Tamakinekoのわがままいっぱい

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茶寮宗園(仙台/秋保温泉)★★★★バブルの香り漂う宿だが内容的には悪くない

 秋保温泉は仙台から特急バスで30分ほどのところにあり、千年以上前から続いているという由緒正しき湯治場。大箱もいくつかあるのですが、目を付けたのはお料理の評価が高い茶寮宗園。雑誌などの写真を見ると、お料理も美味しそうだし、ゆったりした造りはホスピタリティ溢れる宿かな、と思って予約。

 昔から好きな宿はこぢんまりしたゆっくりできるところで(すでに営業をやめてしまいましたが)箱根湯本の「恵比寿旅館」がお気に入りでした。どんなに評判が良くても大箱に泊まる気がしないのは、恵比寿屋さんで受けた心づくしの思い出が強いからかもしれません。茶寮宗園も16室(これは実は見違えていて、実は本館16室、離れ10室の計26室でした)というサイズで、これなら、と思ったのですが・・・・

 バスを「薬師下」で降りると、目の前に「ずどーん」と立派な塀が目に飛び込んできます。ちらっと覗くと、どうも駐車場の入り口ですがここがお目当ての旅館らしい。近くで働いていた法被を着たおじさんが「あちらに入り口がございます」と塀の遥か先を指差しました。荷物を持ってトコトコと歩くと「どどーん」と登場したのが巨大な入り口。自動車用の入り口の大きさに比べて小さな歩行者用の通路が、「バスなんかで来るやつはいらんわい!」と言わんばかりの威圧感を与えてくれます。

(写真1枚目)茶寮宗園の入り口

「こ、これはしくじったか・・・」

と、思わず後ずさりしそうな二人。ええい、こちとら客だぃ、と覚悟を決めて門をくぐると、先ほどと同じ法被を着た男性が入り口からすっとんできました。

「いらっしゃいませ。お名前をちょうだいできますでしょうか」

 名前を名乗ると、バスで来た庶民なんか相手にしたくない、というそぶりはまったく見せずに(当たり前だ/笑)丁寧に案内してくれました。ゴージャスな入り口を入ってロビーに案内されてまた絶句。客室が50室はある旅館かと思わせる広いロビーにゆったりと配置されたソファ。その奥にはさらにラウンジがあり、グランドピアノが置かれています。ロビーから見える大きな池には、「総額いくらなんだろう・・・」と思わせるに十分な鯉の大群、そして大きなガラスの内側にはお約束の「超特大」胡蝶蘭・・・・

 チェックイン時間より前に到着してしまったのですが、ほどなくして客室に案内されました。ながーーーーーーーい廊下を歩くと、総ガラスのゆったりした通路から広大な中庭や池に目を奪われます。部屋に入って立派な床の間と中庭を見て・・・・

(写真2枚目)ながーーーーい廊下

「うーーーん、昭和バブルだ・・・・」

 この建物ができたのはバブルが弾けた17年前だそうで、まさに「バブルの発想」なのですね。贅を尽くした建物とお庭は、「維持費だけでどれだけかかるのだろう・・」と余計な心配をしてしまいます。というより、こういうところにお金をかけすぎているのは、銀座のど真ん中に自社ビルを建てちゃうお店と同じで内容が伴わないことが多いのです。「失敗か・・・」といやーんな感じが漂い始めます。

 部屋はそれほど広くありませんが、中庭が素晴らしい。そして、三面鏡が置かれた小さな小部屋!!女性がお化粧をするところを殿方に見せてはいけない、という奥ゆかしい配慮が・・・ええ、ええ、どうせ我が家は狭くて、LDで毎朝連れ合いがお化粧をしてますとも(涙)

