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西洋梨といえば、ラ・フランス。ラ・フランスといえば山形。 その程度の知識しかありませんでした。 むしろ、いままでそれだけの知識があれば十分だったのかもしれません。 しかし、それではすまない現実に出会ってしまいました。 西洋梨をいただいた。 ラ・フランスにしては、ずいぶん香りも高く、黄色く熟している。 充分すぎるほどの“追熟”が進んでいるようだ。 「これはこれは、ありがとうございます。セイヨウナシ、ラ・フランスですね。山形ですか」 「いやいや、新潟だよ」 「新潟でも、ラ・フランス栽培されてるんですか」 「それが、ラ・フランスではないんだよね」 梨形に型抜きされたおしゃれな栞には、「ル・ルクチェ」と名前があった。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 梨にも多くの種類があるようだ。 ナシ(梨)は、バラ科ナシ属の植物、もしくはその果実のこと。 主なものとして、和なし(日本なし)、中国なし、洋なし(西洋なし)の3つがあり、食用として世界中で栽培される。 日本語で単に「梨」と言うと通常はこのうちの和なしを指す。 品種数は非常に多く、ヘドリック著「The Pears of New York」(1921年)では2900品種が紹介されている。 現在では4000品種ほど存在するとみられるが、日本で栽培されているものは、稀少なものも含め20品種程度である。 ■ラ・フランス 生産量のおよそ7割を占めており、日本における洋なしの代表格である。収穫時期は10月上旬〜中旬。1864年にフランスで発見された品種だが、現在ヨーロッパではほとんど栽培されていない。外観は悪いが味と香りが良い。追熟による果皮色の変化が小さく分かりにくい。 ■バートレット 生産量第2位。(ただし2位以下は僅差)8月下旬〜9月初めには収穫され、9月中旬には食べ頃になる早生種。17世紀にイギリスで発見された品種。日本で生産されている品種としてはかなり縦長の形状である。 ■ル・レクチェ 生産量第3位。1882年、フランスでバートレットとフォーチュニーを掛け合わせて作られた品種。甘く、香りも強い。また、果皮に「さび」が少なく外観が美しいのも特長。大半が新潟県で生産され、中でも新潟市南区で最も収穫量が多い。追熟におよそ40日間かかるため、10月中旬〜下旬頃に収穫したあと、市場に出回るのは11月下旬以降となる。傷む直前が最もおいしくなるため、常温の室内に置き香りを楽しみつつ食べ頃を見計らう。 ■シルバーベル 収穫時期は遅めの10月下旬頃。1957年に山形県園芸試験場で選抜された、ラ・フランスの自然交雑実生。ラ・フランスよりやや細長い形状で、若干酸味が強い。 ■ゼネラル・レクラーク フランスで発見された、ドワイエネ・デュ・コミスの自然交雑種。果皮のさびが若干多いが、果汁が多く、甘味・酸味ともに濃厚である。主な生産地として青森県南部町が挙げられる。 ■オーロラ 9月初めには収穫され、食べ頃になる早生種である。米・ニューヨーク州農業試験場が、マルゲリット・マルーラと、バートレットを交配して作り出した品種。命名は1964年。表面の大部分が褐色のさびに覆われている。 ■マルゲリット・マリーラ 9月初めには収穫され、食べ頃になる早生種である。1874年にフランスで発見された品種で、名前は発見者から。500g以上となる大型の品種であり、1kg近くになることもある。酸味が少なく、果汁が多い。 ■ドワイエネ・デュ・コミス ヨーロッパにおいて高級品種とされている。品質は良いが栽培が難しいため、日本でも生産量は非常に少ない。それゆえに、「幻の西洋梨」とも呼ばれる。 ナシの語源には諸説があるが、江戸時代の学者新井白石は中心部ほど酸味が強いことから「中酸(なす)」が転じたものと述べている。 他には以下のような説がある。 果肉が白いことから「中白(なかしろ)」あるいは「色なし」 風があると実らないため「風なし」 「甘し(あまし)」 「性白実(ねしろみ)」 また、ナシという名前は「無し」に通じることからこれを忌んで、家の庭に植えることを避けたり、「ありのみ(有りの実)」という反対の意味を持たせた呼称が用いられることがある(忌み言葉)。しかし、逆に「無し」という意味を用いて、盗難に遭わぬよう家の建材にナシを用いて「何も無し」、鬼門の方角にナシを植えることで「鬼門無し」などと、縁起の良い利用法も存在する。 手紙を出しても返事のないことを「梨の礫(つぶて)」という。「梨」に「無し」を掛けた言葉である。したがって、「無しの礫」は意味の上では合っているのだが、誤用である。
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2008年12月21日
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