古きを訪ねて新しきを知る。
バイクに関しては古きを訪ねてばかりなので新しきも知る必要があるとの思いで2009 トライアンフタイガー1050に乗っていました。
過去形ですね。
先の記事にもあるように年の瀬に今年三台目のドナドナを果たしました。
なんだかいろいろあってバイクの事も面倒くさくなってしまって、いっそすべての
バイクを処分することも考えましたが適価での売却を考えると現実はそうそう簡単ではない。
結局ゆとりができた物置に眠っているバイク達に一日付き合って、しばらくの間シーンとする中で見つめていたら、”お前はまだまだ何にもわかっていない半端者だ
ろ”と言っている気がしてきて、なんだか前に進むために後ろから蹴っ飛ばしてくれた感じがしました。
また蕪の会で皆さんのバカ話の中から心底バイクを愛しているんだとも感じて、改めてなんだかやる気が出てきて、いつもながらバイクやバイク仲間に救われていますね
。
そうなるとガバナーが効かない悪い虫が出てきて、あれやこれや考え出します。
最近は旧車の中でこのエンジンは突っ込んで調べてみたいと思うものが少なくなってきて、自分の成長ではあるものの知識欲を満たす事が出来ないジレンマに落ち入っています。
なんだか不惑が鈍った一つの理由でしょうか。
仕方なく少し視野を広げ、現行エンジンを見回した結果、おもちゃを見つけたよう
にドカティの二気筒に興味が湧いてきました。
先に挙げた記事にも書いたのですが、自分の弱点もきちんと知らしめる姿勢は今ま
で好きではなかったドカの企業風土の変化を感じるし、結果GPなどの好成績と無関
係とは思えません。
https://blogs.yahoo.co.jp/tamimed/36745382.html
本来大排気量でもV型二気筒エンジンの高出力を狙った低クランクマス仕様エンジ
ンはお世辞にも上品とは言えない低速のパルス感(鼓動感ではない)とゼロスロッ
トルトルクが脆弱でノッキングやギクシャク感が酷く、全くの対象外でした。
なぜかと言うと発進時に使う領域の低速トルクが脆弱だとバイク本来の楽しさが半
減すると思っているからです。
だから馬力を出すために高回転寄りのセットがされている古い四気筒も対象外です
。
大事な燃焼圧を平均軸トルクに伝達することが出来なくて自身の角速度変動に消費
してしまう。
同じ二気筒でもマスを増やしているモトグッチは対照的で燃焼エネルギーをフライ
ホイールに蓄えて低速トルクの補助としてバイクに必要な特性を確保している。
もちろんバイクの使い方は人其々でマスの軽さからくる吹け上がりの軽さを何より
も重要と感じる人はそれで良く、街中も含めた使い良さには目を瞑れば良い。
近年排ガス対策のごまかしの為に排気量が全体的に増える傾向にあり、結果的に低
速トルクの増強が図れている傾向はあけれど、高回転時の軸トルク確保のためには
本質的解決は望めない。
そこで注目したのはテスタストレッタDVTエンジンです。
本来最高出力を狙えばある程度のバルブオーバーラップを確保しなければならず、
そのままの仕様で低速トルクを出すセットにすれば排ガス、主にCOやHCがめちゃく
ちゃに排出されて現代の厳しいユーロⅣ排ガス規制には入らない。
その為低速側を犠牲にしてきたドカのキャリブレーションである。
ムルチストラーダの様なバイクとレース場でのパフォーマンスを狙うバイクが同じ
吸気マネージメントすることに無理があり、考えたドカのエンジニアは自分のエン
ジンが持つメリットを最大限活かして、古くて新しい技術である可変バルブタイミング機構を取り入れた。
現時点では他のメーカーのエンジンにシンプル構造で入れ込むのは難しいでしょう。
というかこれほどピストンスピード領域を広くする必要が無く、ガス対策では最高
回転を下げてトルクを増すのが一般的なエンジニアの方向性で、DVTの必要性がな
いと思う。
目くらましの高出力のカタログ馬力に食いつくユーザー向けと考えると癪に障るが
、面白さを無視して回転を下げてお茶を濁すエンジニアもどうかと思う。
果たしてエンジン回転変化に伴うオーバーラップの最適値が供給されるエンジンは
Nox排出よりでセットした上で触媒効率を上げることで高出力を維持したまま低速
トルクや燃費を確保しているはずである。
極低速トルクは構造的に3気筒には敵わないはずで、白虎の2000rpm以下の
トルクは10kg−mが確保されているが、そこまでは行かずとも一気筒無い分で
3割減程度で収まっているなら御の字ではないかと思う。
低速時のトルク表示は伝統的にしないドカは相変わらず最高トルクの表示しかしな
いので試してみるしかありません。
インプレを鵜呑みにするほどの〇〇で無し。
皆さんはムルチストラーダのDVT仕様のトルク曲線を見ても何とも思わないと思い
