ヒト・自然・history

無駄に年を重ねて、とぼとぼと

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北武断層 野比4丁目野比東公園
 横須賀市野比4丁目地区には西に向かって北武断層が走っている。北武断層は三浦半島において最も右ずれが明瞭な活断層で、Kaneko(1969)により命名され、谷や尾根の横ずれなど明瞭な断層地形が記載されている(安藤,1972;太田ほか,1982;太田・山下,1992)。ここ、野比4丁目でも、右横ずれに伴う谷の屈曲とこれに伴う谷底形の変化や河川争奪が明瞭であったそうであるが、今は断層南側がすっかり掘削されるなどの開発行為によりその面影は見られない。開発前の地形図を見ると、相対的に断層の北側は急斜面、南側は緩斜面で、南側は地すべり性の斜面と思われる。
写真の4階建ての建物の位置する谷が西に屈曲し、屈曲部の肘部が急崖となり、東側にある谷が谷頭侵食し、建物のある谷を争奪、西側の谷は無能河川となった(図のI婉)。

土地利用
 横須賀市では、活断層の存在する地域で大規模開発事業が行われる場合、開発事業者に対して計画段階で活断層に関する情報を提供し、活断層上への建築物の建築を避けるように指導しているそうである。このような指導という形をとるのは、現在の日本には活断層上の建築・土地利用を規制する法律がないためである。野比4丁目地区でも、住宅開発事業者は市の指導を受け自主的に活断層上には建築物を建築しないこととし、活断層から両側25m(幅50m)をその範囲とした。その部分が現在の野比東公園である。
 衣笠断層から北武断層までの間には、褶曲構造に伴う破砕帯と地すべり帯が分布しており、断層から両側25mだけを無建築とするだけでよいかは大いに疑問が残るが、指導という形式上これ以上は望めないということだろうか。

情報公開
 巡検中に、公園にいた付近住民の方から「断層の観察ですか」と声をかけられた。なんといっても、暑い夏の日中に40名を越す人が突然出現したのであるから、当然目立つわけであるが、住民の方々はここに活断層があることを理解されているようである。三浦半島には北西〜南東方向にほぼ平行する活断層があり、北から衣笠断層、北武断層、武山断層、南下浦断層、引橋断層と呼ばれているが、そのうち3本(衣笠断層、北武断層、武山断層)が横須賀市域を走っている。横須賀市では阪神・淡路大震災の発生以前から活断層を解説した市民向けパンフレットを作成し、配布を行い、さらに、平成12年には神奈川県と横須賀市による市域3活断層の調査結果をまとめたパンフレット及び活断層分布図を作成、有償で販売されているという(巡検参加者からは、無償配布すべきとの意見があった。)。
 また、横須賀三浦地域県政総合センターのホームページhttp://www.pref.kanagawa.jp/osirase/yokosanac/kikakukenmin/anzenbousai/katudan.htmで神奈川県の活断層(横須賀三浦地域)が紹介され、活断層マップや解説及び活断層調査報告書がダウンロードできる。この他、横須賀人文・自然博物館の常設展示には「三浦半島の活断層調査」があり、神奈川県と(財)かながわ学術研究交流財団によって設置された「三浦半島まるごと博物館連絡会」では、今年の6月25日に三浦半島エコミュージアムツアーとして、南下浦断層の観察会を横須賀三浦地域県政総合センターとの共催(協力;三浦半島活断層調査会、三浦市教育委員会)で行なっている。都合の良い自然との共生ばかりでなく、地震や活断層といった自然災害との共生も、日本という国に住む以上必要である。

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