パン屋たね日記

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クープ解説(第2回)

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<クープが開くメカニズム>

今日はクープ(バゲットなどの切れ目)が開く理屈を解説したいと思います。

手描きですが、図を書いてみました。
上段左から右へ、時間が経過していると思って下さい。

昨日のブログにアップした「バゲットカンパーニュ」(生地量250g)で説明します。

まず図1です
パンはやや横長の楕円形に膨らんでいます。最終発酵が終わった段階と思って下さい。
(昨日の写真2の方向から見た断面図です。)
クープはまだ入れていません。

図2はクープを入れた直後。深さ1〜2ミリ程度に、よく切れるカミソリで切るとよいでしょう。
バゲットカンパーニュの場合は、昨日の写真2の様に刃を寝かせて切り込みます。
こうすると、焼き上がりのクープの片側だけが鋭くとんがってガリガリの香ばしいエッジが作れます。
理屈は、何となく解りますよね?

図3は窯入れ3分後。生地がオーブンに入れられて、生地温度が上がり、生地全体が急激に膨らみ始めます。表皮は乾き始め、生地の内部温度は40度〜45度になっています。
注目していただきたいのが、左下の図。図3のクープの拡大部分です。表皮は乾き始めていますが、クープを入れた部分は凹んでいますので、表皮に比べて乾きにくい。ここがポイント。
表皮が乾いた状態で、まだ生地は膨らみ続けています。表皮は乾いていますから、「伸び」がありません。しかし、クープの部分はまだ湿った状態ですので「伸び」ることが出来、パン生地が膨らむ力によって開きます。開くとまた湿った部分が現れます。厳密にいうと「裂け」ているんですね。膨らむ力によって「裂け」ているから湿った生地が現れて・・の連続です。重要なので、もう一度言いますね。「膨らみ続ける力によって、裂け続けている」んです。

図4は窯入れ10分後。生地の内部温度は約70度になります。60度を超える環境で酵母菌は死滅しますので、パンの膨らみはここでストップ。生地が膨らまなければ、クープは「裂け」ることがないので、その状態のまま加熱されて固くなります。右下の図は図4のクープの拡大図です。

お解り頂けましたでしょうか?

このような仕組みなんです。
では、昨日の写真2の様に「斜め切り」しないと開かないのか?
答えはNOです。開きます。「斜め切り」は先ほどもちょっと書いたのですが、
昨日の写真4、5にありますように、片側だけ(Bの方)が鋭く切り立ちます。
垂直にクープを切るとどうなるでしょう?
両側が切り立ちますが、斜め切りの時ほど鋭くはなりません。

じつは、生地がうまく出来ていれば、初めての人でもクープはきれいに開きます。
クープ入れがいうまくいかないと、「切るのが下手だから?」と思うかも知れませんが、違います。
他に原因がある場合が多いのですよ。

<ヒント>
昨日の写真4のAとBは、窯入れ前にはくっついていた訳ですから、
窯入れ後にあれだけ膨らんで開いたという事です。
生地が膨らまなくては、クープも開きません。
生地が膨らむために最も必要なのは「イースト(酵母菌)」の力ですから、
イースト量や、捏ね具合も関係してくるということなのです。

今日はここまで。面白かったでしょうか?
クープが開くメカニズムは分かったと思いますが、
「じゃ、具体的にどうすればいいのよ〜」と思いますよね?
次回はその辺の事を、詳しく掘り下げたいと思います。

けん

閉じる コメント(9)

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こんばんは。パンが好きで、おうちで焼いてたのしんでいる者です。とても関心のある記事でした。内容がハイレベルなので私が消化するのは無理かも知れませんががんばって焼いてみたいと思います。

2007/1/31(水) 午後 10:22 tabeo555 返信する

何度も何度も読み返してるうちに少しづつですが分かってきたよーな気がします(^^)頑張ってつくってみます

2007/2/1(木) 午後 5:28 yukappe 返信する

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Tabeさん、こんにちは。今書いている内容は確かにレベル高いですね〜。Tabeさんなりの疑問とかあったら一緒に考えますよ。少しずつレベルアップしていきましょうね。ブログ拝見しましたけど、かなり美味しそうですよ。

2007/2/1(木) 午後 7:18 パン屋たね 返信する

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yukappeさん、いつもありがとうございます。まだ、続きがありますので楽しみにしていて下さい。今までは「理論」でしたが、次からは「実践」に入りますよ。

2007/2/1(木) 午後 7:19 パン屋たね 返信する

いえいえ。。いつも質問ばっかりしちゃって。。こちらこそ すいません(^^)お〜っ続きがあるんですね!! 楽しみだぁ〜♪

2007/2/2(金) 午後 6:11 yukappe 返信する

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はじめまして。クープがうまく開かず悩んでここにたどりつきました!感動です。私の場合、クープの部分が割れるのではなくて「平ら」になってそれ以上割れず、底や横など別の部分がわれてしまいます。どうしてなんでしょうか・・・? 削除

2008/11/12(水) 午前 1:50 [ あゆぴ ] 返信する

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あゆぴ様、こんにちは。書き込みありがとうございます。
多分、直接の原因はオーブン内の乾燥にあると思います。
ハード系のパンを焼くときには「蒸気注入」すると聞いたことがありませんか?天板が2枚入るオーブンですと可能なのですが、上の段にはパン生地をのせます。下の段には直径2センチくらいのゴロ石を敷き詰めて、予熱時からオーブン内で熱くしておきます。パン生地を窯入れするときに下の段の熱い石にコップ1杯の水を流して、蒸気を発生させます。すぐにオーブンのドアを閉めます。これでオーブン内部の乾燥が防げて、クープが割れやすい条件ができます。やってみてください。ただし、蒸気に弱いオーブンもあるかと思いますので、これは自己責任で行うかどうかを判断してくださいね。

2008/11/12(水) 午後 6:43 パン屋たね 返信する

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お返事ありがとうございます!早速蒸気注入して焼いてみました!前よりはクープがひらいてくれました。焼く前にすでにクープが開いてきた感じです。もう少しカパッと割れてくれるように試行錯誤してみます。ありがとうございました! 削除

2008/11/12(水) 午後 11:17 [ あゆぴ ] 返信する

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早いですね〜。では、あとは生地の固さ調節と成型時の締め具合、最終発酵の時間調整をしてみて下さい。なにかわかるかも。頑張って!

2008/11/13(木) 午前 4:53 パン屋たね 返信する

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