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かすかな精霊たちの息使いを耳にしながら、ボクは向かいの谷までの数百メートルはあると思われる 厚い空間のに、定まらない視点を宙に浮かしていたのです。 その間にも数十羽のマヒワの群れは、視界の隅に、あるいは視界の真ん中を飛び去って行きました。 アカウソは、わりあい手前の空間にいつもいて、芽吹いたばかりの桜の新芽をついばんでいたでした。 だから、いつも口元には、幾重にも春を待つ桜の花びらの小さな芽が、桜色に輝いていました。 実は、空気の厚みをこれほどまでに感じたことはなかったのです。何とかこの思いを誰かに伝えたい。 山から山の間なのか、谷と谷の間なのか、この雄大な自然を言葉にできる表現力は、 残念ながらボクにはありません。 さらに残念なことに、この今、感じている自然を写真に収めることもボクにはできないのです。 せめても思いを、アカウソの写真に込めて記録として残すのか、いっぱいいっぱいです。 もう一度、ここに立つ機会があったなら、もう少し違った視点でこの自然と向き合いたいと思いながら 帰路のロングドライブのコースを頭に描いていました。 また来るぞー。絶対来るぞー。待ってろよー。山々の精霊たち。 そのときはよろしく。振り向きざまにハンドルを切りながら、心の中で叫んでいました。 |

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