ますが、自分にとっては大事なものが詰まっていて興味津々。
DVTの使い方によっては更にメリットを引き出せる可能性があり、ハードの対応力
が課題だと思うがドカでなければ出来ない部分が有るので更に突き進んでほしいも
のです。
興味と言えばもう一つ。
ドカが謳っているスカイフックサスペンション。DSSの実態。
サスの勉強の巻でも書きましたが、バイクの発条上の重量とのバランスから考える
と、通常走る範囲の路面からの入力すべてに対応するのは構造的に無理な機構だと
思う。
何とかチューンとかに出したとかあるけど、結局フリクションを少なくするしかやりようがなく、せいぜい走る環境に合わせた発条レートを選択してお茶を濁す
しかない。
ダンパーはただの抵抗で、要求される領域すべてになど賄えるわけがない。大体速度
依存の抵抗体をどうして周波数が異なる領域に合わせられるのか。
オイルの粘度を変えたらどうのこうのと言っても影響範囲は微々たるものなのは設
計者は良くわかっているはず。
調べた発条レートなどから見ると、どの速度域でも2Hz以下の領域になると制御は
からきしだし、冬と夏では特性変化が大きくて季節ごとに特性を合わせなければい
けない厄介なものでしかないと思う。
コンベンショナルサスの応答性(安全性)に過信は禁物。
自分の自家用車のサスはエアサスでハイトも調整できるセミアクティブサスを選ん
だ。
きついコーナーでもロールすることなく、比較的広範囲の対応がなされていて疲労
感が無い大きな理由と思っている。
気になるところは路面のつなぎ部などの周波数が高い時の追随性はタイヤマスの大
きさからは限界があり、また先にも書いた2Hz 以下の領域の制御性は十分ではない。
ただ発条上のマスが大きい分は制御性には有利であり、必要性から乗用車のセミア
クティブサスは普及しているのだと思う。
ドカのスカイフックサスペンションと言う名称の使用には違和感があります。
サスに加速度ピックアップを付けて振動測定結果から変位と周波数に変換してボッ
シュのCPUで姿勢制御のためのダンピング特性を瞬時に変化させているのだとは思
うが本来なら発条レートまで変化させられなければ低周波数制御をもカバーしたスカイフックサスペンションとは程遠い制御のはずです。
プリロードの変化は4つの走行モードの変更時に変化させられるが、プリロードは
あくまでダンパーの作動領域の変化であって、この制御には関連しないものである
。
とはいっても瞬時にダンピングだけでも変化させられる応答性を持つのは画期的で
サス制御特性の許容値が大幅に広がる結果になるのは事実。
BMWでも採用されているものだそうなので信頼性も高い物となれば言うことが有り
ませんね。
コストが下がればどんどん採用されるでしょうが、サスのチューナーの仕事がなく
なるでしょう。
と言う事でムルティストラーダ1200Sを手にしてみました。
二年落ちですが8000km走行と初期洗い出しが終わっている丁度良いのが見つ
かりました。
皆さん便利に使っているサイドパニア付きも良いと思ったのですが、昔パニア付け
た川崎400SSでタクシーにぶつけたトラウマが有り、トップケースとタンクバッ
グが純正で付いたアーバン仕様にしました。
色は白、赤はカッコ良いけど乗っている人が多いのでやめました。
2015年製のこのモデルはDVT採用に伴い旧型から大幅な電子制御介入がなされ
ており、インパネもTFTカラー液晶で、じじいには見やすい事この上ない。
以前吉田饂飩食べに行ったときに近くにドカの中古屋が有ったのでそこでまたがせ
てもらったのですが、白虎より格段に足つき性が良い。
それにエンジン幅が狭いので股関節にやさしいポジションであることも分かった。
これは自分にとっては大きなポイントなんです。
ハンドルはアジャスタブルに代えられているのでこれからじっくりポジション合わせします。
九州帰りの時に12時間アクセル開けっぱなしで手首がきつかったのも、これならオ
ートクルーズで解消だし。
荷物は憧れのトップケースに簡単ポン。
後は二年落ちとはいえ今までで一番高額になってしまう予算の問題だけです。
今年の断捨離した資金は既に国庫の管理下ですから、一から予算申請するしかあり
ません。
そろそろ老人介護バイクが必要でその介護仕様は装備にお金がかかる旨、だめもと
で訴えてみました。
とても面と向かって言えないので出勤しているときにメールしてみました。
これが功を奏しました。
おかーちゃんがメールを昼飯の時に見たようで、それを見た客室乗員部のマネージ
ャー全員が私に賛成してくれました。
これは奇跡。
おかーちゃんもダメとは言えず購入許可がすんなりと出てしまいました。
