とぼとぼ Tamagoro

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体をねじって葉っぱに擬態したつもりだろうが、えへへ、見えてるよー




初冬、早朝の森の小道には人影なく、

まだ東の空に低い陽の光も届かない。

枯れ葉の積み敷きる冷たい土の香りが、

わずかな空気の動きに乗って届いてきた。

カサコソ、カソコソ。カサッ、コソッ。

淋しげな冬の音のように森に響いていた。



振り返っても、音だけがするが何もいない。

何もいないが、微かな音だけが聞こえてくる。

凝視しても、薄暗がりの小道は静かに動かない。

でも、そこに、葉隠れの中に、ビンズイがいた。

ビンズイさん、みーっけっ!













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みっかっちゃったー!!
「透明な遺書」→http://blogs.yahoo.co.jp/tamada20060320/46929868.html

やっと見つけました「透明な遺書」。

そろそろ山場の後半過ぎまで、気を持たされながら読んでいたのに、

どこかで失くしてしまった読みかけの本でした。




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続きが気になって気になって、書店を見つけるたびに覗いていたものの、

なぜかどこにもなかった。

ないのなら、遺失物センターに行けばよいのだが、

文庫本1冊が届いているものだろうか。しかも、どこぞの行ったこともないような見知らぬ駅まで、

お金をかけて引き取りに行くのも面倒でたまらないと思っていた。

しょせん文庫本1冊。また買えばいい。それほどするわけもない。

そう思いながら、10日以上もたっていた。




それが、行きつけの本屋さんにあったとは・・・。とほほ。。。

棚のなかに書名を見つけるや、やっと見つけたという喜びが先導していた。

すかさず手に取り会計に向かった。

しかし、文庫本も、思いのほか高価なものだ。

レジの係員から、「775円です」といわれてハッとした。

さっき食べたばかりの「まるちゃんのランチ1番(ひとくちヒレカツ)750円」より高いではないかー。

引き取りにいったほうが、安かったのかな・・・? ちょっと後悔した。

☆☆☆


どこまで読んだか、早速歩きながら開いてみる。

どのあたりだろうか、この辺かっ。こういう時って、意外とすぐには見つけられないものだ。

数行読んでは、ここは読んだ。また数行読んでは、ここも読んだ。

何気なく、しおりの入っていたページを開くと・・・・。

ま〜、なんということでしょうー。まさに、”ここからだよ”といわんばかりに、ドンピシャッ!

まるで、この本が教えたくれたようだった。

この本・・・ボクが失くした本? ってことはないだろうけど・・・。

まさか、虎ノ門書房がそんなことする訳ない。




しかしまー、書店を見つけては立ち寄って、立ち寄っては何かしら買って、

すでに4000円くらいは遣っている。

その中には、当然ながら浅見光彦がいるわけで、新しいのを読み出したところで、

しかも、週刊文春の連載も読んでいて、いったい浅見光彦がどこにいるのか、

何がどうなっているのかー、あ〜、ぐちゃぐちゃだー。



ふむ、不思議!

連載の中で、浅見は淡路島に行ったのではなかったかなあ?

そっかー、鯨の哭く海では、そうか大地町。

透明な遺書では、喜多方かー。

あはは。。。書いていたら何だなんだ、整理が付いたみたいだ・・・・、あはは。。。。

明日は週刊文春の発売日だー。350円あったかなー。





☆☆☆


「775円です」

「えっ。それ、ボクが先週電車の中で失くした本なのですが」

「は?」

「2/3は読んでるんです。1/3の値段とはいいませんが、せめて500円になりませんか」

「は?」

「先週、読んでいたのですよ。それが、電車の中でなくしてしまったのですよ」

「はーーーーぁ?」

「775円って、文庫本にしては高くないですか。読みかけなので少し安くしてくれませんか」

「はーーーーーーーーーーぁ?」

「だからいいですか、よく聞いてくださいね。先週の木曜のことです。その日は寒い日でした。

事務所にいてもあまり寒いので、帰りがけにちょっと体を温めてから帰ろうとしたのです。

ちょうどその日は、お店のオヤジさんがふぐを出してくれたんです。で、当然ながら、お酒は、

ひれ酒になる訳ですよ。ひれ酒って、知ってますー? お燗したお酒の茶碗にふたをして、

アルコールを溜めるんです。たまったところで、ふたをおもむろに取り、そして、お酒に浮いた

ひれに火を付けるんです。すると、溜まったアルコールに火がついて、青白くゆったりと燃えるんですよ。

それもですね。箸でゆっくりゆっくり混ぜながら、中にあるアルコール分も燃やすのですよ。

それがですね。幻想的で、いい色なんですよー。ゆっくりゆっくり、こうやって箸で中からアルコールを

呼び出すように。その箸のグルグル回るのを見ているだけで、目が回りそうで、いえいえ、飲みすぎ?

そんなことはありませんよ。その段階で、継ぎ酒は2回しかしてませんから。でもねー、

アルコールをそんな風に飛ばしていますからね、アルコールは抜けていて、いくら飲んだって、

そう、酔いはしません。で、でね。いやいや、話が長くなりすみません。それから、電車に揺られて

帰ったのですよ。いえ、まだ早い時間でしたから、乗り越しても戻りの電車はありましたよ。

まー、聞いてください。それでね、戻りの電車で戻ったのはいいのですが、ないのですよ。

読みかけの本、それが、その本なのですよ。あと、1/3くらいのところで、いいところなんですよ。

知っていると思いますけど、内田康夫の本って、そのころになると、ぐいぐいと読者を引き込んでくるんです。

あはは、そこまで行かないと引き込まないのかってー、そんなところもあるかもしれませんね。

あなたも読みます? そうですか、読まないのですか。それは残念ですね。それでね・・・・」

「分りました分りました。もう2/3を読んでいるんですね。」

「そー、そうなのですよ」

「それはそれは、775円です」

「お昼代、750円でしたけど」

「はい、よく分かりました775円です」

「やっぱり」

「はい、やっぱり775円です」

「そうですかー」

「775円です。はい、お次の方ー・・・・」

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