 全体的に「男尊女卑」の匂いはあちこちに漂っています。女性客にターゲットを絞った高級旅館が増えている中で、絶滅危惧種の旅館かもしれません。お風呂も「男女交代制」ではありませんし、アメニティの中に男性用の化粧品類(ローション、ヘアリキッドなど)はありますが、女性用のそれはありません。「お金持ちの男性が最大のターゲット」であるのは間違いないでしょうね。

 サービスはもちろん「この値段」ですか、実にきちんとしています。近場ならどこでも送り迎えを頼めますし、間違ってスリッパのままで入り口の畳のところに登ってしまっても「お客様、そこは・・」などという野暮なことは言われません(ごめんなさい、うっかりしました)。「お客様は神様です」という姿勢は徹底していて、グランメゾンのようです。靴も預けてある間にきちんと磨かれています。夕食の相談をしていて日本酒に不満があった(本醸造と吟醸酒しかない)時も、「持ち込み料を払ってもいいから買ってくる」と言ったら「どうぞ。かまいません」と言って酒屋さんまで教えていただきました(笑)。結局、散歩に出たついでに美味しい純米酒(「一の蔵」のノーラベルの原酒)をゲット。

(写真3枚目)部屋から中庭を見る

 食事まではまだ十分に時間があるので、お茶菓子をいただいてから近くを散歩することにしました。お茶菓子もお抹茶もとても美味しい。

「お散歩」は私たちの旅行の必須アイテム。のんびり歩くのが大好きです。「磊々峡(秋保温泉街の中心を流れる渓谷)を歩かれるのがお勧めです」とのことでしたので、渓谷の入り口まで送っていただいて650mほどの遊歩道を歩きました。この遊歩道は大ヒット。自然の力の不思議さを思い知らされる磊々峡の凄いパノラマです。不思議な形をした岩がたくさんあり、水辺まで降りてみたかったのですが、渓谷がとても深いので川まで下ることができないのは残念でした。

(写真4、5、6枚目)渓谷の眺め
(写真7枚目)何故か巨大なカエルさん

 宿に帰ってお風呂に。温泉はとても広いメインのお風呂と露天風呂。全体的に開放的ではありませんが、ゆったりと入れる雰囲気です。平日でお客さんが少なかったこともあるのでしょう、お風呂は2日ともほとんど「貸し切り」状態でした。鉱物イオンが強いのでしょうか、口に含むとかなり強い塩分を感じますが、粘りを感じる湯質ではありません。

 部屋に戻ると夕食のお時間。果たしてどんなものがでてくるか・・・置かれたメニューは

夕食の献立

先付:毛蟹と菊、オクラ、生姜酢
蓋向:いちぢく田楽 胡麻豆腐
膳菜:海の幸 山の幸 色々
土瓶:松茸土瓶蒸し
造り:鮮魚いろいろ あしらい一式
焼もの:牛肉ときのこ バターホイル焼き
蒸し物:甘鯛蕪蒸し
強肴:黒蚫柔らか焼
飯汁:キノコ汁(仙台芋煮)、香の物
水菓子

 この献立を見て「やばい」と感じた方は和食に慣れてます(苦笑)。ほとんど「予想された顔ぶれ」なんですね。高級とされる食材のオンパレード。このようなメニューだと、「こういう料理を出せば安心」という「素材は一流、料理はうーん」てなことが多いのです。しかも2泊・・ここでこれだけ食材を使い尽くすと明日はどうなるのだろう・・・と別の不安もよぎります。

 ところが・・・結果的には予想は良い方に外れました。たしかに「ありきたり」の料理なのですが、きちんと作られています。意外な発見はありませんが、これならゆっくりすごす休暇の食事としては合格。それにしても・・・量が多いですね(笑)。ターゲットは明らかに男性で、とにかく「満足させちゃらんかい」という感じです。

 先付けは、たっぷりの毛ガニに叩いたオクラ、菊の花をまぶし、さらに蟹味噌とショウガが乗せられた酢の物。蟹も立派なものでしたが、蟹味噌とショウガを混ぜて食べると「あー、日本人に生まれて良かった」と思える味になります。

