久しぶりかな、この公園にきたのは。古池のまわりは相変わらずの賑わいだ。 パフォーマンス、大道芸があちこちで観客めあてにあの手この手の芸をくり広 げている。それがなんというかある種の切なさがありながら、どことなくまあ やっていけてるような雰囲気だ。自分の息子ぐらいだから、この若者がこれか らどういう風に芸人の道を歩いて行くのか。
最近のテレビには大手芸能プロダクション出身者が支配しているかのような バライテー番組。こんなものは見る気が知れないと思う。つまらないデキレース を見ているようなもんだ。こうして公園で一人の観客と真剣勝負して、なにがし かの金品を貰う。それで少しは生活費の足しになるのだろうか。コマを回しなが ら、観客の受け具合をじっと観察している眼。あたかも獲物を狙う野獣の眼だね。 どうすれば百円が千円になるのかを工夫しているのだ。こうやってそのうち芽を 出してくるのかもしれないな。
雑踏。多くは女の子だけれどこう多いともう風景化してしまって、新鮮さが伝わ ってこない。己の感覚が鈍ってしまったのか?
バス停で帰りのバスを待つ。するとフッと髪の匂いが漂う。ふり返ると女子高校 生が立っている。じっと唇を噛んでバスを待っている。ニキビが新しい。やわらか そうな黒髪だ。その側をスーパーで買い物をしてぶら下げてゆく街中の女の子。こ れから出勤なんだな。歩いて行く先にはネオンがギラついている。ちょっとついて 行って一杯やって帰ろうかな。そんな気にさせる歩き方だ。寒い夜だった。
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