とぼとぼ Tamagoro

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6月9日月曜日朝


「このー、ババーさがれーっ!」
玉梧郎は、そう叫びたかった。

梅雨の晴れ間の快晴は快く、好天を迎えるように、珍しく朝の電車で座っていた。
これまた珍しいことに、終盤に差しかかった読みかけの本に、玉梧郎は没頭していた。
たいてい、ヨダレこそたらさないものの「座れば、寝る」という図式が成立している玉梧郎にとって、全くの椿事といえる。


だが、そんなに世間はやさしいものではなかった。
2人の刑事とヒロインもどきの美女を前にしての浅見光彦が推理の展開をさらけ出しているところだった。
どこかの駅で乗ってきて前に立った女は、玉梧郎にきっちり詰め寄り立ち、ジャケットをヒジに抱え、バッグをゴソゴソとやっている。何をしようと、どこでしようと勝手なことではあるが、文字通り目のまで、しかも玉梧郎と没頭している本との間にジャケットの裾だか袖だかが、前に後ろに、右に左にゆらゆらゆらゆら・・・。活字がそのたびに途切れて読むことができない。いいとこでそんな仕打ちはないだろう。まるで、映画を見ていて、クライマックスシーンで停電になるようなものだ。停電なんて機会はそうはないとしても、DVDならノイズで見られないようなものだ。
そんな動きはいつまでも続きはしないだろうと思っていたが、いつまでも続けていた。
こんなに続くのなら文句のひとつも言いたいものだ。そんな時やっと終わった。


ほっとして、続きを読み始めても、集中力を失ってしまった玉梧郎は、ただただ、その女のプックリと突き出した下腹を見ているだけで呆然としていた。

どうにか気を取り直して読み始めたのだが、これまた女が開いた単行本が玉梧郎の手元に影を作り、うす暗くて読むには不十分。読むに読めず、集中力も切れ、玉梧郎は・・・、寝た・・・。
しばらくすると、今度は別の女が膝にコツコツと女の膝を当ててくる。どうしてそんなに前に出てくるのか。もう1歩さがってくれればいいのに、どうしてそんなにもつめて立つのか、自分も膝が痛いだろうにと思う。


不十分な読書と不十分な睡眠は、事務所に着いてからも尾を引いていた。ストレスというものを知らない玉梧郎ではあるけれども、体の不調は絶頂に達していた。

イカル

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イカル、イカルです。初見初撮りで〜〜す。

濃密に覆いかぶさる葉と葉のほんのわずかな隙間の先の先の高枝に、イカルが来ました。




「怒!」っているわけではありませんが、この大きな嘴は、怒っているようにも見えなくもないですね・・・。あはは。



イカルとは、斑鳩の里に多くいたということから付いたのだという説もあります。

が、そんなことでもないようです。漢字で「斑鳩」とも書きますが、それは誤用で「鵤」が本来のようです。

「鵤」は角のように丈夫な嘴を持つ事に由来しているようです。



しかしまあー、そんなことはどうでもいいのです。

見るにつけ、この嘴、頭蓋骨と一体化しているように思えてないません。ダイカスト製法?

そんなこともともかく・・・。

イカル。イカル。まさか、イカルに出会えるとは思いもしませんでした。

写真でばかり見ていて、どこで会えるのかも検討もつかなかったというか、

実際は検討さえしていなかったイカルが・・・、目の前に・・・。

そしてファインダーの中に納まってくれるとは、うれしくてたまりません。




濃密に覆いかぶさる葉と葉のほんのわずかな隙間の先の先の高枝に、イカルが来たんです。

ラッキーだったんですね。15mも先ながら、葉かぶりもなく、ボクの立っているところからなら、

直線で捉えることができました。少しでもずれた位置にいたら、葉っぱで存在さえ気づかなかったでしょう。

シャッターを押しながら、興奮したのはもちろん、ホントかなって。

はじめは、シメだと思ったくらいです。

森の奥の水場には色々な野鳥が訪れるのだと改めて知りました。

ただ、撮れたのはほんのわずかで、この4枚だけでした。



イカル スズメ目 アトリ科

アジア東北部に限定的に分布し、日本では北海道・本州・九州の各地の山林に生息します。冬になると本州以南に移動。太く黄色い嘴を持ち、全長約23cmは、シメの約18cmに比べかなり大きい。体の色は全体的に灰色、頭部、羽の一部などは紺色。木の実や種、豆の他、虫も食べます。
アトリ科には、アトリをはじめシメ、カワラヒワ、マヒワ、ウソ、ベニマシコ、オオマシコ、ハギマシコ、イスカなどがいます。
コイカルは、頭部が首の辺りまで黒く、全長約18.5cmと小さい。



後日追記:
兵庫県揖保郡太子町には、「斑鳩寺」というお寺があり、番地表示には「鵤」を使用しています。
「1400有余年前の推古天皇の時代、聖徳太子が勝鬘経、法華経などを天皇に講じられ、これに御感あった天皇より播磨国の水田を賜り、太子はこれを仏法興隆のため法隆寺に寄進されました。
※『日本書紀』によると、寄進の時期は推古14年(606年)7月、水田の規模は100町、『聖徳太子伝記』では同じく、太子44歳御時、360町とある。諸文献に諸表記がある。
後の平安時代に、この地は法隆寺の荘園「法隆寺領播磨国鵤荘(いかるがのしょう)」へと発展し、その中心に荘園経営の中核的存在として、政所とともに斑鳩寺が建立されました。
 この創建以後、鵤の地はながく、この地方の太子信仰の中心としても栄え、播磨の国の中における特異な文化興隆地域を形成することになりました。」と、太子町HPにありました。http://www.town.taishi.hyogo.jp/frame.asp?tm=20080611155705

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