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少しは逃げてよ〜。
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---(ウソ)
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ウソばっかり〜って、そりゃそうでしょ。 ウソの書庫なのですから・・・・。 今年は、たくさんのウソと出会うことができました。 桜のつぼみもまだありますから、もう少し逢えるのかも知れません。 しかし、逢えれば逢えるほど、桜の開花が心配になるということもあるわけで、 で、このお山の桜はどうなっているのか気にならないわけはありません。 しっかりお腹いっぱいにして、北に向かう準備を、と想う反面、 ウソさん、ほどほどにといいたいところでもありまして〜。
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アカウソです。 サクラの蕾を啄ばんでいます。 晴れ渡る快晴の空。 流れ行く風も、春の柔らかな日差しも、心なしか心を弾ませてくれるようです。 そんな陽気に誘われて、ウソも活発に動き出しました。 村人たちは、 「私たちには鳥のこと分からないですけど、ウソが多いと、サクラが咲いてくれるか心配なんですよ」
と。 |

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「ウソだー」 「うそだー」 「ほんとだよ。ウソだよー」 「ほんとだあ。ウソだわー」 「うそうそ、ウソじゃないよ。アカウソだよー」 「ほんとだあ、真っ赤なウソだー」 真剣にこんな会話をしていたから、笑っちゃいます。 うそではありません、本当のアカウソの話です。 でも、このお山は、アカウソばっかりでした。 ウソのようにお腹のグレーのもいるようでしたが、それはまだ赤みを帯びていないアカウソのようであり、 ウソかアカウソかの判断がどうしても付きませんでした。 綺麗なウソですが、あんまり多いと桜が咲かなくなるって、地元の方は言っていました。 あんまり食べ過ぎるなよ。アカウソたち。 ここまで赤いとベニバラウソのような気もするけど、どうなのかなあ。
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かすかな精霊たちの息使いを耳にしながら、ボクは向かいの谷までの数百メートルはあると思われる 厚い空間のに、定まらない視点を宙に浮かしていたのです。 その間にも数十羽のマヒワの群れは、視界の隅に、あるいは視界の真ん中を飛び去って行きました。 アカウソは、わりあい手前の空間にいつもいて、芽吹いたばかりの桜の新芽をついばんでいたでした。 だから、いつも口元には、幾重にも春を待つ桜の花びらの小さな芽が、桜色に輝いていました。 実は、空気の厚みをこれほどまでに感じたことはなかったのです。何とかこの思いを誰かに伝えたい。 山から山の間なのか、谷と谷の間なのか、この雄大な自然を言葉にできる表現力は、 残念ながらボクにはありません。 さらに残念なことに、この今、感じている自然を写真に収めることもボクにはできないのです。 せめても思いを、アカウソの写真に込めて記録として残すのか、いっぱいいっぱいです。 もう一度、ここに立つ機会があったなら、もう少し違った視点でこの自然と向き合いたいと思いながら 帰路のロングドライブのコースを頭に描いていました。 また来るぞー。絶対来るぞー。待ってろよー。山々の精霊たち。 そのときはよろしく。振り向きざまにハンドルを切りながら、心の中で叫んでいました。 |

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