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チビの主治医は小児科のドクターですが
今回の手術の執刀自体は、脳外科の先生がしてくださっていました。
脳外科のドクターが2人、小児科のドクターが2人、それに麻酔科のドクターと
大勢のドクターがチビの命を必死で救おうとしてくれていました。
主治医は
『今回、このチューブを通って頭の中の膿が外へ出てきてくれることを期待しています。
ただ、このチューブも感染の危険が非常に大きいので(直接脳に入れてるため)
5日間が限界です。それで小さくなってくれるといいんですが』
小さな身体に大きなチューブのチビは、見ていても可哀想でしたが
これで治るんだ
そう思って、毎日を見守っていました。
そして5日後、チューブを抜く日がきました。
『もう、あとは回復していくんだ』そう思っていたのに・・・
それから2日しか経っていない日、チビの面会に行くと主治医の先生が
『至急、お父さんにも来てもらえますか』と
かなり急いでる様子です。
その頃、主人は何かあったときのために携帯を持っていたので
すぐに連絡を取り、仕事場から駆けつけてもらいました。
私達の前で主治医は
『チビちゃんの膿ですが、今は何箇所もできていて・・・特にかなり大きくなっているのが
あって、至急処置をしないと。今回はチューブよりも確実な方法をとりたいと思っています。
頭の左右に穴を開けて、そこから膿を掻きだします。とにかく時間との闘いになりますので
すぐに手術に取り掛かりたいと思います。同意できますでしょうか。』
今回は急な事だったので、さすがに動揺していないと言えば嘘になりますが
やはり『チビが助かるため』の手術をお願いしました。
すでにその頃は夜の7時を回っていましたが・・・
私達夫婦は、そんな時間の流れもわかっていませんでした。
10時を回った頃、手術を終えたチビが帰ってきました。チューブもなぜか左右2本
頭についていました。
その後、脳外科のドクターから説明を受けました。
『まず、チビちゃんの脳の状態ですが・・・膿が溜まっていた部分は、脳が腐っている状態です。
そして今回、それを可能なかぎり掻きだしました。大きいものはほとんど掻きだしましたが
その結果、前頭葉がありません。他の部分も無数に小さな膿の溜まった袋があって
これは取りようがありませんが、そのうちに自然となくなっていくでしょう。
でも、その部分の脳も当然ありません。なので、スポンジのような状態の脳でしょう。
後遺症についてですが・・・脳を失った部分からみて、この子には知性も理性も感情も
ありません。身体の障害についても・・・はっきりとは言えませんが何かしらは出るでしょう。
とにかく、私が診た髄膜炎の患者の中で『最重度』ですから。
これから彼がどういうふうに成長するのか、わかりません』
この言葉は、主人にとってかなりショックだったようです。
私も結構辛いものはありましたが
『これでもう、快方に向かうのかな』と・・・
今にして思えば、かなり楽天的に考えていたようです。
この日が12月7日。チビが生まれて、まだ1ヶ月も経っていないときでした。
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