お返しに次回の作戦の為にも全員に千枚漬け10枚パックをお渡したのは言うまでもありません。
実は稟議が通らないと思っていたので、そうなると焦ってしまいます。
今度は自分自身が本当にこんな高額な最新バイクを買っても良いのかと迷いが出て
しまいました。
それも問い合わせしたショップの方々の人柄の良さと情熱を持ってバイクに向き合
っている姿を感じ踏ん切りがつきました。
あっという間に納車されましたが、なんと時を同じくして自分の納車3日後にバリ
トノさんが1000Sから1400カリに乗り換えとなりました。
ご近所同士での新型車への変更になんか変な感じでした。
納車の時は立ち会わせていただきましたが、巨体の1400に対しバリトノさんの体格
は全く負けておらず、あの方の為にデザインされたと言っても良いくらいのマッチでした。
聖地で試乗させていただきましたが、さすが最新型は大柄にしてはきびきびとした
動きも出来てスムーズで速い。
重量から来る安定感は疲労を感じさせないでしょうね。
いずれこんなのも良いなと思わせてくれました。
ムルチの話に戻りますが、納車から400km位走りましたがその印象を。
最高馬力は150PSでスポーツモードで発揮されますが、乗り初めにこのモードが
設定してあったため、余りの速さに目が付いて行かずまるでワープの状態でした。
早速走行中にツーリングモードに変更して事なきを得ましたが、これでも結構なパワー。
最後はアーバンモードにしてサスのソフトな感触にこれで十分と感じました。
但しアーバンのスロットルに対するフライバイワイヤの設定はワンテンポ遅れる感
じまで緩くしてあるため、もう少し機敏な反応が欲しい感じがするので、ツーリングモードにアーバンモードのサスの設定を入れ込もうと思います。
この辺が自分好みでフルにアジャストできるのはとても良いですね。
懸念点だった極低速トルクですがいい意味で予想通りで、白虎のような無敵な低速
とはいかない物の、半クラを多用しなければいけないようなことも無く十分実用上問題の無いレベルに仕上がっています。
但しクラッチ握ってシフトをしたときにショックが大きく、走行中でもギアのシフ
ト時にショックがクラッチレバーにまで伝わります。
異常とも思えないのですが構造的にそうさせるのか、同じエンジンに乗っている方
に聞いてみたいですね。
低速からの回転上昇時には2気筒特有のパルス感は健在ですが予想通りのあまり心
地よい部類ではないものです。
この辺はバランサー付きの三気筒の白虎のスムーズにトルクライズしたフィーリン
グには到底敵いません。
白虎のフレーム幅が狭ければなぁと無い物ねだり。
しかし高回転でのパフォーマンスは本領発揮で私が言うことは何もありません。
そうそう使うことはないでしょうが有っても邪魔ではありません。
そう思わせるのはDSSの制御性です。
コーナリング時の細かい路面変化に見事に追従して、これまでの同じ首都高のコー
ナーなどの路面が格段に良くなった様な感触になります。
倒し押し込みも非常にスムーズで癖が無く、フレームのかっちり感が安定感を感じ
させており、これまでと同じコーナーに入るのに20km/hも速度が上がりました。
これは自重しないとちょっとやばいです。
サスの制御性がバイクの性能に与える影響がいかに大きいかわかります。
この事を実感できただけでもこのバイクを入手した甲斐がありますね。
笑われるかもしれませんが、とにかくエンジンと車体の制御のバランスが絶妙で気
が利いていて、なんだかメルセデスのW211のマネージメントととっても似ている感じがしてドカとは思えないです。
もしかしたらマネージメントをボッシュが丸抱えしているのかもしれませんね。
ベンツもBMWもボッシュがマネージメント丸抱えでキャリをしているので、確認項
目に抜けが無く気が利いてる感を感じさせるのかもしれません。
イタリアのエンジニアに聞いてみたいです。
燃費も結構飛ばしても22km/L代をキープしているので燃焼に無駄がないと言う
事を表していますね。
たとえば燃費が二割も悪いと言うことはHCがモクモクでカーボンは溜まるは、オイ
ルは汚れるは、リングやバルブは磨耗するはでろくなことがない。
燃費は燃焼の代用特性で、燃費が悪いと言うことは燃料をより食わせなければ同じ出力が出ないと言う事です。
バイクに燃費なんか関係ねぇ、ロックだぜ!
なんていうのはちっともかっこよくありません。
このバイクのオイル交換は1.5万kmです。
燃焼の良いエンジンのオイル交換はこれで十分です。
我が家のバイクは全車オイル交換は2万km目標でオイルも大事な化石資源です。
3000kmで交換しておけばよいよねなどとの安易な思考から脱却してほしいなぁと思います。
寒い中ですがもう少し走って色々確かめてみましょうかね。