思議な写真ばかり。。 でも、偶然おもしろいの撮れました。夜までにアップします。
2006/3/12(日) 午後 1:33
「花灯路」なんですね。 写真もダメ・・。人多すぎ・・。うーん 。。私には印象が悪かったです。。人の少ないとき・・っていつなんでしょうね。。
2006/3/12(日) 午後 1:34
綺麗ですねぇ 俺も行きたいんですよね
2006/3/12(日) 午後 1:47 [ yunn ]
いい写真ですね。生憎この時期は仕事が忙しく慌しい日々が続くので、花灯路は訪れたことがありません。いつかこの時期の東山を歩いてみたいものです…
2006/3/12(日) 午後 2:02
JUNさん、ありがとうございます。暫くぐずついた天気が続きそうで残念です。昨日は良く晴れて花灯路も一層闇に映えました。
2006/3/12(日) 午後 5:34
はぐさん、私もカメラが安物でぶれるので、夜間の撮影は固定された場所の上にカメラを置いて、2秒間のタイマー撮影をしています。写真は、石垣に置いて撮影しました。手振れ補正のカメラが欲しいのですが……。
2006/3/12(日) 午後 5:36
はぐさん、一昨年より遥かに人が多かったですよ。流石にあれだけ人が多いと抵抗がありますね。初回の時が一番良かったです。休日、晴天、初日、という条件が重なったのも要因かも知れませんが。
2006/3/12(日) 午後 5:37
sakuraivvさん、是非お越し下さい!
2006/3/12(日) 午後 5:37
エルモックさん、そうですね。桜の季節よりは少し早いですし、遠くから観光に来るには難しい時期だと思います。尤も、これを桜の季節にやろうものなら……多分歩けません。只でさえ、円山公園の桜のライトアップに大混雑なので。
2006/3/12(日) 午後 5:38
ランダムからきました〜。花灯路、きれいですね。ワタシは一週早く京都に行ったものですから、夜の花灯路は見れず…(→。←)" でも、機会があれば、ぜひナマで雰囲気を感じ取ってみたいものです。
2006/3/12(日) 午後 6:32
京の幻想的な夜の風景・・・上手に綺麗に撮られていますね。私も、撮ってみますが・・・このような、素敵な写真は、無理ですね。やはり、年々、華やかになっていますね。TBをありがとうございます。私も、させてもらいます。よろしく。。。
2006/3/12(日) 午後 6:52
ネロリさん、先週京都においででしたか。先週くらいだと、逆に観光客が少なくて良かったのでは。これからの季節、市民も困惑する程に混み合います。
2006/3/13(月) 午前 0:36
ほだかさん、ありがとうございます。いつも楽しみに拝読させて頂いています。
2006/3/13(月) 午前 0:36
おぉ〜花灯路だ〜行きたいなぁ〜石畳がなんともいえない情緒がありますね〜
2006/3/21(火) 午前 3:24
短い期間なのが残念です。
2006/3/22(水) 午前 1:30
この時期に京都に行くのはいいかも知れませんね。桜や紅葉の時期よりも人が少なく、ホテルも安いでしょう。それでいてこんなイベントがあるなら……。
2006/4/12(水) 午後 10:48 [ shaka ]
どの時期でも一長一短です。只、桜と紅葉の季節は混み合うので対策が必要ですね。自転車があれば問題ありません。
2006/4/13(木) 午前 2:00