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並んで買うのが流行みたいですね。 食べすぎたー。ういっ・・・・
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2008年11月28日
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あーっ、やってしまいましたー。 「今日は寒いから温まって帰ろう」・・・・・ それが良くなかったー。 有楽町のホームに着いたのは、8時。いつもよりもかなり早い時間だった。 しかし、次に来るのは「小手指」行き、その次は「飯能」行き。どちらも西武線乗り入れの電車だった。 東武線の住人にとって、全くもって用のない電車なのだ。「ブラックホールだー」などと独り言をつぶやく。 こういった場合、玉梧郎はいつだって、直通の東武線まで待つのだ。 なのに、時間が早いこともあり、体が暖まっていた強みもあり、すぐに来た「小手先」行きに乗ってしまったのだ。 いつの間にか寝ていたらしい。 気がついたのは、西武線に乗り入れて2つ目の駅「練馬」だった。 「あーっ、やっちまったー」と叫んでも、すでに時遅し。 こうなれば、周囲の人に悟られないように平生を装いながら、何食わぬ顔をして降りていかなければならない。 降りるところまでは、難なく練馬の住人のように(?)降りた。 次の難関は、どうやって改札に向かわず、反対のホームにぬけぬけと進むかだ。 幸いなことに同じようなヤツがいた。 目の前のそいつにつられるように改札口とは違う反対ホームについて行く。 人の後についていくことで、心安らぐ自分の心の小ささを感じながらも、なぜかしらホッとしていた。 しかし、その男、反対ホームに向かうかと思ったら、ゴミ箱に飲み干したペットボトルを捨て、 何食わぬ顔で改札に行ってしまった。 突然身を翻し、フェイントをかけられ、行き先を見失ったミッドフィルダーのように、 玉梧郎は一瞬立ちすくんだ。そして、独りおめおめと人並みとは別の方向に向かうのだった。 なんとか反対ホームに着くことに成功すると、すぐに来た「和光市」行きに乗り込み、 本を開いて周囲の視線から逃れようとした。 誰もその事実を知るよしもないのに、悟られまいとする努力を惜しまないのも玉梧郎なのだ。 バッグを開け、2/3ほどを読んで遂にストーリーの山場を迎える「透明な遺書」を没頭しようとした。 「えー? ない。ない。ない。どこにもない。どうしたのだろう?」 バッグの中から脇のポケット、さらにはバッグの裏側まで探したが、どうしてもない。 ようやく気づいたように、小さな声で「しまったー」。 練馬で降りるとき落として来てしまったらしい。視線を中に泳がせ、やり場のない怒りに震えていた。 雨などあたらないですんだのに、乾ききった傘だけはしっかり握っていた。 駅の書店がまだ開いていたので寄ってみた。 蛍の光が流れるまで探したが、結局「透明な遺書」は見つからなかった。 その代わり、興味のない3冊を手に持ち、蛍の光にせかされ会計を済ませていた。
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