|
このごろ物憂げなのは三之助様だったりします。 表情に屈託があるというのか、あるいは表情に憂いがあるというのか。 仕事に行き詰っているのですか。と聞くと、そうではないらしい。 どうも赤い鳥に会いたい会いたいと、心定まらないようなのです。 三之助様がそんな風だから、写真の中のカワセミさんも どこか物憂げな表情をしているのでした。
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用
こんにちは、ゲストさん
[ リスト | 詳細 ]
全1ページ
[1]
|
このごろ物憂げなのは三之助様だったりします。 表情に屈託があるというのか、あるいは表情に憂いがあるというのか。 仕事に行き詰っているのですか。と聞くと、そうではないらしい。 どうも赤い鳥に会いたい会いたいと、心定まらないようなのです。 三之助様がそんな風だから、写真の中のカワセミさんも どこか物憂げな表情をしているのでした。
|
|
電車を降りても、珍しくボクは文庫本に没頭していた。 こんなことは珍しい。大体は眠りこけて本を床に落としたり、挙句の果ては失くしたりが いつものことなのに、今夜は電車を降り階段を下りながらもまだ読んでいる。 駅の明かりが残る最後のところでまで、しばらく立ち止まってまで読んでいた。 途切れのいいところで、本を閉じ目を上げると、昭和50年ごろのボクの育った田舎の駅前の風景だった。 ボクの目の前を作業着姿の親父が前を歩いていた。 駅前なのに客のいることのなさそうな田舎旅館と、暇そうに人気のないタクシー会社のさびしげな街灯の前で、 その風景にしっとり溶け込むように、親父は立ち止まり、しんせいに火をともし道端に唾を吐いた。 「何だ、おとうさん。汚いよ。そんなところにツバなんかはいて」 「タバコだって、歩きタバコはダメだよ」 あっ、そういった瞬間、親父の姿が自分に変わっていた。 親父は、一等兵として満州に出兵し、2年で終戦を向かえ帰還した。 それからは、一生を家業の材木商を手伝って、2年前の暮れに次世へ旅たった。 いったいなぜ親父が今、ボクの前にいたのか分からない。 しかも昭和のあの時代だったのか分からない。思い出深いあの田舎駅は、実家を離れたからは 行ったことがないがどう変わっているのかもしらない。 薄暗闇の夜道を家まで行く足音が、コツコツ、コツコツ20数年の時を刻んでいるように感じた。 足音とともに徐々に我に返って行く自分がいた。コンビニの蛍光灯がまぶしいほどに足元を照らしていた。
|
全1ページ
[1]
[PR]お得情報