 いちじく田楽は、ごま豆腐にいちじくを煮たものにさらに味噌がかけられています。これもよくあるお料理ですが、味噌が立ちすぎることもなく美味しい。

「膳菜」には、3つのお皿が登場しました。

1:菊の花をあしらったお寿司(糸づくりのイカを菊の花に模したもの)、大根と人参のなます、卯の花和え、みずの身の和え物)
2:子持ち鮎、サーモンロール、ヤマトイモと紫芋、粟麩
3:フォアグラ、蝦、オリーブ、オクラなどをゼリー寄せにして柑橘系の皮に詰めてゼリーにしたもの

 菊の花をあしらったお寿司は、とても手が込んでいるのに美味しく仕上っています。特にイカはいじくりすぎると食感が大きく損なわれるのですが、そんなこともありません。何となく食べるのがもったいないくらいきれい。「みず」は季節ものですね。松庵でも出てきました。子持ちの鮎はどこのでしょうか、パンパンに卵が詰ったものです。比較的上品に煮てあって食べやすい。サーモン、粟麩は「こんなもの」という感じですが、芋はとっても「甘く」て珍しい。

 夏向きかと思われる「ゼリー寄せ」は、かなり冒険した一皿だと思われます。グレープフルーツの中をくりぬいてフォアグラなどを詰めてゼリー寄せにして、出来上がってから1人サイズに切り分けたものですが、柑橘系独特の「苦み」がかなり強いのです。料理のアクセントとしては良いと思いますが、この苦みが苦手な人も少なくないでしょう。というか、中にフォアグラや海老を入れる必然性が・・・・わかりません(苦笑)。

 土瓶蒸しは、松茸、スズキ、かしわ、銀杏、糸三つ葉などが入った「ゴージャス版」。魚がスズキというところが意外。さすがに松茸はかなり美味しいものでしたが、魚は昨日の千松しまの「アカガラ」の方が美味しかった(下塩の加減も千松しまの勝ち)。私はもっとすっきりした方が好きです。

 お造りが、これまた「お決まり、ゴージャス」です。大間のマグロ、平目の納豆巻き、ホッキ貝、鯛の松皮作り、うに、というラインナップ。マグロが昨日の「ひがしもの」とは違ってとても美味しい。やはり・・・本マグロは美味しいですね。鯛がこの時期なのでどんなかなぁ・・・と思ったのですが、比較的良いものでした。

 料理はありきたりですが、焼き物の牛肉も良いものでした。添えられたキノコも美味しい。蕪蒸しも蚫も同様に美味しいものです。

 こういう料理を食べたのはとても久しぶりのような気がします。この手の高級旅館では「創作」的な面白さは全くありませんが、こうした「おきまりの高級食材を使った料理」が期待されるのでしょう。部屋数の少ない旅館ばかり泊まっていたので、「高級だが没個性的」な料理はかえって新鮮でした。

 朝食も「高級旅館でとってもありそうな」盛りだくさんの和食です。サケ(これはあまり美味しくありませんでした)の焼き物、野菜の炊き合わせ、湯葉刺し、イカの糸造り、お浸しなどの野菜と湯豆腐です。湯豆腐はお風呂のような木製の入れ物で運ばれてきた豆乳仕立て。全体的に野菜の量が多く、我々にはうれしい誤算でした。

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泰山訪問にあたり、参考にさせていただきました。今回、料理が料理はおいしかったです。若干、豪華食材のオンパレードが私には食傷気味でもあったのですが、全体感考えればとてもよかったと思います。

2010/12/5(日) 午後 5:47 [ admin ]

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はじめまして。あちこち行かれてすごいですね。
茶寮宗園は、私にはちと高いかと思いました(笑)
食い道楽なんで、もう少し食べ物本位で選びたいかも・・・

2010/12/9(木) 午前 7:28 [ tam*k*ny*nko ]


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