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阿修羅像
興福寺の阿修羅像が東京出張で大変な好評だった。
関西人としてはいつでも見られるので
ありがたさもあまり感じなかった。
今回の出張で普段目にできない関東の人々が
食い入るように見ておられる様子に
ある種の嫉妬みたいなものを覚え、お帰りになったら
またお会いしに興福寺へ行きたいと思っていました。
そんな時にこの放送がありました。
興福寺の西金堂(消失)には
興福寺曼陀羅を表す、お釈迦さまを中心に10大弟子、
八部衆の神様が立体的に配置されていた。
阿修羅像はその八部衆の中の戦いの神様である。
神様であるが人の表情を3面にあらわしている。
コンピューターグラフィックで詳細な分析も行われている。
その阿修羅像を当時の技法を使って
コピー作成に挑まれた記録です。
興福寺は度々の火災にも拘らずこれだけの仏像が
災害を免れて現存するのが不思議なくらいです。
焼失を免れたのは仏像の中が空洞になるように
漆を固めて作られているために易々とかついで
持ち出すことができたからだそうです。
最初に粘土で像を作成し、麻布を貼り付け
それを漆で固めて、背中部分をくりぬいて
粘土の固まりを全て取りだします。
そこに漆と木の粉を混ぜたもので
詳細な造形を塗り固めていく。
木の粉にはヒノキ、桜等が試されるが
細かな表現部分には適さない。
当時の漆に混ぜられた物が何であるかの仏像調査があり、
やっとその正体が明らかになった。
それは楡の木で、方解石を含む粘り気のある素材であった。
阿修羅像の下まぶたのふくらみ部分を
本物に近づけることができた。
さらにその表面をトクサで磨き上げると漆独特の光沢が
浮かび上がってくる。
この映像で初めて知った当時の仏師の匠の技である。
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