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■ブラックホールからは光は出て来ません.しかし,ブラックホールに荷電粒子が引き込まれるときに電波やX線が放出されているそうです(これらも光と同じ電磁波の仲間です).ブラックホール穴の形は,そこから放出される電波を観測(電波干渉計という電波望遠鏡を用いるので,電波強度と位相がわかります)して,それらのデータをFourier変換すると見えてきます.Fourier変換に用いる観測値はブラックホールの周囲の大きな立体角内のものが必要なはずですが,電波望遠鏡のある地球上での観測なので,地球が宇宙空間で動いてはおりますが,非常に限られた観測点での観測データしかありません.
ブラックホールの穴画像(物体)をX,観測されたデータセットy とすると
yAx です.行列Aが正則ならば,xA^-1 .y と簡単に解くことができるのですが,
yの次元Nは非常に小さく,xの次元Mは非常に大きい.行列A
NxM行列です.
(行列Aや,形式的な逆行列A^−1は線形演算子で,内容はFourier変換やその逆変換です)

多数(M個)の未知数のあるxを解くのに,式の数(N個)は少ないので,不定解(解に任意性が残る)です.そこで,解Xは,なるべくたくさんの0要素があるもの(スパース)にすると条件付きにして解を求めます.
この方法は,LASSO(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)と言います.何故,このようなスパースな解が,合理的なのかは難しいのですが,結果は現実によく合うようです.
■このような手法は,医学画像(MRIなど)解析で用いられており,高速で高解像度の画像が測定できる圧縮センシングとして役立っています.
この方法の心は,得られる画像の解像度を上げるには,観測空間でも細かくたくさんのデータを収集し,それらを用いてFourier変換を行うのが正攻法でしょう.しかし,実際には画像内で急峻な変化がある場所は少ない.大体がだらだら変わっている.だから観測空間で細かい分解能で測定するのは時間がかかり過ぎてもったいない.観測空間の少数の点だけのデータで十分である.求める画像で急峻な変化のある場所は少なく,だいたいは変化がだらだら変わっている(この考え方はjpgの圧縮と同じ)ので,得られる画像は至る所0(スパース)という仮定は,大胆であるが良い結果になるのだと思われます.
数学的には,xがスパースであるという条件を,Σ|xi|が最小という条件にして,最小2乗法||y-Ax||^2を解くことである.これにはラグランジュの未定乗数法という手法が適用できます.

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